嫌われてるかも
ジャック父「勇者様!!」
カイル「うん?」
ジャック父「折角ですし、休んでいかれませんか?今日くらいは」
カイル「いやいや。俺達には一刻も早く魔王を倒すという使命があるんで」
バルト「いーですね。では泊まらせてもらいましょう」
リゼ「さんせーい!!」
スピカ「いいえ。勇者様の言う通りです。一刻も早く先に向かうべきです!!」
リゼ「あのさあ、アンタバカァ??」
スピカ「ああん!?」
リゼ「考えてもみなさいよ。今ここで急いで、疲労のせいでその辺のモンスターにやられるのと、今ここでしっかり休んで、万全の状態で戦闘に臨むのと、どっちがいいと思う??」
スピカ「それは屁理屈です。私たちが急ぐことで、救われる命がいくつもあるはずです。それに私たちはその程度でやられない。そうですよね?勇者様」
カイル「流石はリゼだ!!やっぱり休むことにしよう!!」
スピカ「ええ!?!?」
~次の日の朝~
カイル「ふあああああ…もう朝か。よし、みんな!!起きろ!!」
リゼ「嫌だ。もうちょい寝る…」
バルト「俺も…」
カイル「いや吞気か!!俺らには一応、一刻も早く魔王を倒さなきゃいけないっておう使命あるんだけど!?」
バルト「いーじゃねえか。少しくらい急いでも変わんないって」
リゼ「そうそう。とりあえず昼までは寝ましょう」
カイル「ニートか!!」
スピカ「はーーーい、起きてくださーーーーい。リゼさーーーん」
ズルルルルル
ドスン!
リゼ「いった!!ちょっと、何すんのよ!!」
スピカ「もう起きる時間です。さっさと起きてください」
リゼ「バルトだって、まだ寝てるわよ!?」
バルト「いや?俺はもう起きてるけど?」
リゼ「え…?」
バルト「スピカが起きると言ったら起きる。常識だな」
カイル「え?俺も同じこと言ってたんだけど?」
リゼ「まあ、バルトがそう言うんじゃ、しょうがないわね…」
カイル「え?何?俺の意見は無視??」
スピカ「私は勇者様の意見にしっかり従いますよ!」
カイル「ス、スピカ…」
スピカ(はい好感度UPいただきました!)
リゼ「まあ、スピカは勇者様だーーーい好きだもんね!(笑)」
カイル「え??」
スピカ「そそそそんなわけないじゃないですか!!いい加減なこと言わないでください!!そ、そっちこそバルト大大大好きなくせに!!」
リゼ「はああ!?バ、バルトなんていつもぐーたらしてて、ガサツだからぜんっぜん好きじゃないし!!むしろ嫌いだし!!」
リゼ(あああアアアアアアア!!あたしのバカバカバカ!!)
バルト「…………………」
リゼ「ま、まあでも、たまに見せる男気と、あなたの強さは本当に尊敬しt」
バルト「うわあ、傷ついたわー。メンタル崩壊したわー」
スピカ「よしよし。本当にひどいわねえ、このリゼとかいう子は」
バルト(グへへへへへへ。スピカに頭撫でてもらったぜ!)
リゼ「ちょっと!!人の話を聞きなさいよ!!」
カイル「俺はちゃんと聞いてたぜ!!」
リゼ「アンタはうっさい!!」
カイル「なんで!?」
スピカ「では、次の村へ行きましょう」
リゼ「あのさあ、寝不足は美容の大敵なんだけど」
スピカ「これ以上は寝すぎです。生活のリズムを壊してしまいますよ」
リゼ「あたしには関係ないわ。いつでも寝れるから」
スピカ「の○太か!!」
リゼ「そういう訳なんで、基本的にあたしは起こさないでね。自分のタイミングで起きるから」
スピカ「子供か!!」
スピカ「ゴホン。あのですね、あなたに合わせていると周りの方々に迷惑がかかるので、残念ながら今後も普通に起こさせていただきます(笑)」
リゼ「まあねえ、スピカはもう見た目がおばさんだから簡単に朝起きれるんだろうけど、あたしはまだまだピチピチの若い子供だからさあ。長い睡眠が大事なのよ」
スピカ「おい。貴様を永眠させてやろうか??」
リゼ「ムキー!」
スピカ「ウキー!」
カイル「なあ、バルトさあ…」
バルト「うん?どうした?」
カイル「俺、リゼに嫌われてるかもしれない…」
バルト「な、なんだよ急に…(笑)」
カイル「いや、今まではただのツンデレだと思ってたんだけど、どうやら最近の態度を見てると、普通に嫌われてるだけのような気がするんだよね…」
バルト「いやちょっと、あんまり何言ってんのかよくわかんねえけど…まああいつは、何でも物事をはっきり言う性格だからなあ(笑)」
カイル「いやホントに。俺なんて何回キモイと言われたことか…」
バルト「まあそれは事実だからしょうがないけども…」
カイル「マジで!?」
バルト「気づいてなかったのか!?」
カイル「そっか…なら嫌われても仕方ねえか…」
バルト「いや、でも別に嫌われてはいないと思うぞ??」
カイル「マジで!?」
バルト「嫌われてたら、多分無視されてると思うから」
カイル「なるほどな!!確かに!!よっしゃあ!!」
バルト「滅茶苦茶テンション上がってんな(笑)」
カイル「当然よ!!だって嫌われてると思ってたしね!!」
バルト「まあでも一応、プレゼントとかあげてみたら?」
カイル「え!?マ、ママママジで!?」
バルト「女のご機嫌を取るには、それが一番だ」
カイル「おおーーー!!流石はバルトだ!!」
バルト「まあ、頑張れよ(笑)」
カイル「おう!!」
~夜~
カイル「リゼ!!ちょっと来てくれ!!」
リゼ「なによ…もう眠いんだけど…」
カイル「ちょっと渡したいものがあるんだ!」
リゼ「え!?マジで!?アンタが??」
カイル「ああ。普段から迷惑かけてるからな。そのお礼にと思ってな」
リゼ「へえ。す、少しはイイ所あるじゃない。見直したわ」
カイル「普段の俺、そんなダメダメか?(笑)」
リゼ「まあ、デリカシーはないし、アホだし、すぐメンタルブレイクするし…」
カイル「そうか…」
リゼ「で、でも、いざという時はカッコイイし、頼りになるわよ!!////」
カイル(うおおおおおおおお!!デレがキマシタワー!!これは、俺とリゼの関係性が、今回でだいぶ進んだのでは!?)
カイル「そ、そうか!!良かった!!」
リゼ「それで、プレゼントっていうのは??」
カイル「おう!!これだ!!開けてみてくれ!!」
リゼ「何かしら??」
カイル「今のリゼに必要なものは何かと考えて、これにした!!」
リゼ「どれどれ…」
リゼ「は…???豊胸パッド…???何これ……」
カイル「よくスピカに胸の大きさでバカにされてケンカしてるだろ??」
リゼ「…………………」
カイル「でもこれをつければ、もう二度とスピカにバカにされることはないぞぜ!」
リゼ「…………………」
カイル「安心しろ!!俺がみんなにバラすことは無いから!!2人だけの秘密だ!!」
リゼ「…………………」
カイル「どうした??嬉しすぎて声が出ないか!?」
リゼ「〇ねええええええええええ!!!!」
カイル「ギャアアアアアアアアアア!!」
~続く~