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プロローグ


 とある異世界の王国の農村にて俺は農作業をしていた。この世界に転移してから5年の月日が経ってようやく、畑の耕しにも慣れた所だ。


「よし、この場所はもう十分か」


 俺がそんなことを呟いた時だった。俺の視界に光の粒子みたいなものが映った。


「なんだ?」


 光の粒子を見ていると下から出ているのが分かり、下を見てみると、俺の身体が透けており、光の粒子の出所が俺だと判明した。


「え、あ、ちょ、なんで俺が透けてんだ!?」


 俺は持っていた桑を放り投げ、自分の身体を触りながら慌てる。なんでだ!?俺はただの巻き込まれて追放されここで農作業をしている奴だぞ!?

 しかし、俺の身体は徐々に光の粒子となっていき、遂に俺の頭しかなかった。


「死ぬのか俺!?嫌だ!!せめて童貞はそつぎょ」


 最後の一言も言わせてもらえなかったが俺はその場から消えた。




◇   ◇   ◇   ◇   ◇




「うさせてくれ!!!………え?」


 体が粒子になって最後の言い残すことを言っていると、そこは俺がいたのどかな農村ではなく、ただただ白い場所だった。


「あ、え、ここどこだ?」

「ここは邂逅の場です」

「!?」


 急に後ろから聞こえてきた声に俺は驚き後ろを向くと、傾国の美女と言われていたあの王女様とは比べ物にならない美女が居た。


「え、え~と、あ、貴方は」

「私は時空の神です。まず、貴方様に謝らければならないことがあります。遅くなりましたが、貴方様を転移の陣に巻き込んだことを深く御詫び致します」


 神様と名乗った美女さんは俺へ頭を下げる。


「……‥は!いや、えっと謝らないで下さい神様。誰だって失敗はありますから。しかもあの世界でも楽しく過ごせましたから」

「ほ、本当ですか!?………あ、い、いえ、すみません。あの農村は私の加護が付与せれている村だったため、貴方様があそこで楽しく暮らしていたのは嬉しく思いまして」


 あ~、だからなんか作物が異常な速度で成長していたのか。納得したわ。なんせ、種を植えたらどんな作物も一か月くらいで収穫可能なんだもん。時空の神様の加護の影響だったのか。


「そうだったんですか。だからあんなに楽しく過ごせたんですね。ありがとうございます。…それで、私はなぜここに呼ばれてのでしょうか?」

「あ、そうでした。……こほん、貴方様を呼んだのは勇者一行が魔王を倒したため、ようやく、地球との時空管理が出来るようになったからです」


 あの勇者ハーレムパーティようやく魔王倒したんか。意外と遅かったな。王様の話だと3年くらいって聞いてたのに。


「ようやく倒したんですね」

「はい。見立てではもっと早く倒していたんですが、あの勇者が怠惰で傲慢で強欲で、ずっと王都で豪遊しており、出発するのに1年掛かりましたから。そして、街によれば酒を飲みまくって女を犯す最低野郎でした。まぁ、勇者としての仕事は果たしたので別にいいですが」

「あ、あははは」


 ヤバいなあの金髪野郎。俺が農作業していた間にそんなことしていたのかよ。


「話が脱線しましたね。それでようやく時空が開通したため、貴方様は地球に帰る事ができます」

「ほ、本当か!?」

「はい。この世界に残っても構いませんが、地球に帰っても構いません。どちらにしますか?」

「地球へ帰ります!」


 俺は即答する。別にあそこもいい場所ではあったが、地球と比べると、断然地球の方に軍配が上がる。


「分かりました。では地球へお返しします。しかあし、勇者たちは残るそうなので、少し地球を改変しないといけなくなります。おそらくですが、貴方様が転移される5年前の少し変わった世界になりますがよろしいでしょうか?」

「あの~、少し変わったという部分はどの辺になるでしょうか?」

「極端に変わることは無いので、普通に暮らしていても違和感が感じない程度だと思われます」

「なら大丈夫です」


 5年前と言うと、俺が中学に入学した時くらいになるのか。…お!ていう事は記憶を持ってやり直すことが出来るって言う事なのか!やったー!!あの黒歴史なんかも皆に知られることが無いんだ!!


「では転移します。目を瞑っていてください。次に目を開けた時は地球です」

「分かりました」


 そうして俺は目を瞑った。その後、俺は浮遊感を感じた。


「せめてもの謝罪です。貴方様の才能を全部底上げしておきます(小声)」


 神様が最後に何か言った気がするが俺は気のせいと考えた。

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