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富豪の村 その2

カイル「あ、そういえば君の名前は?」


??「すいません。自己紹介が遅れました。僕はジャックって言います」


カイル「俺はカイル!!よろしくな!!」


バルト「バルトだ」


リゼ「リゼよ」


スピカ「スピカです」


ジャック「よろしくお願いします」


カイル「しかし、なんだか寂しい雰囲気の町だなあ…」


バルト「さっきから、人っ子1人いないしな…」


ジャック「基本的に夜は出歩けないんです。警備も厳しいですし」


バルト「警備??この町で何かあったのか??」


ジャック「ええ…まあ…」


バルト「??」


ジャック「ここです。ここが僕の家です」


カイル「おおーすげえ!!でもなんだかあの辺の家と比べると、ボロボロだし、めっちゃ小さいね!!」


バルト「おいバカ!!失礼だろ!!」


リゼ「ごめんなさいね…ホントにこの勇者はバカで…」


スピカ「でもまあ、勇者様の言う通り、勇者様の言う通り、これは何かワケがありそうですね…」


リゼ「なんで2回言ったし」


スピカ(大事なことなので2回言いました!!勇者様、しっかりと手柄をアピールしておきましたよ!!)


ジャック「はい…実は、勇者様のおっしゃる通り、この村の村長に領地を没収されてしまいまして…」


カイル「村長に?」


リゼ「何があったの?」


ジャック「僕の家族がこの村に来た当初は、普通に野菜を売ったりして幸せに暮らしていたのですが、今の村長が新しくこの村に来てからというもの、通行料金を取り始めたり、高い税金を取ったりするようになってから、一気にお金がなくなり、生活が苦しくなってしまいました…」


ジャック「そこで僕の父は、同じ理由で苦しんでる人たちと共に、村長に訴えに行きました。しかし、みんなそこから戻ってきません…」


スピカ「ちなみにそれはいつですか?」


ジャック「もう1ヶ月前です…」


カイル「それはヤベエな…」


リゼ「お父さんが心配ね…」


ジャック「そして残された母としばらく過ごしていたのですが、疲れと貧窮で段々と弱ってきて、畑の作業も行き詰まり、負のスパイラルに陥りました…」


ジャック「そして税金として払えるお金すらついに無くなり、このように領地がどんどんと没収され、ついにはこの小さなボロ家まで追い出されてしまいました…」


バルト「引っ越さないのか??」


ジャック「引っ越せないんです。まず父も置いていけないですし、それにお金がほとんどないので、引っ越しても何もできないんです…」


カイル「なるほどな…」


ジャック「実際に逃げ出した人は何人かいました。しかし手ぶらで抜け出さなければ、絶対に失敗します!!失敗すれば村長の館に連れていかれ、二度と戻りません!!」


ジャック「仮に手ぶらで抜け出せたとしても、一番近い村でも20km以上あると聞きました。下手すると迷子になり、餓死してしまいます…流石にそこまで命はかけられません…でも、でもこのままでも、僕たち貧乏人は、確実に死んでしまいます…」


スピカ「なるほど…それで私たちに賭けてみた、とそういうことですね?」


バルト「ああ。そういうことだな」


リゼ「やるじゃない。アンタ」


カイル「え?え??どういうこと??」


ジャック「ゆ、許してください!!本当にごめんなさい!!こんな、宿で釣るようなことをして…」


スピカ「大丈夫です。気にしないで」


バルト「ああ。苦しんでる人を放っておくほど、俺らも落ちぶれちゃいねえよ」


カイル「だから、さっきから何の話!?」


リゼ「アンタまだわかってなかったの!?」


カイル「わかるかあ!!」


リゼ「威張るな!!」


スピカ「あのですね、勇者様。あの子は今困っており、頼る人もいません。そこに私たち勇者一行が現れました。しかも追い出されて宿を探しています。そこであの子は考えました。さあ、ここで問題です!!この子はどのようなことを考えたでしょうか!?」


リゼ「なんでクイズ形式!?」


スピカ「①勇者一行に野宿をさせたくなかった ②勇者一行を泊まらせる代わりに、この村の問題を解決してもらおうと思った ③勇者を奴隷にしたかった」


リゼ「なんだ最後の選択肢!?」


カイル「なるほど!!俺を奴隷にしたかったんだな!?とんでもない奴だ!!」


リゼ「ちげーよ!!」


カイル「冗談だよ冗談(笑) 答えは①だろ?(笑)」


リゼ「ちげーよ!!」


カイル「ええ!?」


スピカ(勇者様の奴隷姿…ハアハア…)


~スピカの妄想タイム~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


スピカ「おいコラ勇者さんよお!!さっさと働けよ!!」


カイル「ひいい!!お許しくださいスピカ様!!」


スピカ「ダメだ。今日は丸1日、この私に尽くせ」


カイル「承知しました。では早速、全身をマッサージさせていただきます」


スピカ「いきなり!?え、ちょ、やめ、キャーーーーー!!///////」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


スピカ「デュフフフフフ…勇者様、マッサージ上手すぎますよお…」


カイル「えっと、あの、スピカ!?答えは!?おーーーーい!!」


スピカ「はっ!?!?!?」


リゼ「アンタ、何をニヤニヤしてたのよ…」


スピカ「あ…ご、ごめんなひゃい!!」


バルト(噛んじゃうスピカ、マジで超可愛い…)


リゼ「まったく。スピカの奴、何を考えてんのよ。ねえ、バルト…」


バルト「デュフフフフフ…」


リゼ「う、噓!?バルトまでデュフデュフしてる!!」


バルト「え!?ち、違うぞ!?お、俺はデュフデュフなんてしてないからな!?」


リゼ「いーや絶対してた。絶対デュフデュフしてた」


バルト「いーや。神に誓っても、俺はデュフデュフしてない!!」


カイル「デュフデュフしてるって何!?」


スピカ「ゴ、ゴホン!!あのですね、この子は、私たちを家に泊める代わりに、この村の問題を解決してくれるように依頼しようとしたんです!」


リゼ「そうよ。わかった??」


カイル「あ、うん。それはわかったけどさ…」


リゼ「けど?」


カイル「なんでそんなまどろっこしいことすんの??別にそんなことしなくても、直接言ってくれれば普通に助けるのに」


ジャック「え…?」


バルト「アハハ!!確かにお前はそういう奴だったな!!(笑)」


リゼ「いつもアホすぎて、コイツの良い所忘れてたわ(笑)」


スピカ「カッコいいいいいいいいいい!!流石は勇者様!!神!最高!」


ジャック「じゃ、じゃあ、やってくれるんですか!?」


カイル「ああ。もちろんだぜ!!よし、早速行くぞお前ら!!」


バルト「いや。今日は寝よう。もう遅いし」


リゼ「そうね。ふあああああ。もう疲れたし」


スピカ「勇者様、眠くては戦はできぬ、です。おやすみなさい」


カイル「そんなことわざあったかな…?」(※ないです)


ジャック「では明日から、どうかよろしくお願いします…」


カイル「おう!!」


~続く~

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