表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BL短編集  作者: 狗月
逃げずに・・・。
19/24

6話目【END】


「お前の本音が、聞けるんじゃねェか、って思って…。」


「俺の、本音・・・って、どういうこと?」


 緊張、からなのか、金魚の様に口をパクパクと開閉させては、ギリッと奥歯を噛みしめた。そんな俺様の様子をじっと見つめる輝に、こちらも真っ直ぐと見遣り、ふぅ、と小さく息を吐き、気持ちを落ち着けた。


「輝は、俺様の・・・恋人、か?」


「・・・・・・は?何を今さら、告白してくれたろ?OKの返事もしたけど・・・もしかして、冗談だった?って、それならもう少し早く・・・って、そういうことじゃなくて!俺はもう好きなんだけど!」


 焦った様子で起き上がり、俺様の両手をギュッと強く握り締めながら言った輝の言葉に「・・・好き・・・?」と小さく呟く様にしか言葉が出なかった。

 俺様の様子に輝は少し苦笑らしい笑みを零し、握っていた手を解くと、手を伸ばし、優しく包み込む様に抱き締めてくれた。


「伝えてたつもりだったんだけど、ちゃんと言葉にしないと、駄目だな。・・・俺、ちゃんと慎のこと好きだよ。」


 耳元で囁かれた言葉に心臓が止まるかと思った。そして、心の中にあったしこりは暖かさに解かされ、消えた。安心を感じると、今度は嬉しさが襲ってきて、涙がぽろぽろと流れ、止まりそうになかった。


「え!?慎ッな、なんで泣いて・・・。」


 俺様の泣く姿に慌てふためく輝が、なんだか珍しく、あまり見ない姿だった為、泣きながら笑ってしまった。


「・・・。」


「・・・なんだ。」


 じっとこちらを見つめる輝に顔を背けて言うと、頬を一撫でされた。


「いや、やっぱり慎は可愛いなって、思って?」


 ふふっと小さく笑みを浮かべながら言った輝へ文句を言おうと、ガバリと向き直した。

 すると、目の前が暗くなり、唇に熱を感じたかと思えば、それはすぐに離れていき、またクスリと笑みを零し、こちらをじっと見つめた。


「真っ赤だな、慎。」


「・・・ッるせェよ。」


 余裕のある輝の様子に悔しいと感じつつ、恥ずかしいとも感じた。この二つの感情の行き場をなくし、輝へ縋りつく様に抱き着くと、その暖かさに顔を埋め、幸せを感じた。

 

・・・逃げずに、初めから答えを聞けば良かったんだ、と小さく自嘲を零した。そして、幸せな笑みが自然と零れた。


<END>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