富豪の村 その１
カイル「さて、行くか」
リゼ「次の村まで何ｋｍ？」
スピカ「２５ｋｍくらいありますね…」
バルト「うわー、めんど」
スピカ「まあ、頑張りましょう」
カイル「よし、行くぞ！」
カイル「…………………」
リゼ「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
ブウーーーー
カイル「…………………」
リゼ「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
リゼ「ねえ、今誰かオナラしたでしょ？」
カイル「え？マジで？」
スピカ「私は気づきませんでした」
リゼ「滅茶苦茶大きい音がしたわよ。オナラの」
カイル「そうか？よく聞こえなかったけど…」
バルト「俺はリゼの方から聞こえた気がしたけどな(笑)」
リゼ「ちょっと！！あたしはしてないわよ！！」
カイル「まあでも、こういうのって一番最初に言った奴が一番怪しい説あるからな(笑)」
リゼ「はああ！？違うって！！あたしじゃない！！」
スピカ「まあまあ。生理現象ですから。誰でもいいではありませんか」
リゼ「あたし、スピカが怪しいと思う！！そっちの方から音聞こえたもん！！」
スピカ「ああん！？何を人のせいにしてんだコラア！！」
リゼ「誰でも良くないじゃん！！めっちゃキレてんじゃん！！」
スピカ「あんなに汚い音を出すのは、リゼ以外いないでしょうが！！」
リゼ「はああ！？あたしあんな音出さないし！！」
カイル「確かに、リゼはいつもすかしっ屁だよな！！音が出ない！！」
リゼ「そうそう…って何その情報！？」
バルト「いやでも、スピカがオナラをするわけがないからなあ…」
スピカ「いや、普通にしますよ！？」
バルト「マジで！？」
スピカ「マジです！！」
バルト「まあそれはさておき、俺はカイルが怪しいと思うわ」
カイル「何で急に俺！？」
リゼ「まあ、あんなでかいオナラ、男の方がありえそうよね…」
スピカ「勇者様はあんな下品なオナラしません！！もっと上品なオナラをします！！」
リゼ「上品なオナラって何！？」
バルト「ってことはやっぱり、リゼかあ…」
リゼ「違うし！！私じゃないし！！」
スピカ「素直に認めなさい。下品なオナラしてごめんなさいって」
リゼ「嫌だ！！私じゃないもん！！」
カイル「リゼ、大丈夫だ！！リゼがどんな下品なオナラをしてても、俺は気にしない！！」
リゼ「フォローになってない！！」
カイル「…………………」
リゼ「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
リゼ「え？何これ！？あたしがやったことになってんの！？」
スピカ「大丈夫よ。生理現象だもの」
バルト「そうそう。生理現象だから」
カイル「俺は、どんな臭いでも気にしないからな！！」
バキイ！！
カイル「…………………」
リゼ「だから、あたしじゃないっつーの！！」
スピカ「大丈夫よ。生理現象だもの」
バルト「そうそう。生理現象だから」
リゼ「聞けよ！！」
～３０分後～
カイル「ふう。やっと次の村に着いたぜ…」
バルト「疲れたなあ」
リゼ「あのさ、あたしじゃないからね！？あたしみたいなレディーはオナラなんてしないから！！」
カイル「まだ言ってんのか(笑)」
リゼ「アンタらが認めるまであたしは言うわ！！」
バルト「もういいじゃん。流石にしつこいぞ？(笑)」
リゼ「そうね。あたしとしたことが取り乱したわ。ごめんなさい」
カイル「切り替えはや！！」
スピカ「それでは、宿屋を探しましょう」
門番「あ、ちょっと、旅のお方」
カイル「はい？」
門番「通行料金として、５００万ゼニいただきます」（※１円＝１ゼニくらいって考えてくだせえ）
カイル「はああ！？たっっか！？」
リゼ「持ってないわよ！！そんな大金！！」
門番「では残念ですが、こちらの村には入れませんねえ…(笑)」
バルト「なんだと！？高すぎるだろ！！」
スピカ「すいません、そこをなんとかなりませんか…？」
門番「いくら僧侶様が言っても、無理ですな(笑)」
スピカ「そこをなんとか！！」
門番「あのなあ、この村はなあ、貧乏人御法度なんだよ！！金持ちだけが入ることを許された、超富豪村なんですわ！！アンタらみたいな小汚い腐れ貧乏人は、とっとと帰りやがれ！！」
