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ギャンブルの村 その2

今回は、ポーカーで戦う話です。

ポーカーを知らない方は、ルールを少しでも調べていただけば、この話をより楽しめると思います!

支配人「はい。こちらのカジノでは賭けに勝利することで、お金が何倍にもなって返ってきます!!」


カイル「生憎だけど、俺らはその賭ける金すら無いんだ…」


支配人「いえいえ。そのお金は、特別にこの私が出して差し上げます!!」


カイル「ええ!?」


バルト「マ、マジで!?」


支配人「マジです。はい。1万円ずつ差し上げます」


カイル「マジじゃん!!神じゃん!!」


バルト「いや待て、何か怪しいぞ…?」


カイル「お前さあ、人の好意を疑うなよ。人を信じることこそg」


バルト「てめえはバカか!!さっきそれでひでえ目に合ったばっかりじゃねえか!!」


カイル「確かに!!」


バルト「つーわけで、俺らは遠慮しときます」


支配人「まあまあお待ちください。私たちは、あなたたちにお金を無料であげると言っているのですよ??それでもやらないおつもりですか??」


バルト「この村で俺たちは、人を信じすぎないことを学んだので。なあカイル」


カイル「…でもさあ、無料でくれるってよ?」


バルト「ブレブレか!!」


???「いやー、ここのカジノは本当によく稼げるわー!!マジで最高!!」


カイル「うん??あいつは…」


バルト「まさか…」


カイル・バルト「「あの時のクソおっさん!!」」


おっさん「おー。誰かと思えば、さっき競馬であったカm…じゃなくて青年2人組じゃないか!!」


カイル「おい。コイツ今、俺らのことカモって言おうとしたぞ?」


バルト「間違いない。ぶっ潰すしかねえな。」


カイル「おいアンタ。さっきはよくもクソみたいな情報で俺から金を巻きあげてくれたなコラ」


おっさん「巻き上げるなんてとんでもない。俺は一切噓はついてないし、君からお金をもらうという同意も得ている。恨まれる筋合いはないよ?(笑)」


カイル「ウッザ!!おいバルト!!なんか言ってやれ!!」


バルト「いや、口喧嘩よっわ!!」


バルト「まあこのバカ勇者がどうしようもないバカなのは置いといて、ギャンブルについて何も知らない俺らに対して、あの程度の情報で10万円取って逃げるのは、ちょっとひどすぎるんじゃねえの??」


おっさん「ふん。ギャンブルなんて時の運だ。それすら知らないのはそちらに問題があるし、ギャンブルの勝ち負けで私に文句を言うのはお門違いだよ。なんせ事実しか言ってないからね(笑)」


カイル「何だコノヤロー!!なあバルト!!」


バルト(まあでもバカ勇者がまんまと釣られただけで、実際そうなんだよなあ…(笑) )


バルト「そうだな。確かにアンタの言ってることは事実かもしれない…」


おっさん「だろ?(笑)」


バルト「だからこそお前に、カジノで勝負を申し込むぜ!!10万円を取り返す!!」


おっさん「ほうほう。いいよいいよ(笑) 受けて立つよ」


おっさん(どうせコイツら、カジノのことなんて何も知らんだろ(笑) また儲けさせてもらうぜ(笑))


バルト「支配人。俺に10万円貸してくれ」


支配人「承知しました」


カイル「…えっと、バルト、大丈夫なのか…?」


バルト「まあ任せとけ」


おっさん「ギャンブルのギの字も知らん田舎人が。絞り取ってくれるわ(笑)」


バルト「…その前に、ちょっと色々と見ていいか?どんなゲームがあるのか」


おっさん「どうぞどうぞ(笑) 何のゲームでも俺は構わんよ(笑)」


~10分後~


バルト「よし決めた!!俺はこのポーカーってゲームにするぜ!!」


おっさん「いいだろう。ルールはわかるのか?(笑)」


バルト「いやあんまよくわからん。教えてくれるのか??」


おっさん「全然構わんよ。ただし10万円払っt」


バルト「なら結構!!その辺の人にでも聞く」


おっさん「冗談冗談。もちろん無料でちゃんと教えるとも!しっかりと勝負したいからね!」


バルト「…なら頼む」


おっさん(クックック田舎者のバカが。テキトーなルールを教えてやる(笑))


おっさん「いいか?ポーカーっていうのは、同じ数字を多く揃えるゲームだ」(※違います)


バルト「同じ数字…?」


おっさん「例えば、2が2枚自分の手札にあったとする。それが1ペア。その他に6が2枚あったとする。その場合は2ペアで、どんな数字でも1ペアより強い。そして1ペア、2ペア同士であれば、数字が大きいものが勝つ!Aが最も強く、2が最も弱い!」


