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最終決戦前にやる話じゃねえ その1

~魔王の城手前の草原~


カイル「リゼ大好き!!今度デートしよ!!」


リゼ「バルト、べ、べべべべ別に何とも思ってないけど、今度遊びに行こ!!」


バルト「スピカ!!好きだ!!デートに行こう!!」


スピカ「…えーと、みなさん、まだ一応、魔王を倒す旅の途中ですよ…?流石にちょっと緊張感なさ過ぎませんかね…?(笑)」


カイル「違うぞスピカ!!恋愛が成就すれば、俺たちの結束が強まって、今よりさらに強いパワーを得られるかもしれないんだ!!」


スピカ「いや、普通はそうなんですけど、よく思い出してください!!私たちは四角関係なんです!!つまり、誰かの恋愛が成就すれば、誰かが傷つくことになるんですよ!?」


カイル「た…確かに…!!」


リゼ「盲点だったわね…」


バルト「スピカ、頭いいなお前…」


スピカ「みんな、ちょっと恋愛脳になりすぎてます!!もっとしっかりしてください!!」


カイル「そんなこと言ったって、俺のあふれる思いは誰にも止められないからなあ…」


リゼ「間違いないわね…」


バルト「なんかなあ。恋愛制御薬みたいなのがあればいいんだけど…」


スピカ「性格真逆薬、っていうのならありますよ??(笑)」


カイル「え??」


リゼ「何それ??」


スピカ「なんか、飲んだ人の性格を真逆にすることができる薬らしいです」


バルト「なんだそれ!?何のためにあるんだ!?」


スピカ「自分の旅のパーティーの、性格がクソ悪かったり、ウザかったりした時にこっそりと飲ませて性格を変える薬らしいです」


カイル「なにそれ怖!!」


バルト「てか、そんなに相手とパーティー組むなよ!!」


スピカ「一緒に旅してみたら、思ってた人柄と違った、とかですかね?早々にパーティーを解散するわけにもいかないですし(笑)」


バルト「なんか、離婚の話みたいだな…」


カイル「まあとりあえず、試しに飲んでみようぜ!!」


リゼ・バルト「「おいバカ!!」」


スピカ「ちょ、ちょっと!!まだ説明書も読んでないですよ…??」


ゴクン


カイル「うえ…まず……」


リゼ「…ど、どう…?」


カイル「……………………」


バルト「だ、大丈夫か…?」


カイル「……リゼ、嫌い」


リゼ「え??」


カイル「俺、マジでリゼが嫌いだわ。一切話したくない」


リゼ「え…え…?」


バルト「いや、お前さっきまで「リゼ大好き♥」って言ってたじゃん(笑)」


カイル「さっきまでの俺はどうかしてた。マジでリゼ大嫌いだわ」


リゼ「ま、真逆になってる…」


バルト「す、すげえ…」


リゼ「え、なんか、ここまで言われると、普通に傷つくんだけど…」


カイル「リゼを省いて、俺ら3人だけで旅しようぜ」


リゼ「しかも、なんか陰湿になってる!!」


スピカ「あ、あの、優しくて明るい勇者様が…こんな陰湿に…」


カイル「やっぱりさ、ウザい奴がパーティーにいると、チームワークが乱れるよね」


リゼ「ちょっと!!逆効果じゃないの!!」


カイル「おいウザ女。なにスピカに噛みついてんだよ」


リゼ「誰がウザ女だ!!」


スピカ(…待てよ?このままの勇者様なら、私に惚れてくれるのでは…?)


スピカ「まあとりあえず、進みましょうか」


リゼ「ちょっと!!このまま放置するつもり!?」


スピカ「だって今のところ、問題はリゼさんが嫌われてるってことだけじゃないですか(笑)」


リゼ「それが結構キツいんだけど!?」


スピカ「まあ薬の効力が切れるまで待ちましょう」


リゼ「いつ切れるの!?」


スピカ「えーーと、ここには3年後って書いてあります」


リゼ「旅が終わるわ!!」


バルト「他に方法はねえのか!?」


スピカ「もう一度飲ませるしかなさそうですね…」


バルト「よし!!飲ませるぞ!!」


リゼ「お願い!!」


カイル「はああ!?ふざけんな!そんなマズイもん、二度と飲まねえぞ!?」


バルト「文句言うな!!」


カイル「うるせえ!!じゃあてめえが飲みやがれ!!」


バシイ!!


ゴクン


リゼ「え!?」


スピカ「あ!?」


カイル「へへへ(笑)」


バルト「…………………」


リゼ「ちょ、バルト、大丈夫!?」


バルト「…俺、マジでスピカ嫌いだわ」


スピカ「うわああああああああ!!」


リゼ「ちょ、スピカ!しっかりして!」


リゼ(あれ…?でも待てよ…?バルトをこのままにしておけば、もしかしたらバルトはあたしのものになるかも…?)