カイル・リゼ・バルト・スピカ「「「「あんだとゴルアアアアアア！！」」」」
カイル「黙っておけば好き放題言いやがってよお！！」
リゼ「もうブチギレた！！アンタをチリも残らないほど燃やし尽くしてやる！！」
門番「うわ、なんという野蛮人だ…まったくこれだから貧乏人は…」
カイル「てめえ、ぶっ〇す！！」
リゼ「呪い〇してやる！！」
門番「いや、勇者パーティー怖！！とても世界を救おうとしてる奴らのセリフじゃねえ！！」
カイル「そんなの関係あるかい！！」
リゼ「やる時はキッチリやらねえとなあ！！」
バルト「相手になめられたら、うちの商売終わりなんですわ！！」
門番「え、あんたらヤクザ！？」
スピカ「てめえら、マジで夜道に気をつけろよゴルア！！闇討ちしてやんよ！！」
門番「僧侶が一番ヤベエ！！怖すぎだろ！！てかこの人本当に僧侶！？」
スピカ「人を貧富で差別するなんて、マジでぶち〇す！！」
門番「ひいい！！」
カイル「お、落ち着け！！スピカ！！」
リゼ「さ、流石にやりすぎよ！！」
バルト「ああ。とりあえず今は引いて、後であいつらを闇討ちしよう。な？？」
門番「え？？俺、後で殺されるの？？」
スピカ「はあ…はあ…そうね…ごめんなさい。私としたことが、ちょっと、取り乱したわ…」
カイル・リゼ・バルト（（（ちょっと…？））））
カイル「まったく。しかしホントにムカつくな！！あいつら」
スピカ「ここまで来て、野宿することになるなんて…」
バルト「まあ、俺は寝れるから何でもいーけど(笑)」
スピカ「良くないですよ。流石の私も少々怒ってしまいました…」
カイル・リゼ・バルト（（（少々…？）））
リゼ「あのさ、前から思ってたけど、スピカって、結構怒りっぽいわよね…？」
スピカ「いえいえ。リゼさんほどじゃないですよ(笑)」
リゼ「あら？？それはどういう意味かしら？？(笑)」
スピカ「そのまんまの意味ですよ(笑)」
リゼ「へえ。あたしの方こそ、怒りっぽいサル女だって言いたいわけね…？」
カイル「いや、スピカもそこまで言ってねえけど！？」
スピカ「はい。その通りです」
カイル「あ、そうだったんだ！？」
リゼ「ムキイイイイイ！！」
スピカ「ウキイイイイイ！！」
ドカバキボカスカ
カイル「はあ…また始まった…」
バルト「おいおい。こんなとこでケンカすんなよ…」
？？「あ、あの…」
カイル「え？？」
バルト「はい？？」
スピカ「…誰ですか？？」
？？「あ、あの…さっき追い出されてた、勇者様の一行ですよね？？」
カイル「う、うん。そうだけど…」
？？「もし良ければ、僕の家で休みませんか…！？」
カイル「え…？いいの？」
？？「はい。少々狭いですが…」
カイル「いや、そうじゃなくて、この村に入っていいの？」
？？「いえ、これは僕の独断です。絶対にバレないようにお願いします」
カイル「やったーー！！！」
リゼ「うっさい！！」
スピカ「そういうアンタがうっさい！！」
リゼ「ああん！？」
スピカ「てか勇者様にうるさいとか言うな！！」
門番「おい！！誰かいるのか？？」
カイル・リゼ・バルト・スピカ「「「「！？！？！？！？」」」」
カイル「…………………」
リゼ「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
門番「……気のせいか」
カイル「…………………」
リゼ「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
カイル「あっぶねー(小声)」
バルト「何してんだてめえら！！騒ぎすぎだわ！！(小声)」
カイル・リゼ・スピカ「「「ごめんなひゃい……」」」
バルト「でもマジで、それは助かるわ。ありがとうな」
？？「いえいえ。勇者様のお役に立てて嬉しいです」
スピカ「しかし、ホントにいいのですか？？下手するとあなたがリスクを負ってしまいますよ？？」
？？「大丈夫です。さあ、どうぞ。監視にバレないように！」
カイル「了解だ！！！」
リゼ「だからうっさい！！」
スピカ「そういうアンタがうっさい！！」
リゼ「そういうアンタの方がうっさい！！」
バルト「ごめんな…こんなアホ集団で…(笑)」
？？「いえいえ…(笑) あ、こっちです！」
～続く～
