6話目【END】
「お前の本音が、聞けるんじゃねェか、って思って…。」
「俺の、本音・・・って、どういうこと?」
緊張、からなのか、金魚の様に口をパクパクと開閉させては、ギリッと奥歯を噛みしめた。そんな俺様の様子をじっと見つめる輝に、こちらも真っ直ぐと見遣り、ふぅ、と小さく息を吐き、気持ちを落ち着けた。
「輝は、俺様の・・・恋人、か?」
「・・・・・・は?何を今さら、告白してくれたろ?OKの返事もしたけど・・・もしかして、冗談だった?って、それならもう少し早く・・・って、そういうことじゃなくて!俺はもう好きなんだけど!」
焦った様子で起き上がり、俺様の両手をギュッと強く握り締めながら言った輝の言葉に「・・・好き・・・?」と小さく呟く様にしか言葉が出なかった。
俺様の様子に輝は少し苦笑らしい笑みを零し、握っていた手を解くと、手を伸ばし、優しく包み込む様に抱き締めてくれた。
「伝えてたつもりだったんだけど、ちゃんと言葉にしないと、駄目だな。・・・俺、ちゃんと慎のこと好きだよ。」
耳元で囁かれた言葉に心臓が止まるかと思った。そして、心の中にあったしこりは暖かさに解かされ、消えた。安心を感じると、今度は嬉しさが襲ってきて、涙がぽろぽろと流れ、止まりそうになかった。
「え!?慎ッな、なんで泣いて・・・。」
俺様の泣く姿に慌てふためく輝が、なんだか珍しく、あまり見ない姿だった為、泣きながら笑ってしまった。
「・・・。」
「・・・なんだ。」
じっとこちらを見つめる輝に顔を背けて言うと、頬を一撫でされた。
「いや、やっぱり慎は可愛いなって、思って?」
ふふっと小さく笑みを浮かべながら言った輝へ文句を言おうと、ガバリと向き直した。
すると、目の前が暗くなり、唇に熱を感じたかと思えば、それはすぐに離れていき、またクスリと笑みを零し、こちらをじっと見つめた。
「真っ赤だな、慎。」
「・・・ッるせェよ。」
余裕のある輝の様子に悔しいと感じつつ、恥ずかしいとも感じた。この二つの感情の行き場をなくし、輝へ縋りつく様に抱き着くと、その暖かさに顔を埋め、幸せを感じた。
・・・逃げずに、初めから答えを聞けば良かったんだ、と小さく自嘲を零した。そして、幸せな笑みが自然と零れた。
<END>