カイル「おっさん!!」


おっさん「なんだ??」


カイル「もう1回言ってくれ!!」


バルト「滅茶苦茶わかりやすかっただろうが!!お前はもうその辺で遊んどけ!!」


カイル「はーーーい……」


おっさん「君は、彼の保護者かな?(笑)」


バルト「同じ数字が3枚あった場合は?」


おっさん「それはスリーカ-ドといって、2ペアよりも強い!さらにフォーカードといって、同じ数字が4枚揃うと、これは最強の手になる!勿論、数字の強さで差はあるがね」


おっさん「…以上がポーカーの役の全てだ!!わかったかな??」(※全てではありません)


バルト「へえ。意外と単純なゲームなんだな」


おっさん「そうそう。要するに数字を揃えて競うだけのゲームなのさ!」(※違います)


バルト「そうか。スペードとかハートとかのマークは関係ないんだな?」


おっさん「そうそう。同じ数字だけ集めてればOK!」


おっさん(うっっそで~~~~~す!!バカすぎるぜコイツ。流石はド田舎者のバカ野郎どもだぜ。他にもまだまだストレートとかフラッシュとかフルハウスとか、色々な役があるんだよ(笑) あーホント、バカで助かったわ!!これでまたコイツらから金をゲットできるぜ!!)


バルト「じゃあとりあえず始めるか。おいそこのディーラー。トランプを配ってくれ」


ディーラー「承知しました」


バルト「いや待て。第3者は信用できない」


おっさん「え??」


バルト「アンタから金をもらった人間かもしれん。俺とアンタで交互に配ることにしよう」


おっさん「そうか…?まあ俺はどちらでも構わんが…」


バルト「ならそうしてくれ。ディーラーのアンタは、この勝負を見届けてくれ」


ディーラー「…承知しました」


おっさん「わかったよ」


おっさん(本当にバカだなコイツ…こっちの方がイカサマしやすくなるというのに…人を疑いすぎて本当に関係の無い奴まで疑うようになっている(笑))


おっさん(まあイカサマなんてしなくても、俺の勝ちは揺るがないが(笑))


おっさん「いいか?最低の賭け金は、1000円だからな?最大はない。いくら賭けてもOK」


バルト「…わかった」


おっさん「じゃあまず、最初の1戦をしよう」


バルト「1000円賭ける」


おっさん「なら俺は2000円にアップ」


バルト「…降りる」


おっさん「ふん。雑魚め。降りた場合、1000円は自動的に俺のものになるが大丈夫か?」


バルト「仕方ない。ノーペアだったからな…」


おっさん(自分から手札を明かすなんて。コイツ、ガチで初心者だな…(笑))




おっさん「次。お前からだ」


バルト「1000円賭ける」


おっさん「なら2000円にアップする」


バルト「1万円にアップ」


おっさん「ほうほう。強く出たな。それならコールしよう」(※コール=応じる)


バルト「12の1ペア」


おっさん「ざんね~~ん!!俺は2ペアでした~~!!」


バルト「…………………」


おっさん「12の1ペアで強気に出すぎだよお前w」


バルト「なるほど………」




おっさん「1000円賭ける」


バルト「2000円にアップ!」


おっさん「5000円にアップ」


バルト「…なら1万円にアップ!」


おっさん(ほう??また強気で来ただと!?)


おっさん(13の1ペアだが、コイツのことだしな…とりあえず勝負しとくか…)


おっさん「…のった!!コール」


バルト「4のスリーカ-ド!!」


おっさん「やるじゃねえか…負けたぜ…」


バルト「よっし!!やっとポーカーがわかってきたぜ!!」




おっさん「1000円賭ける」


バルト「2000円にアップする」


おっさん「ならこっちは1万円にアップだ!!」


バルト「降りる」




バルト「1000円賭ける」


おっさん「1万円にアップ!」


バルト「降りる」




おっさん「3000円賭ける!」


バルト「1万円にアップ」


おっさん「……のった!」


バルト「5とAの2ペア!」


おっさん「6と12の2ペア!クソ!!ギリギリ負けた…」


バルト「よっしゃあ…!!あっぶねえ…」


おっさん(クックック…単純な奴だ。自分が強い時は強気で来て、弱い時はすぐ降りる。ポーカーっていうのは、ハッタリで相手をいかに惑わすかが重要なのに(笑) これなら楽勝楽勝)




おっさん「1万円にアップ」


バルト「降りる」


おっさん(そんな風に、自分の手が弱い時にすぐ降りてちゃあ、金は減る一方だぜ??お馬鹿さん(笑) 基本的に弱い手ばかりなんだから、ハッタリかましていかないと)


~20分後~


おっさん「1万円にアップ」


バルト「……降りる」


おっさん「はいまた俺の勝ち(笑) 2000円いただき!」


バルト「クソッタレ…」


おっさん「金が無くなってきたな。どうするんだ?(笑)」


バルト「……支配人!10万円貸してくれ!」


おっさん「は!?正気かお前!?」


バルト「ようやくつかめてきたんだよ。絶っ対にお前を倒す!!」


おっさん「オイオイ(笑) 俺の残金は100万円だぞ?倒せるわけがないだろ(笑)」


バルト「あっそう。なら100万円借りるわ」


おっさん「いいねいいね!!もっとやろうぜ!!(笑)」


おっさん(クソバカ野郎!!俺にいっぱいカモらせてくれてありがとう!!)




