クッキーが焼けるOL来たる。
諸君、私はクッキーを焼くのが好きだ。
無論手作りクッキーではない。
無限、那由多の仮想空間のクッキーを作るのが好きだ。
実際に作る?無理無理。
最寄り駅から20分、バス・トイレ別の1K のアパート(3階)
家賃6万円にオーブンを置く場所なんぞない。
電子空間のクッキーはいい。
私の月給の目減りしていくカウンターよりもわんさか増えるクッキーのほうが好きだ。
そんなわけで日課の目覚めの一焼きをしていた。
ただそれだけだったのだ。私に趣味は特にない。金のかからない趣味最高。
そう。ただそれだけだったのだ。
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目が覚めると森の中。ある日くまさんにであった♪
ではない。これは死ぬ。
現実世界に起きたWi○pediaの食害事件を思い出す。
見るからに人を食いそうな見た目だ。
つまり、私はここでいま死ぬのである。
何一つなさぬまま、OLとしてのうのうと金曜日を待ちわびる日々を
ただこんな、僻地の森林の中。
熊の腹の中で
「食うのなら、私より、美味しいクッキーがいいと思います。」
その瞬間、目前の熊が茶色の塊で見えなくなった。
クッキーである。那由多の。クッキー土砂崩れである。