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幼馴染の執事になってしまった!!  作者: マイケル小松
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執事とご主人の日常ラブコメ

二話 始まる地獄の修行

「はぁ・・・学校に行きたくない。」

朝っぱらから大きなため息をついた俺は、寝不足のせいでクマができ、邪気をまとったような顔を少しでもまともにするために洗面台へ向かう。そして顔を洗い、歯を磨いた俺はいつも通り朝食を食べる。いつもと同じことをしているのになぜか今日は妙に落ち着かない。それもそうだ、俺は中学校を卒業したら心寧の執事になるんだ。そのことが頭から離れなかった昨日の夜は、全く寝付けなかった。だから朝から気分が悪く学校には行きたくない。ただそれは学校に行きたくない理由の1つでしかなく、ただ心寧と会うのが気まずいというのが本音だ。

そんなことを考えていると家のチャイムがなった。

「ピンポーン」

こんな朝からう訪ねてくる人は一人しかいない。そう心寧だ。いつものことなのに今日は緊張してしまう気持ちをなんとか落ち着かせ外に出ると、いつも通り美人で明るい心寧がいた。なるべく普段と同じように挨拶する。

「おはよう心寧。」

「おはよう大智。ぷっ」僕の顔を見た心寧は近所迷惑になるんじゃないかと思うくらいの大声で笑いながら俺に話しかける。

「ちょっと大智、なにその顔。目の上が鉛筆で塗りつぶしたみたいになってるよ?」

「い、いや、これは昨日徹夜で勉強したからできちゃったんだよ。」まさか本当のことも言えないので慌てて誤魔化したが、下手くそすぎる言い訳はすぐにばれた。

「いや絶対嘘でしょ。もうすぐ卒業でテストもないのに大智が勉強するわけないじゃん。」なにも言い返せないが絶対に本当のことは言えないのでまたしても誤魔化す。

「じ、じつは徹夜でゲームしてたからこうなっちゃったんだよ。」心寧は納得していないようだったが、ここで立ち止まっていても遅刻してしまうからと促し、話題を心寧が好きなケーキにしてとりあえずピンチを脱した。すると話は盛り上がり、ちょうど今日の放課後に新しくできたケーキ屋さんに2人で行くと約束したところで学校に着いた。学校ではクラスメイトに顔色を指摘されたときはひやりとしたが、今朝のことは忘れたらしく平和なまま放課後まで時間が過ぎていった。

2人とも夏までは部活をやっていたため一緒に帰ることはほとんどなかったが、今はもう引退しているので放課後はよく心寧に付き合わされ新しいケーキ屋さんやらなんやらと食いまくる日々だ。そのため、今こうして2人でケーキ屋さんにいるものの心寧がケーキを食いまくっていない状況は、俺にとって不安でしかない。おまけに心寧はなにやらメモ帳らしきものを出し始め今朝のことを執念深く聞いてくるんじゃないかと俺はビクビクしている。すると心寧がよし、といい話し始めた。俺は心してその話を聞く。

「大智は本当に私の執事として一緒にいてくれるの?」急に本題から入るいつもの心寧に多少戸惑いつつも、いつもよりも真剣な顔で話してくる心寧に慎重に答える。

「ああ、正直迷ったし俺にできるか不安だけど心寧ちゃんと働くつもりだよ。」「そう。」と答えた心寧は心なしか少し安堵した様子に見えた。そしてふうっと息を吐き話を続ける。

「良かった。私1人でやっていけるか本当に不安だったの。でも、大智が来てくれるならきっと大丈夫って思えた。よろしくね執事さん。」思ってもいなかった言葉に思わず顔が赤くなるのを感じながら俺が聞く。

「なったはいいけど俺家事とか料理できないんだけどどうしたらいい?。」心寧がさっき出したメモ帳を俺に見せながら話す。

「基本となる仕事とやり方はここに書いてあるから、残りの3ヶ月でなんとかしてくれれば大丈夫。分からないことがあったらいつでも聞いて。」3ヶ月本当にできるようになるか不安だったが、やるしかないのでわかったとだけ返事をして今日は帰ることにした。




この時の俺はこの日から地獄の修行が始まるとは思いもしなかった。

読んでいただきありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。

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