最終決戦前にやる話じゃねえ その2
~15分後~
バルト「…は!?」
スピカ「なんだこれ!?おい!!離せ!!」
リゼ「あーはいはい。とりあえず話を聞いて」
スピカ「おい!!クソ勇者!!この縄を解け!!」
カイル「ひ、ひいい!!わかりましたあ!」
リゼ「わかるな!!もうアンタは向こうに行ってなさい!」
スピカ「リゼ、さん…これは一体、どういうことですかねえ…?」
リゼ「スピカ、アンタに聞きたいことがあるわ」
スピカ「何でしょうかあ…?」
リゼ「あの薬、どこで手に入れたの?」
スピカ「…前回立ち寄った町の、なんだっけ…「綾死胃薬屋」ってとこで買ったわよ」
リゼ「名前からして、超胡散くせえじゃねえか!!よくそんなとこで薬買ったな!!」
スピカ「いやそれが、その薬はサービスだ、とか言ってタダでくれたんだよね(笑)」
リゼ「ますます怪しいじゃねか!!なんてもん飲ませてんだ!!」
バルト「まあいいじゃねえか。結果何ともなかったし(笑)」
リゼ「あるわ!!大アリだわ!!」
リゼ「…あーもういい!!あたしがその薬、今から取ってくる!!カイル!アンタはここで2人を見張ってて!!」
カイル「はあ!?なんで俺がそんなことしなきゃいけねーんd」
リゼ「ああん!?じゃあアンタが薬を取りに行ってくれるわけ!?」
カイル「い、いえ…ここでお留守番してます…」
リゼ「じゃあ、行ってくる。頼んだわよ」
カイル「ひゃい…お任せくだしゃい…」
~30分後~
カイル「…………………」
バルト「…………………」(縛られ)
スピカ「…………………」(縛られ)
バルト「え?これ、モンスター出たらどうすんの?」
スピカ「カイルが戦えよ?」
カイル「はあ!?無茶言うな!!」
バルト「じゃあどうすんだよ!!」
カイル「お前らを置いて逃げる」
スピカ「てめえ!!それでも勇者か!?」
カイル「当たり前だろ。自分の命より大事なものなんてあるか(笑)」
バルト「とんでもねえクズ勇者だな!!」
スピカ「てめえについてきたことを後悔したわ!!」
カイル「クックック。なんとでも言え。今の俺は、縄で縛られてるお前ら2人よりは強いからな。逆らうとどうなるかな??(笑)」
バルト「うわ、とんでもないクズだ…」
スピカ「勇者を真逆にするとこうなるのか…」
カイル「まあつまり、今の状態では、てめえらは俺の奴隷だ!!あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
バルト「でもさあ、その後どうすんだろうな?」
カイル「え?」
バルト「俺らを置いて行ったあと、お前1人でどうすんの??」
カイル「そ、それは…」
バルト「1人で近くの村まで戻れるのか?結構距離あるけど…」
スピカ「まあ、無理だろうな…」
バルト「そうすると、お前は途中でモンスターにつかまって」
スピカ「肉を削がれ、ミンチにされて、殺される」
バルト「いや表現エグ(笑)」
カイル「ひ、ひいい…」
バルト「まあでも、確実に死ぬだろうなあ…」
カイル「ひいい!!」
バルト「それより、俺らを解放して、そばに置いておいた方がいいと思うけどなあ…」
スピカ「もし解放してくれたら、お前を守るぜ??」
カイル「…ホントに??」
バルト「ああ」
スピカ「もちろんだ」
カイル「じゃあ、解放する…」
カイル「いや…やっぱり怪しいな。噓かもしれん」
バルト(畜生…いつものアホ勇者なら絶対すぐに信じるのに…)
バルト「そんなわけないだろ??仲間じゃないか」
カイル「天才の勘が言ってる。お前らはそう言って解放されてすぐに俺をボコボコにするつもりなのさ。だから、このまま放置するわ(笑)」
スピカ「でもどちらにせよ、モンスターは現れるからな??」
カイル「そ、そそそのときは、お、俺が戦うからいいし!!」ガクガクブルブル
バルト「膝ガクガクだけど…」
カイル「う、うるせえ!!俺は勇者だぞ!?なめんじゃねえ!!」
モンスター「くぁwせdrftgyふじこlp!!」(※鳴き声です)
スピカ「あ、モンスターだ」
カイル「ギャアアアアアアアアアア!!こわいいいいいい!!」
バルト「早く俺を解放しろ!!守ってやる!!」
スピカ「いや私を解放しろ!!このカス勇者!!」
カイル「ああん!?俺1人で勝てるし!!マジやってやるし!!」
ガクガクブルブル
バルト「ちなみにそのモンスター、滅茶苦茶強いぞ」
バルト(知らんけど)
カイル「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」
スピカ「ちなみにそのモンスターの攻撃、滅茶苦茶痛いぞ」
スピカ(知らんけど)
カイル「痛いの怖い痛いの怖い痛いの怖い痛いの怖い」
バルト「うわー、マジで強そうだわそのモンスター」
スピカ「うわー、マジで痛そうだわ攻撃」
カイル「やっぱもう無理、バルト助けて!!」
ブチン!
