蛇足
「どげな塩梅だべ? 良い森こさだったべか?」
森の冒険を終えたころ、カエルはここまで乗せてくれた鷲に再開できました。
もう一度、鷲の背中に乗って、空を越えて別の街を目指していました。
「素敵な森でした。色々な物も見えましたし、小人さんにも出会えましたし楽しかったですよ」
「みんなさ元気だったべか?」
小人とだけ云ったのに、複数形で“皆”だと思った鷲に、カエルは不思議に思ってたことが、不思議ではなくなりました。
話に有った鳥になったサーズという小人がその後にどうなったのかということを考えれば、そういうことだった。
「サタさんとマンさん以外には会いませんでしたよ。あとウェンズさんはお亡くなりでした。去年、芽が出ないままお亡くなりなったとかで」
「……そか。可哀想なこと、したな」
「どうなんでしょう、死ぬまで芽が出なかったのは不幸ですが、それでも最後まで出ると信じ続けたなら、可哀想と呼ぶのは……違う気がしました」
「……んだべか。んだども……誰が一番、可哀想じゃなかったんだべか」
「誰も分からないと思いますけど、全員が自分が一番幸せって思うくらいに終われると良いですね」
迷わずに実を食べて大きくなったたサン、迷って食べて中くらいになったマン、木がすぐ育ってくれたチューズ、
植えても死ぬまで出なかったウェンズ、鳥になったサーズ、悩み続けて未だに実を食べていないフライ、
そして、今もなお、ずっと育て続けているサタ。みんなが自分で正しいと思う決定をして、今日を過ごしていた。
カエルくんとワシさんについては、前作を参照ください。
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