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寝取られという文化


 ある昼休み。


夏樹「なぁなぁ。寝取られるってどんな気分なんやろ?」


春太「・・・・・。」


秋斗「・・・・・。」


冬奈「・・・・・グー、スピー。」


夏樹「あれ?どうしたん、2人とも。キョトンとして。」


春太「いや、まさかお前の口から寝取られっていう単語を聞くとは思わんかったから。」


秋斗「ナツ、寝取られの意味は知ってる?」


夏樹「それは知ってるよ。恋人が知らない人と寝て、そのまま取られちゃうってことやろ?」


春太「なら普通に考えて、最悪な気分に決まってるやろ!どしたんお前、そんなことも分からんくなってしもたんか⁉︎」


秋斗「ナツお前なー。数学と古典は諦めてもええけど流石に道徳まで諦めるのはどうかと思うで。」


夏樹「流石にそんなことまではわかってるよ!わかってるけど前、女子に言われてんもん!」


春太「何て?」


女子A(夏樹)「ナツってー、寝取られとか似合いそうやんなー。」


女子B(夏樹)「確かにー。なんかこういうピュアで健康的な男子ってそういうドロドロしたシチュエーションが似合うんよねー。」


女子C(夏樹)「しっしかも、寝取り相手がおっさんのBL展開なら、なっなおのこと良き。」


女子A(夏樹)「やだ、もー!C子、拗らせすぎー!でも普通にありやわー。」


女子B(夏樹)「うんうん!もしナツが寝取られててもそのシチュやったらあたしも見逃すわー!むしろもっとやれって感じ!」


女子ABC(夏樹)「ドュフフふふふふふ!」


夏樹「ってー!僕、全然理解出来へんかってんけど!」


秋斗「あー、なるほど。そういう話か。」


春太「はぁー、相変わらずこのクラスの女子はナツを好き勝手に扱ってんな。」


夏樹「それでどうなん?2人はもし恋人が寝取られたら興奮する?」


秋斗「まぁ、俺は許しはせぇへんけど。でも寝取られが興奮するのは少しわかるわ。」


春太「えぇー、ほんまに?」


秋斗「例えばやで。自分が大三元を狙っててあとは白二枚だけやのに他の人が白を鳴いた時はもうそれは嫉妬を通り越して、興奮」


春太「麻雀じゃねぇか!今はええねん、お前の特殊性癖の話しは!」


秋斗「っとまぁ、今は麻雀で直接的に例えましたけどそれを擬人化してみると?」


夏樹「してみると?」


秋斗「可愛くてピュアな彼女、白子と付き合ってもう3年。大学を卒業し、仕事もやっと落ち着いてきた頃。


 東はそろそろゴム無しでの行為を考え始めており、あとはそれを白子に伝え、了解を得るだけ。


 しかし、白子は3年間もずっとゴム付けの東に嫌気がさしており、そしてついに優しく接してきた彼氏の友人である南に寝取られることを許してしまう。


 そして意を決し、帰宅した東はその現場を目撃してしまう。最初は怒りに燃える東だったが初めての感覚によがり、そして友人、南によって鳴き乱れさせられる白子のその表情に、次第に自分の竹は興奮して」


春太「ストップ!ストーップ!それ以上はもうええから。無垢なナツがもう耐えられへん。それとお前、まだ所々に麻雀言葉が入ってたぞ!」


夏樹「ゔぅぅー、あっあっあっあー。」


秋斗「っとまぁ、ポイントはまず可愛くてピュアな彼女って言う点やな。やっぱりイケイケでプレイな子が寝取られてても反感しか浮かばんからな。こういうのはそっち系の経験が少なくて、無垢で可愛い子やから成り立つもんやねん。」


春太「あぁ、無垢で可愛いってまさにナツの特徴そのものやな。」


秋斗「あともう一つのポイントは表情やな。自分では作ることのできない表情。そしてそれを自分は一歩離れた客観的視点で見せられる。そのシチュエーションによっていわゆる屈折した、歪んだ愛が生まれるんよ。」


春太「なんかわかるようなわからんような。っていうかお前やけに詳しいな?」


秋斗「まぁ、姉貴がよく録画した昼ドラを晩飯中にみよるからそれの影響でな。とりあえずナツ、理解はできたか?」


夏樹「プシュー。」


春太「あぁー、鼻血出しながら、オーバーヒートしてるわ。ナツはほんまにこういう話に弱いからな。」


秋斗「けどこいつ、無意識に天然だけでいつも女子を惚気させてんのはマジで凄いと思うわ。」


春太「しゃーない。とりあえずナツを保険室まで運んでくるわ。」


秋斗「おう、よろしくー。」





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