第1話 なんか美少女になっているんですけど
あの浮遊感が無くなったので目を開けると。
「知らない天井だ」
本当に知らない天井があった。転移する前の俺の部屋の天井に似ているが、こんなピンク色はしていない。………てか、何か声高くね?しかも幼い。………まぁ、中学時代に戻ったんだから声変わりがまだ来てない事だし別にいいか。
それにしても、本当にここはどこなんだ?
俺は寝ていた身体を起こし、起き上がると周囲を見渡す。そして、俺の部屋と同じものが存在していなかった。
その部屋にあるのは可愛らしいハートの彫り絵がついている机と机の横に掛けてある薄紫のランドセル、クローゼットにタンスに大きなぬいぐるみ等が置いてある、ザ女子の部屋って感じの部屋だった。
「ここは一体、ッ!」
周囲を見渡した後、俺に激しい頭痛が襲い掛かってくる。そして、俺の知らない記憶が大量に流れ込んできた。
「………あぁ、そう言う事か」
俺は自分が寝ていたベットから出ていき、机に置いてある鏡で自分の姿を確認する。
鏡に写っていたのは輝く銀色ロングヘアーの髪に、くりっとした大きな瞳に碧眼のぷっくりとした唇。10人見れば10人が振り返る美少女がその鏡に写っていた。
「………神様。極端な事は起きないって言ってたじゃありませんか」
確かに世界から見たら極端なことじゃないよな。ただ一人の男が女子になっただけだし。
「俺、女の子になったのか」
しかも超が付くほど美少女。いや、この身長だと少女って言って正しいのか?今の身長140㎝あるかないかだし。………まぁ、元々の身体の持ち主は身長の事はコンプレックスらしいしあまり考えないでおこう。
「日原 燐……女子になっても俺の名前は変わらないままだな。おっと、女の子になったから口調には気を付けないとな」
男の人格があったとしても、流石に俺っ子は似合わないしな。うん。今日から中学生になるんだから気を付けよう。………ん?今日から?
俺は急いでカレンダーを確認する。記憶からすると昨日は4月6日だったはずだから次の日は………入学式今日じゃん。
時計を確認すると時刻は7時を回っており、俺が入学する学校はここから走って15分はかかるため7時45分には必ず出ないといけない。
「やっば!!」
すぐさま二階にある洗面台に直行し顔を洗う。そしてスキンケアを行い、髪をアイロンで整える。元男だが記憶のある通りに行ったのでさほど時間は取らなかった。
そして、部屋へ戻りクローゼットに掛けてある新品の制服を着る。スカートをはくのに抵抗はあったが、初回から遅刻なんて笑いものなためしぶしぶ着替える。うへぇ、女子ってこんなにすうすうするのか。
そんな事を思いながら身支度を整えた俺は鞄をもって一階へ降りる。そして、リビングへ向かうと5年振りに再開する妹がいた。
「あ、お姉ちゃんおはよう」
一個下の妹、日原 蘭。今の俺の姿とは似ていなく、黒目黒髪ツインテールの少女だ。(今の俺より10㎝くらい高い)久しぶりに見たがなんか美化されてないか俺の妹?こんなに可愛かったか?
「おはよう蘭。今何時?」
「今は7時30分だよ。私はもうそろそろ出るからカギ閉めよろしく」
「あ、う、うん。わかった」
そう言った後、妹は立ち上がって何処かへ行った。ちなみに、お父さんとお母さんは仕事が早いため、7時前にはもういない。
俺は自分の朝ごはんが置いてある席へ座り、朝ごはんを食べ始める。その後、食べ終わると皿を水へ着け、歯磨きを始める。
「それじゃあ行ってくるねお姉ちゃん」
「いっへらっはい《いってらっしゃい》」
妹が家から出かけた後、歯磨きを終えた俺は鞄を持ち、靴を履いた後、誰も居ない家へ行ってきますと言い、家を出た。