バルト「さてと。俺はこの手札に10万賭ける」


おっさん「何だと!?!?」


おっさん(…コイツが強気で来るときは、確実に高い役だ。しかも初っ端から10万円という大金をかけてきやがった。つまりそれは奴に最高の役、4カードが出た、ということだ!!さてと、イカサマで集めたストレートフラッシュを、そろそろ使いますかね(笑))


(※ストレートフラッシュ:記号が全て同じで数字が並んでいる役のこと。4カードよりも強さは上。例 ハートの56789、スペードの23456など)


おっさん「20万にアップ」


バルト「30万にアップ」


おっさん(やはりな。お前の手札はバレバレなんだよ(笑) まあ何にせよ、俺の勝ちは確定)


おっさん「50万にアップ」


バルト「…いいのかアンタ。後悔するぜ?」


おっさん「そのセリフ、そっくりそのままお返しするよ(笑)」


バルト「70万にアップ」


おっさん(バカめ!!そのままカンストしてしまえ!!)


おっさん「85万にアップ」


バルト「100万円にアップ」


おっさん「全額賭けるときは、オールイン!というのさ」


バルト「じゃあオールイン」


おっさん(はいバ~~~~カ!!お前の4カードでも、俺のストレートフラッシュには勝てないよ~~~!!)


おっさん「ならこちらもオールインで」


おっさん(はい100万円ゲットおおおおお!!あざま~~~す!!)


バルト「ロイヤルストレートフr」

おっさん「はい残念こっちはストレートフラッシュでしたあ!!」


おっさん「…………………え?????」


バルト「ロイヤルストレートフラッシュなんだけど。こっちは」


おっさん「え、え、えとあのその、何それ??」


バルト「いや、アンタは知ってるはずだ。ポーカーを知ってるんだから(笑)」


おっさん「え、いや、なんでお前…4カードじゃないの…?」


バルト「俺がポーカーのルールを全く知らないって、本気で思ってたのか?(笑)」


おっさん「は……?」


バルト「ポーカーだけは俺の仲間うちで流行ってたからな、かなりやりこんだよ(笑)」


おっさん「…てめえ!!騙しやがったな!?」


バルト「人のこと言えるのか?役を半分くらいしか教えなかったくせに」


おっさん「う…そ、それは…」


バルト「ストレートってなんだろうなあ?フラッシュってなんだろうなあ?教えてもらったっけなあ??田舎者だからさ、俺、さっぱりわからねえわ!!(笑)」


おっさん「て、てめえ…」


バルト「いやー、初心者の演技するのがマジで大変だったわ。まあでも、アンタは全部俺の計画通りに動いてくれて、本当に助かったわ」


おっさん「なん…だと…?」


バルト「アンタから確実に100万円を取るためには、アンタを完全に油断させて、どれだけ高い金額だろうと賭けさせる必要があった」


バルト「だからこそ、まず俺は完全な初心者を装い、相手に勝てそうなときは高い金額でもついつい賭けてしまう、というキャラを演じた」


おっさん「……………………」


バルト「そしてアンタは、俺が4カードまでの役しか知らないと思い込み、それより上のストレートフラッシュならば確実に勝てると信じ切ってしまった。その慢心が、100万円というとんでもない金額まで引き上げてくれたのさ」


おっさん「バカな……………」


バルト「しかもアンタ、イカサマしてたろ?(笑)」


おっさん「は…?」


バルト「わかるよ。俺の友達が全く同じことしてたから(笑)」


おっさん「い、言いがかりだ!!デタラメを言ってやがるコイツ!!」


バルト(まあ、俺もしてたんだけどね(笑) ロイヤルストレートフラッシュなんて普通出ねえよ(笑) そのために自分自身がトランプに触れられるように設定したのさ。ディーラーに配られてたら、イカサマもやりづらいしな(笑))


バルト「ハイハイ。まあ負けは負けだから。この100万円は没収ね」


おっさん「ま、待て!!」


バルト「は??」


おっさん「謝罪する!!だから、せめて50万円にしてくれ!!」


バルト「だが断る」


おっさん「ク、クソ……!!」


バルト「これまで人を騙し続けてきた自分を呪うんだな。これからは真面目に働いて稼ぎやがれ」


おっさん「ち、畜生……」



バルト「さて、と。おーーーい!!帰るぞ、バカ勇者」


カイル「おー、バルト!!やっと終わったか!!」


バルト「喜べ。あのクソオヤジから100万円ゲットしたぜ!!」


カイル「やったぜ!!マジでサンキュー!!」


バルト「おうよ。ところでお前は何してたんだ??」


カイル「その辺で遊んでろって言われてたから、適当に遊んでたぜ!」


バルト「で、戦績は?」


カイル「100万円!!」


バルト「マジでか!?お前も??」


カイル「負けた!!」


バルト「…………………」


カイル「…………………」


バルト「えっと、マジ??」


カイル「うん、マジ。」


バルト「プラマイゼロじゃねえか!!!!!」


~完~

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