四角関係の告白
~魔王城手前の山にて~
バルト「お!!魔王の城が見えたぞ!!」
リゼ「長かったわね…」
カイル「…………………」
スピカ「ついに、ここまで来ましたね…」
カイル「な、なあ…みんな!!」
リゼ「え?なに?」
バルト「どうした?」
カイル「もうすぐ魔王のいる城に着くけどさ…魔王は絶対に滅茶苦茶強い。だから、中途半端な気持ちじゃ絶対に勝てない。だからこそ…内に秘めている俺の気持ちを、今のうちにはっきりさせておいた方がいいと思うんだ……」
リゼ「は、はあ??きゅ、急に意味わかんないんだけど…?」
バルト「と、突然どうしたんだ…?」
スピカ「ど、どどどどういうことですか…?」
カイル「だ、だから、お、俺は…自分の気持ちに素直になって、こ、こここ告白する!!!」
リゼ「な、なにいいいい!?」
バルト「ぬわんだってえええ!?」
スピカ「ちょ、勇者様!!落ち着いてください!!」
リゼ「早まらないで!!」
バルト「い、一旦落ち着こう!!な!?」
カイル「いーや。もう俺は今日明日にも死ぬかもしれない。だからもう思いを告げておく!!」
バルト「おいおいおいおいおい!!ちょと待ておい!!」
リゼ「そ、そうよ!!そんなこと急に言われても、困るって!!」
スピカ「え?何なに!?え!?もしかして、愛の告白ですか!?」
カイル「別にお前らは、何も言わなくてもいい。俺が言うだけだ!!行くぞ!!」
リゼ「…ゴクリ………」
バルト「まさか……?」
スピカ「…………………」ドキドキ
カイル「お、俺、みんなに黙ってたんだけど…実は、俺のIQは、18しかなかったんだ!!」
リゼ・バルト・スピカ「「「は…………???」」」
カイル「いや、みんなが俺をアホアホ言うから、試しにIQテストやってみたら、あなたのIQは18って出てたのよ。俺、アホってネタだと思ってたからさ…マジでショックだったんだよね…」
カイル「だけど、俺はマジでアホだったんだよおおおおおうわああああああああ!!」
リゼ「どうでもよ…」
バルト「聞いて損した…」
スピカ「…………………」
カイル「あ、あと、俺はお尻のとこに、でっかいホクロがあるんだ…」
バルト「いやガチでどうでもよ!!」
リゼ「これは大問題ね…」
スピカ「確かに。死にたくなりますね…」
バルト「マジで!?」
カイル「それから、なんか最近抜け毛がひどくなってきてさあ…帽子とったら髪の毛だらけで。俺、いつかハゲるんじゃないかともう怖くて怖くて…」
リゼ「あっそう……」
バルト「アホくさ……」
スピカ「まあまあ。悩みの大きさは個人個人ですから…」
カイル「それからさあ…」
バルト「もう聞くのやめね??」
リゼ「いつまで続くのかしらこれ…」
スピカ「まあまあ。聞いてあげましょう」
カイル「俺は、リゼが大好きだ。異性として、大好きだ」
リゼ「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「…………………」
リゼ・バルト・スピカ「「「は……???」」」
カイル「それから、俺の足の臭いについての話だけど…」
リゼ「いやいやいやいや!!!そんな話はどうでもいいわ!!」
バルト「は…??おま、そっちをもっと早く話せよ!!」
スピカ「…………口から泡ブクブクブク」
リゼ「ちょっと!!スピカが気絶してるわ!!」
カイル「いやだって、尻ホクロとかハゲの方が大事な話だし…」
リゼ・バルト「「いやどこがやねん!!」」
バルト「だからお前はIQ18なんだ!このアホ!!」
カイル「なんだとてめえ!!俺が何を告白しようが勝手だろうが!!」
スピカ「チーーーン」
リゼ「ちょっと!!スピカが死んじゃったじゃない!!」
カイル「ええ!?なんでよ!!」
リゼ「そんなこともわからないの!?」
カイル「うん、わからない!!」
