剣士の村 その3
~1時間後~
審判「それでは4回戦第3試合、赤コーナー、バルト選手!青コーナーは、なんと…」
バルト「うん??」
審判「あの、伝説の、最強の騎士、マルス選手です!!」
「「「おおおおおおおおおおお!!!」」」
バルト「やっと、やりがいのありそうな奴が来たな…」
マルス「わ、わひを、今までの奴らと同じと思ったりゃ、大間違いじゃぞ??ヒック」
バルト「は??おいアンタ、なんか酒入ってねえか…??」
マルス「なーにを言っちょるか!!さっき、この町の奴らと、ちょびっと飲んだだけじゃわい!!」
バルト「やっぱ飲んでるじゃねえか!!」
マルス「ハンデじゃよ、ハンデ!!この程度しないと、相手にならんわい!!ヒック」
バルト「ほう…??言うじゃねえかジジイ…なら遠慮なく行くぜ」
審判「えーと、ここで、この試合の特別ルールを発表します」
バルト「は??」
審判「この試合では、バルト選手は相手の体に触れること、相手に攻撃すること、それらを一切禁止とさせていただきます」
バルト「は??はああああああああ!?!?どういうことだよ!?」
審判「今言ったことが全てです」
バルト「ならどうやって勝てばいいんだよ!!」
審判「この大会は、伝説の騎士マルス様のための大会です。つまり、マルス様をお祝いして楽しませるための試合なんです」
バルト「な…そ、そんな試合があってたまるか!!」
審判「それから、マルス様に怪我をさせた場合でも失格とさせていただきます」
バルト「ふざけんな!!」
審判「ただし、自分から降参した場合、マルス様との握手券をゲットすることができます」
バルト「いらねえわ!!」
審判「チッ。さっさと負けやがれ」
バルト「おい審判!!本音が駄々洩れだぞ!?てかちゃんと審判やれ!!」
審判「ハイハイ。なんでもいいからはよ始めて。」
バルト「ウッザ!!絶対に勝ってやる!!見てろよ、スピカ!!」
~その頃、スピカ~
スピカ「ここのカフェ、美味しいですね」
リゼ「それ!!ここのチョコレートスーパーウルトラクリームデラックスキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラアイスアンドミルクアンドホイップコーヒーココアカフェオレ、超最高!!」
スピカ「名前長!!スターバックスか!!」
リゼ「スゴイ甘くて最高よ?スピカも飲んだら?」
スピカ「それ、コーヒーなの?ココアなの?それともカフェオレなの…?」
リゼ「飲み終わったら、あいつら迎えにいきましょ」
スピカ「そうですね」
~2時間後~
審判「ピピーーー。剣を使用するの禁止」
バルト「イライライライライラ」
審判「ピピーーー。暴力は禁止」
バルト「イライライライライラ」
マルス「ウイーーー。兄ちゃん、そんなイライラしねえでよ、仲良くやろうや」
バルト「あのなあ、俺はアンタに触れただけでアウトなんだよ!!」
マルス「いーじゃねえか。もう試合なんてどうだって。ヒック」
バルト(こんな酔っ払いに負けるのだけは、絶っ対に嫌だ!!死んでも勝ってみせる!!)
バルト(しかし、どうすればいいんだ…?)
バルト(…そうだ!!こうしよう!!)
バルト「さあ~覚悟しろ!!体に触れてやるぜ!!」
バルト(名付けて、息を耳に吹きかけて倒す作戦!!)
バルト(ジジイ相手にとか死んでもやりたくないけど、勝つためだ仕方ない!!)
バルト「おい、マルス!!覚悟しろ!!」
マルス「ヴエ??なんだあ??」
バルト「ふううううううう」
マルス「あへへへへっへへへっへ!!うひょひょひょひょひょ!!」
バルト(うげえ、キモ!!)
バルト「ハアアアアアアア、ふううううううう!!」
マルス「うへへへへっへへっへ!!くすぐったい!!うひょひょひょひょ!!」
バタンキュー
マルス「うへへへへ、あへへへへ気持ちいい…」
バルト「…………………」
マルス「…………ZZZZ」
バルト「…どうだ??審判。これなら、文句ないだろ??」
審判「は、はい…大丈夫です…オエエエエエエエ」
バルト「…………………」
「うえ、気持ち悪…オロロロロロロ」
「人の耳に息吹きかけるとか、キモ…」
「マジでサイテー…キモすぎ…」
バルト「なんか、勝利と引き換えに、大切なものを失った気がする…」
カイル「バルト、流石に引くわ…オエエエエエ」
リゼ「バルト…噓よね…??え、冗談でしょ??」
バルト「ちょ、お前ら、ち、違うんだ!!」
スピカ「バルトさん…まあ、人には、色々ありますからね…温かく、見守っていきます…」
バルト「スピカ!!違うんだ!!ホントに!!ただ勝ちたかっただけだから!!」
~30分後~
審判「それでは5回戦、赤コーナー、バルト選手!青コーナーは、八百屋のじいさん!」
バルト「はあ…マジでどっと疲れた…さっさと終わらせて寝よう…」
審判「それでは、レディー、ファイ!!」
バルト「もう伝説の騎士(笑)も倒したし、ちゃっちゃと次も倒して帰r」
ギイン!!
