1話目
「好きなんですが、どうします?」
呼び出しを受け、久々に手応えのある奴が来たかもとテンションが上がった朝。朝のワクワクを返せと言いたい。
そして、この目の前にいるこいつ。俺より下にある頭にも拘らず、何故か上から目線の様な態度。正直、殴ってやりたい気分ではある。・・・が、まずはさっきの言葉だ。最初の言葉は分かる、告白・・・されているのは分かった。だが、何を宜しくなんだ。・・・普通は「付き合って下さい」なのじゃないのか?
「・・・先輩、聞こえてるんですか?」
彼はじっと見ているだけだとは思うが、俺から見れば、上目遣いで睨み付けられている様にしか見えない。やはり、口調はカチンとくるものがある。・・・が、この見た目のせいか怒りが静まっていく。目の前の彼は一言で言うなら美少年だ。そんな彼が俺なんかに告白・・・。
「聞いてるけどさ。お前、どうします?ってなんだ。」
「どう・・・って、そう言えと言われたので言ったんですが?」
『・・・質問に質問で返された・・・。ってか、好きなんじゃねェのかよ?』
心の声とともに溜息を零すと、じっと見つめて無表情だった彼がビクッと肩を揺らし、少し目線を揺らした。
『なんだ?』
動揺した様に見えた彼をじっと見つめると、スッと何事も無かったかの様に無表情に戻り、視線を俺から外した。
「お前、俺の事知ってんのか?」
視線を外すこの後輩の視界に入る様に顔を覗き込むと泣きそうな顔を知っていた。
『あ、可愛い。』
泣きそうに歪んだ、泣こうとするまいと我慢するこいつの顔に心が揺れた。