リゼ「ね、ねえ、バルト!!」


バルト「あん??」


リゼ「あたしのことは、嫌いじゃない!?」


バルト「うーーーん、ちょっと好きかも?」


リゼ「いよっしゃあああああ!!」


カイル「あはははははは!!バカだなーお前。それはつまり、薬がなかったらお前はバルトから、ちょっと嫌われてたってことなんだよ(笑) これで喜んでるとか、マジでうけるわ。バーカバーカ!!(笑)」


リゼ「うっさい!!バカがバカとか言うな!!…でも確かにそうじゃん!!マジでショック!!」


カイル「まあこんなバカ女はほっといて、ほらスピカも飲め」


スピカ「うわああああああああん!!人に嫌われる事が、こんなにつらいとは!!」


グビグビグビ


リゼ「ちょ、ちょっとスピカ!!何してんの!?」


スピカ「ぷはーーー!!…ウィーー、ヒック」


リゼ「酒じゃねえんだよ!!」


スピカ「…………………」


リゼ(マ、マズイ!!スピカが真逆になったら、乱暴で手が付けられない野蛮人と化すに決まってる!!)


スピカ「あらまあリゼさん。怖い顔して、どうなさいましたか?」


リゼ「…え??」


スピカ「まあ、リゼさん。お肌が荒れてますわよ。お疲れなんですねえ」


カイル「こ、これは…もしかして…」


バルト「あれ??スピカ本当に飲んだのか?この薬」


スピカ「ああん!?気安くしゃべりかけてんじゃねえぞ!?このサルども!」


カイル・バルト「「ええええええええええ!?!?」」


カイル「お、おいスピカ!!なんだそのしゃべり方は!!」


スピカ「うっせえぞテメエ!!ぶち〇されてえか!!」


カイル「ひいい!!」


リゼ「カイルに当たりが強くなってる…そっか、嫌いになったからか…」


カイル「しゅ、しゅぴか怖い…」ガクガクブルブル


リゼ「カイルが情けなくなってる…(笑)」


バルト「おい。3人で魔王の城をバックに写真撮ろうぜ。インスタにあげたい」


リゼ「JKか!!女子力高!!」


カイル「男気→女子力になったんだな…」


バルト「うーーーん…画角がいまいち…あ、カイルもうちょっとこっち。あーリゼはもう少し屈め

る??うーーーん、これだと城全体が写らないかあ…」


リゼ「そしてこだわり強!!あんなめんどくさがりだったのに!!」


スピカ「おい!!ギャーギャーうるせえぞバルト!!」


バルト「ああん!?なんだてめえは!!〇すぞ!?」


スピカ「てめえこそ〇すぞ!?」


バルト「おうコラ上等だよ。」


リゼ「ど、どうなってんの…?」


カイル「お、お、おるえ(俺)が解説してやろう…」ガクガクブルブル


リゼ「カ、カイル…膝ガクガクじゃない…(笑)」


カイル「あ、あのな…まずバルトがスピカを元々好きだったけど、それが嫌いになった。バルトは、あとは女子力が上がったくらいか。それからスピカだけど、これが面倒なことに、俺らへの態度とリゼへの態度が違ったんだ…」


リゼ「そ、そういえば、あたしはいつもスピカとケンカしてた…」


カイル「そう、スピカは特にリゼのことを目の敵にしてたから、その逆になって超優しくなったんだ…逆にその他の人間には、全体的に優しかったから、それが逆になってみんなに怖くてひどい奴になってしまった、とうわけさ…」


リゼ「なるほど、それでアンタも頭が良くなってるわけね」


カイル「そ、そういうことだ…じゃ、後は頼んだ…」


リゼ「はああ!?ちょっと!!何を押し付けようとしてのよ!!」


カイル「だって、もう勇気も根性も全く無い俺には、何もできないだろ…?」


リゼ「勇者なっさけな!!」


カイル「もう俺には、ネットでコイツらの悪口を書き込むくらいしかやることがない…」


リゼ「他にも見つけろ!!てかこの世界にネットなんてねえ!!」


バルト「うおおおおおおおお!!」


スピカ「○ねえええええええ!!」


カイル「ヤバい!!殺し合いが始まった!!」


リゼ「ちょっと!!どうすんのよ!!」


カイル「お、おおお俺はもう、こ、腰が抜けて、何もできない…」


リゼ「あーもう!!つっかえな!!スリープ!!」


バルト「ぐううううううう」


スピカ「スピピピピーーー」


リゼ「はあ……」


カイル「た、助かった……」


リゼ「この間に、薬を飲ませるしかないわね…」


カイル「もうないけど…」


リゼ「はああ!?」


カイル「スピカがどうやら飲み干してしまったようだな…(笑)」


リゼ「あのアホ女~~~!!」


リゼ「どこで買ったって!?」


カイル「さあ…?」


リゼ「あーもう!!とりあえず縛っとくわよ!!」


カイル「そうだな」


~続く~

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