リゼ「あーもう、本当にアホねアンタは!!…いい!?スピカはねえ、ずっと、ずっとアンタのことが好きだったのよ!!」
カイル「え?」
バルト「え?」
カイル・バルト「「ええええええええええ!?」」
スピカ「おいゴルアアアアアアアアア!!何を勝手に言ってくれとんねん!!」
リゼ「あ、生き返った!!」
スピカ「生き返ったじゃねえ!!アンタは何を勝手に私の秘密を暴露してくれてんのよ!!」
リゼ「うっさい!!アンタがショックで死んだからでしょうが!!なのにコイツは能天気にヘラヘラしてたから、腹が立ったのよ!!」
カイル「ヘラヘラしてねえよ!!」
バルト「…………口から泡ブクブクブク」
スピカ「もうマジでキレたわ。アンタの秘密もぶちまける!!」
リゼ「ちょ、やめなs」
スピカ「はい注目~~~。こちらにおります、魔法使いリゼさんは、なんとバルトさんが大大大大好きでございます!!はい拍手~~~~!!」
リゼ「ちょっとおおおおおお!!何てことしてくれてんのよ!!」
スピカ「ふん。アンタと同じことをしただけよ(笑)」
リゼ「ぶっ〇す!!」
スピカ「こっちのセリフだあ!!」
リゼ「ムキイイイイイ」
スピカ「ウキイイイイイ」
カイル「…………口から泡ブクブクブク」
バルト「…………口から泡ブクブクブク」
カイル「チーーーン」
バルト「チーーーン」
リゼ「あれ??てかコイツら、なんか2人とも死んでるわよ??」
スピカ「当然ですよ。だって勇者様は、リゼ、アンタのことが好きだったんだから…」
リゼ「あ、そうか……え、なら、バルトは…?」
スピカ「……………………」
リゼ「え…?まさか…え…?噓でしょ…?」
スピカ「………そう、よ…//////」
リゼ「嘘だあああアアアアアアア!!!」
リゼ「…………口から泡ブクブクブク」
カイル「チーーーン」
リゼ「チーーーン」
バルト「チーーーン」
スピカ「おーーーい、3人とも、起きて下さーーーーい!!」
~30分後~
スピカ「まあ、良かったじゃないですか。これでお互いに隠し事はナシですね!!」
バルト「…いや、受けたダメージの方がでかいだろこれ…」
リゼ「バルトがバルトがバルトが…」
カイル「リゼがリゼがリゼが…」
スピカ「まさか、この勇者パーティーが四角関係だったとは…さすがの私も驚きました(笑)」
カイル「…………………」
リゼ「…………………」
バルト「…………………」
スピカ「でもまあ、いいじゃないですか」
カイル・リゼ・バルト「「「どこが!?」」」
スピカ「だって、これで全員、一度失恋したようなもんじゃないですか!!」
カイル「え?」
バルト「ま、まあ、そうか…」
スピカ「このままズルズルとひそかに思い合って引きづってるより、こうやってオープンにして、好きな人に直接アピールした方が絶対にいいですよ!!」
スピカ「一度失恋したくらいで諦めるような、諦めの良い人は、恐らくこのパーティーにはいませんもん!!そうでしょ!?(笑)」
リゼ「…そうね!!確かに、あたしナイーブになりすぎてたかも!!」
カイル「そうだな、まだこっからでも、惚れさせるチャンスはあるってことか!!」
バルト「よっしゃあ!!しかもこっからはもう隠す必要もないからな!!」
スピカ「そうです!!全力でみんなアピールできるんです!!」
カイル「そうと決まれば、リゼ!!デート行こうぜ!!」
リゼ「やだ!!バルト!!あたしとデート行こ!!」
バルト「無理だ!!スピカ!!俺とデート行こう!!」
スピカ「勇者様。それより私とどこか出かけませんか??」
カイル「いいぜ!!」
リゼ・バルト・スピカ「「「いいんかい!!!」」」
カイル「俺たちの戦いは、まだまだこれからだ!!」
リゼ・バルト・スピカ「「「打ち切り漫画か!!!」」」
~もうちょいだけ続く~
 