バルト「!?!?」
八百屋のじいさん「ほうほう。今のをよく防いだな」
バルト「え?え??」
八百屋のじいさん「行くぞ!」
ガン!ギン!ガンガン!
八百屋のじいさん「まだまだ!!」
ギイン!
バルト「え、ちょ」
八百屋のじいさん「なんだ?」
バルト「えっと…あなた、誰??」
八百屋のじいさん「誰って、さっき説明あったじゃろ?八百屋のじいさんだよ」
バルト「いや、他のじいさんとレベル違いすぎるだろ!!」
八百屋のじいさん「まあな。今回はアンタみたいな強い人と戦えてよかったゾイ」
バルト「マジか!!こちらこそ!!」
ギイン!ガン!バキイ!
バルト「クッソ…マジでつええ…」
八百屋のじいさん「そんなもんか?若いの」
バルト「なめんな!!」
ギイン!ガン!バキイ!
~30分後~
バルト「ゼエゼエ…」
八百屋のじいさん「ハアハア…」
バルト「マジで強いな、アンタ…」
八百屋のじいさん「お前こそな…」
バルト「次で決着をつけよう…」
八百屋のじいさん「ああ。お互い、もう限界だ…」
バルト「そうだな…」
バルト・八百屋のじいさん「「いくぞ!!」」
ガン!!
バルト「…………………」
八百屋のじいさん「…………………」
バタリ
バルト「おい審判!!カウントしろ!!」
審判「…………………」
バルト「おい!!横になって「進撃の〇人」読んでんじゃねえよ!!」
審判「おっと!!つ、ついに倒れた!!ワン、ツー、テン!勝者、バルト選手!!」
バルト「いや、雑!!」
バルト「しかし、ガチで強かった…ハアハア…」
審判「それでは、決勝戦を始めます」
バルト「え??」
審判「決勝戦は、青コーナー、カイル選手!赤コーナー、バルト選手!」
バルト「えっと、あの、休憩は??」
審判「それでは始めまーす。ファイ!!」
バルト「いや雑!!マジでなんなの!?」
審判「いやもう、夜遅くなって、観客いないんですもん。みんな老人で早寝だから」
バルト「もうやめちまえ、こんな大会!!」
カイル「え??もう始まってるんだよね??」
バルト「え??」
審判「はい。」
カイル「バルト、○ねえええええええ!!」
バルト「ちょ、ま」
バキイ!!
~次の日~
カイル「いやー昨日のバルト、マジで弱かったわー(笑)」
バルト「てめえは、たまたま、強い奴と、トーナメントで当たらなかっただけだろうが!!」
カイル「ハイハイ。言い訳乙(笑)」
バルト「ウッッザ!!おいてめえ!!後日怪我が治ったら再戦しようぜ!?おいコラ!!」
カイル「えー?どうせまた言い訳するんでしょ?(笑) 「前の怪我が治ってなかったぜ…!クソ!!」
とか言って(笑)」
バルト「しねーよ!!」
カイル「そもそもあの程度の雑魚、俺だったら秒殺できたわ(笑)」
バルト「嘘つきやがれ!!」
カイル「いやー、証明ができなくてとても残念だわー(笑)」
スピカ「聞いた話なんですけど、あの人クラスの強さの敵が、あの山に大量にいるらしいですよ??」
カイル「おー、そうなのか……まあ、それは置いといて、次の村に進もうぜ!」
バルト「いや、ならそこに寄って行こう」
リゼ「私は構わないわよ」
カイル「いーーや!!俺たちは一刻を争うんだ!!先を急ごう!!」
バルト「あの程度、秒殺できるんだろ??ならすぐに終わるよなあ??(笑)」
カイル「え、えーと…」
バルト「おいてめえ。さっき秒殺できるって言ったよなあ??(笑)」
カイル「で、でも同じ敵じゃないし!!それじゃあ証明にならないじゃん!?」
バルト「いや、俺は全然構わん。よし、コイツ1人で戦わせよう」
カイル「ちょっと待って!噓です!やっぱ噓!バルトの敵めっちゃ強かった!」
バルト「そうか。じゃあいい練習台になるじゃないか。是非やろう」
カイル「いやああああああああああ!!」
~完~




