第10話 気絶した
ピィィィィーーーーーーー!!!
試合終了の笛が鳴った。結果は櫻庭中が63点で清公中が70点で終わってしまった。追いついて来ていたが時間が足りなくて負けてしまった。
「燐ちゃん、試合終わったから整列しないと」
「え、あ、うん」
佳音にそう言われついて行くとハーフラインの前でお互いのチームが整列する。そして、審判が笛を鳴らすと「「ありがとうございました」」と礼をした。
「次は相手チームの監督さんに挨拶しないと」
「わか………た」
挨拶した瞬間、視界が狭まって行く。そして、身体から力が抜けていき、激しい頭痛が来た。………この症状は………魔力欠落症か。………なんでだ。俺の魔力量なら………20分は行けたはずだ。
原因を考えてはいたが既に症状は末期に入っていて、俺は地面へに倒れ込んでしまった。
「燐ちゃん!!??」
「燐ちゃん!!!???」
「燐!!??」
俺が倒れるとぼんやりとした視界だったが、みんなが駆け寄るって来ているのが分かった。………これは気絶するな。………次の試合は………間に合わない………な。
そうして、俺の意識は暗転した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
どれくらい気絶していたのだろうか。そう思いながら俺の意識は覚醒した。すぐさま身体を起こし周囲を確認するが、俺が寝ていたベットを囲うようにカーテンが敷かれており、ここがどこなのかは理解できなかった。
「………いつか人が来るか」
とりあえずここがどこなのかはさておき、何故10分程度で魔力欠落症になったのかを原因を考えることにした。
まず、異世界の俺では全身の身体強化を施しても20分以上は動けた。しかし、地球で全身に身体強化をしても10分程で魔力欠落症に陥ってしまった。なぜだ?
「………大気に魔力が無いからか?」
考えた結果、ある事を考えに至った。それは地球にの大気に魔力が存在していないという考えだ。異世界ではほとんどの者が魔力を使うことが出来て、魔力の濃い場所のもあってそのに長時間滞在すると魔力酔いに陥る。なので、異世界の大気には魔力があふれていたと考えられる。そして、人間は大気にある魔力を吸う事によって魔力を回復が早くなったりして魔法を使う時間が増えた。
しかし、地球だと魔法を使う者は存在しない。なので大気に魔力が無い、もしくは薄いため、魔力を吸う事が難しい。だから、俺の身体強化の時間も短くなった。そう考えるのが妥当だろう。
「魔力量、伸ばさないとな」
異世界では魔力の保持量を増やすためには10歳から18歳に魔力を使う事によって保持量が増える。俺が異世界に来た時は17歳だったため1年しか伸ばすことが出来なかった。しかし、今の身体は12歳。後6年間魔力保持量を伸ばすことが出来る。
「身体強化使いまくるか」
そう口でつぶやくと、どこかからドアが勢いよく開く音が聞えた。その後、足音が聞こえ周りにあったカーテンが開かれる。カーテンが開いた個所を見てみると五十鈴がいた。
「燐ちゃん!?」
「え、えっと、おはよう五十鈴」
「おはようじゃないよ!!5時間も倒れていたんだから!」
「ご、ごめんね五十鈴」
「ほんと無茶したダメだからね!」
その後、九条先生がやって来て体調に問題ない俺は保健室から退室して、迷惑を掛けた清公中の監督に挨拶した後、俺と五十鈴は九条先生の車で家へ帰った。どうやら、試合自体はもう終わっており、まだ俺が気絶していたので他の皆は帰って九条先生と五十鈴が残ったようだ。ほんと、魔力欠落症には気を付けないとな。
俺は五十鈴に頭を撫でなれながらそう思った。




