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旅立ちの日

「ではこれより、勇者の方々には魔王討伐のために旅立っていただく!!」


「いってらっしゃい!!」


「頑張ってーーー!!」


「気をつけてなーー!!」


「お前らが1番強いからな!!」


「自信を持っていけー!!」


「絶対に魔王を倒せーー!!」


勇者「おう!任せとけ!」


僧侶「頑張ります!」


魔法使い「ふん。余裕よ」


戦士「はあ。ダリいなあ」


一見、魔王を倒すために旅に出た普通の勇者パーティーに見えるかもしれないが、実はこの勇者パーティー、とんでもない事情を抱えているのである。


まず勇者。魔法使い(♀)がめっちゃ好き。普段の性格はきついが、実は超優しい(まあつまりはツンデレ)ことを知っている。戻ったらすぐ告白したいと思ってる。

次に魔法使い(♀)。戦士がめっちゃ好き。死ぬほど好き。普段はめんどくさがりでガサツだが、力強さと頭の回転とカッコ良さにベタ惚れ。戻ったらすぐ告白したいと思ってる。

次に戦士(♂)。僧侶がめっちゃ好き。普段から優しさに溢れていて温厚だから超大好き(でもキレるとヤバイらしい)。戻ったらすぐ求婚したいと思ってる。

最後に僧侶(♀)。勇者がめっちゃ好き。普段は超アホだが、いざという時の男気と裏表のない優しさにベタ惚れらしい。戻ったらすぐ告白したいと思ってる。


…おわかりだろうか??

このパーティー、最低最悪の四角関係なのである。

ギスギスした地獄のような旅が、今始まる!!


まとめると…

カイル(勇者)→優しいが超アホ。リゼ(魔法使い)が好き

リゼ(魔法使い)→ただのツンデレ。バルト(戦士)が好き

バルト(戦士)→基本はグータラ。スピカ(僧侶)が好き

スピカ(僧侶)→いつもは優しい。カイル(勇者)が好き


カイル「しかしまさか、お前らと一緒にパーティーを組むことになるとはな!!」


カイル(リゼと一緒に旅ができる!!神様ありがっとおおおおお!!)


スピカ「ええ。ホントに良かったです。みんな顔見知りで」


スピカ(勇者様と一緒!!ああ好き好き好き好きいいいい!!)


リゼ「ふ、ふん!!足を引っ張らないでよ??アンタたち!」


リゼ(ふええええ!!またこんなこと言っちゃった!!バルト、私を嫌いにならないで!!)


バルト「おいおい。お前は相変わらず口が悪いな~」


バルト(スピカ可愛いスピカ可愛いスピカ可愛い)


リゼ「え!?く、口が悪い人は、嫌い…?」


バルト「いやー?まあ好きにはならねえかなあー?」


バルト(あースピカは今日も可愛いなあ…)


リゼ「そ、そんな…ガーーン…」


カイル「大丈夫だよ。俺は全然気にしないぜ!!」


リゼ「アンタはうっさい!!」


カイル「ええ!?なんで!?」


リゼ「私がバルトに嫌われたところで、ぜんっぜん何ともないし!!」


リゼ(ふええええ!!何ともあるよお!!)


スピカ「ちょっと、リゼ!!アンタ、勇者様に向かって、何ですかその口の利き方は!」


リゼ「はあ!?何よアンタ!!」


スピカ「アンタは口も態度も悪いし、このパーティーに不和をもたらすから、早く消えて頂戴」


リゼ「なんですってえええええ!?」


カイル「おい!スピカ!!なんてこと言うんだ!!俺はこのパーティーを誰1人として欠くつもりはない!!この4人全員で、最後までやり遂げよう!!(ドヤ顔)」


カイル(って言ってる俺、カッケーーーー!!どうだ!?これはリゼも惚れるはず!!)


スピカ「キャーーーーー!!勇者様カッコイイ!!」


リゼ「え!?バルトはどう思う!?」


バルト「え??ああ。いやーまだ旅の最初だし、我慢して頑張ろうや」


バルト(あースピカは今日も可愛いなあ…)


リゼ「うん!!あたし、頑張ってみるね!!」


リゼ(キャーーー!!バルトに引き留めてもらっちゃった!!)


カイル「よし!!とりあえず次の村に進もう!!」


リゼ「ちょっと!!アンタが仕切らないで!!」


カイル「ええ!?一応、俺がリーダーなんだけど…」


カイル(いや、これはあれだな!!リゼは俺に負担をかけさせないようにしてくれてるんだ!!そうだ、そうに違いない!!)


スピカ「勇者様!!私はあなたがリーダーだと思ってます!!お慕いしております!!」


スピカ(ハーイ!!好感度アップー!!これで勇者様はベタ惚れ!!)


カイル「あ、ありがとうスピカ…やっぱりお前は優しいな…」


スピカ(キタアアアアアアア!!ベタ惚れフラグが立ったZOY!!)


リゼ「ふ、ふん!!私はアンタをリーダーと認めたわけじゃないんだからね!!」


カイル(ツンデレキタアアアアアアア!!俺だけは知っている!!これは本心じゃないと!!)


スピカ「アンタさあ、さっきから勇者様に失礼すぎない!?謝りなさい!!」


リゼ「はああ!?何よアンタ、さっきからカイルのフォローばっかして!え?アンタもしかしてあれじゃない?カイルのこと、好きなんじゃないのー??(笑)」


スピカ「な!?…そ、そ、そそそそんんわけないじゃない!!バカじゃないの!?」


カイル「そうだよ、リゼ。スピカはみんなに平等に優しいんだ!!」


スピカ(でも勇者様が好きなのは合ってます…)


リゼ「とにかく!!私は勇者をリーダーだなんて認めないから!!」


カイル(まーたツンデレか。可愛いなあもう…)


バルト「おい!!いい加減にしろ!!めんどくさいから、もう勇者がリーダーでいいだろ?」


リゼ「はい!!もちろんです!!」


カイル・スピカ「「えええ!?」」


バルト(この場をしっかりと収める俺、カッコイーーー!!スピカ、見てたか!?)


スピカ(勇者様以外、リーダーなんてありえない!!)


リゼ(はあ、バルトに怒られちゃった…許してくれるかな…?)


カイル(リーダーとして、リゼにカッコイイ所を見せつけてやるぜ!!)


彼らの旅路は、既に前途多難であった…

果たしてこんな状態で、魔王を討伐できるのか??


~続く~

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