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佐伯さんのタイムスリップ

 「僕は、病気で2021年6月7日にこの世を去りました。永眠です」

まじかよ。どうゆうことだ。俺もまさか死んだのか......クソババアに殺された?寝てる間に?晩飯に毒もられたか、なんの苦痛も感じなかったぞ。

え、嘘だろ......。


「僕は陽菜乃さんと病院で出会って病院で結婚しました。僕が死ぬ3ヶ月前.....う゛.......」


 いやぁ、俺も泣きたいって.......なんなんだよ。


「陽菜乃さんは、余命僅かな僕が陽菜乃さんの事を大好きなのを知って、結婚してくれました。本当に優しい人です」


 ああ。そうだよ。陽菜は優しい。って、共感してる場合じゃない。なんで?


「陽菜乃さんからは、いつもかずちゃんさんの話を聞いてました。大好きだったって.......だから消えたんだって。」


「.......そうですか。陽菜は、なんで病院に?」


「あーそうか、そうゆうことか」


いやいやいやいや急にまたどうしたんだよ。なんか思い出したなら教えてくれ。


「僕は死ぬ前に、陽菜乃さんの幸せを願ったんです。強く、苦しいほど......。

そしたら、2020 年に来て、2021 年6月6日の次の日は2019年6月7日でした。陽菜乃さんがかずちゃんさんと別れたっていうこの2019年、今日、あなたを見つけました。

僕があなたを連れてきたんでしょうか」


「え、あの世に?」


「違います。僕が死んだ日にあなたと共にタイムスリップした。2021年6月7日から1年ずつ。陽菜乃さんの幸せを叶えるにはあなたが必要だった....?ということか。はあ、泣けるな。」


泣ける?


「あの、陽菜は陽菜はなんで病院に?」


「ああ、そうでした。陽菜乃さんはかずちゃんさんがプロポーズした頃に子宮体癌が見つかりました。」


「陽菜......癌.....」


 申し訳ないがこの人が死んだからタイムスリップしたとかいう話よりも、俺には陽菜がそんな病を患っていたという事実に、頭を鈍器でぶん殴られたくらいの衝撃が走る。陽菜は一ミリもそんな風に見えなかった。あの笑顔の裏側で一人ずっと不安に駆られていたというのか......。俺は何してたんだ。


「あ、大丈夫ですよ。陽菜乃さんは元気です。大丈夫なはずです。手術して成功して。ただ子宮を全摘出したので子供は産めないと。」


「あ それで......」


「はい。かずちゃんさんに迷惑かけたくない。子供をもつ希望を潰したくない。きっと言えばかずちゃんさんは絶対に別れてくれないから。かずちゃんさんの遺伝子は次の世代に残すべきだって。」


なんなんだよ.......俺だけあほじゃねーか、俺の浅はかなこと.....薄情なこと.......なんでひとりで決めんだよ........。


「あ、あの 大丈夫ですか。」


「あ はい。なんか、ありがとうございます」


「いえ、なんだか死んでからお礼言われるなんて嬉しいな。今すべきことは......探しましょう!陽菜乃さんを。」


「はい」


俺らは陽菜を探す。ひたすら。陽菜を幸せにするため、俺が幸せになるため、そして佐伯さんが成仏するため?

いや、佐伯さん、もしかしたら何年も過去に行ければ助かるんじゃないのか?


「佐伯さん」

「はい。」

「佐伯さんは、過去にもっと行けたとしたら病気克服できないんですか?」

「出来ません。それを願うなら生まれる前に行かないと。だったら生まれ変わったほうが早そうです。」

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