バルト「ふう…」
カイル「じゃ、じゃあ、約束通り俺を助けてくだせえ…ウヘヘ」
バルト「さて、と…」
バルト「○ねえええええええ!!!」
ボコバキボカスカ
カイル「ぐわああああああああ!!いてえええええええ!!」
バルト「〇す!!〇ね!!」
ボコバキボカスカ
カイル「ギャアアアアアアアアアア!!」
チーーーン
バルト「よし。これで勇者を縛りつけて、と」
スピカ「やるなお前!!よし!!私も解放してくれ!!」
バルト「はあ!?絶対に嫌だ」
スピカ「は????」
バルト「お前にはその縄がお似合いだ」
スピカ「なんだとてめえ!!」
バルト「俺はお前が嫌いだからな。死んでも助けてやらない(笑)」
スピカ「マジでてめえ、覚えてやがれ!!」
バルト「さてと。このキモカワモンスターをインスタにあげよう」
スピカ「JKか!!」
~2時間後~
リゼ「…なにこれ」
バルト「え?勇者の丸焼き」ジュウウウウ
カイル「アチいいいいいい!!マジで死ぬうううううう!!」
リゼ「そう。ならそのまま勇者は焼き〇しましょうか」
バルト「賛成。」
リゼ「嘘だろ!?俺様は勇者だぞ!?」
スピカ「なんでもいいから、さっさとこの私を解放しろ!!」
バルト「うっさいなあ、このメスゴリラ僧侶」
スピカ「なんだと!?」
リゼ「はい。また1本もらってきたから、全員で飲みましょ」
スピカ「しょーがねーな」
バルト「飲みすぎるなよ?」
スピカ「わかってる」
バルト「ほらカイル。口開けろボケ。流し込んでやる」
カイル「なんか俺だけ雑じゃね!?ゴフッッ」
バルト「そして俺も飲もう」
グビグビ
カイル「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
リゼ「どう……?」
スピカ「えっと…どうして私が縛られてるのでしょう…?」
バルト「あれ??俺、何してたんだっけ??」
カイル「あっちいいいいい!!熱い!!マジで熱い、死ぬ!!」
リゼ「良かったああああ!!戻ったあアアアアア!!」
カイル「そっか、あの薬を飲んだんでしたっけ!?」
リゼ「そーよそーよ!!もうホントに大変だったんだから!!」
バルト「よく戻してくれたな!!リゼ!!」
リゼ「ホントよ!!…でも、バルトがあたしのこと、あんま好きじゃなかったって知って、かなりショ
ックを受けたわ…」
バルト「バカ野郎。最初はちょっと苦手意識があったけど、今はもう大丈夫だよ。安心してくれ。もう
俺達は、仲間じゃねえか!!」
リゼ「バルト…!!」
カイル「いや、あのさ、感動的な時に悪いんだけど、早く俺を火から離してくんない!?熱い熱い熱
い!!!!」
~完~




