始まりの町
少し編集しました。
家族を失った幼い自分は、第二の親であり師匠に当たる漢と一夜明かした。そして、朝を迎え、いつも通り学び舎に行き、恩師や友に別れを告げに行き、生まれてから今まで生まれ育った家を焼き払い、鎮火するのを確認して、2人は誰にも行方を教えず、少年の足りないものを手に入れるための旅に出た。
影将と藤峰は始まりの町に入った。
町に入ってみると一本道が30メートルほど続きその道の左右には家にしてはでかい木製の建物が幾つか建っていた、進むと噴水が真ん中にあり、横幅20メートル程の道が円状に整備されていて、道を挟んで木製の建物が幾つも噴水を囲むような形で建てられていた。
噴水に着くと藤峰が町の紹介をしてくれた。
「この噴水がある場所がこの町の広場だ」
広場を紹介すると藤峰は左側から順に建物の紹介をしていく。
「左から道具屋、武器屋、防具屋だ」
紹介された建物の達はどれも店の看板はあるがぱっと見営業しているようには見えない、影将が疑問に思い質問しようとすると、藤峰はすぐに気づき補足説明をした。
「道具屋も武器屋も防具屋も今日は閉店してるから」
補足説明を聞いた影将は営業時間を藤峰に一応確認した。
「店の営業時間は何時から何時までだ?」
その質問に藤峰は素早く返答した。
「朝の9時ぐらいから店が開き夕方7時頃店じまいだ」
「定休日は何曜日だ?」
影将が定休日を聞くと藤峰は説明を始めた。
「この世界には曜日は存在しない、さらにこの世界の住人が経営しているからか毎日やってるよ、俺の見てきた限り休んでる日は無かった」
藤峰の説明に驚きさらに質問をした。
「月日はあるのか?」
影将の質問に藤峰は頷いた。
「だいたい地球と同じようにあるが少し違うところは1ヶ月30日の12月まである」
「今は何月なんだ?」
「今はちょうど4月の3日だな」
影将が月を聞くと藤峰は丁寧に日にちまで教えてくれた。
「あとプレイヤー間では4月で通るがこの世界の住人には通用しないから今から言う言葉を覚えておいてくれよ」
影将は頷いて返事をした。
「1月から娵訾、降婁、大梁、実沈、鶉首、鶉火、鶉尾、寿星、大火、析木、星紀、玄枵、てな、感じに呼ばれてる、あと今月はちょうど実沈だから今月だけでも覚えておいてくれ」
藤峰の説明を聞き頷いて影将は質問した。
「月の名前難しすぎだろ、なんか名前に意味でもあるのか?」
影将は藤峰に名前の意味を聞いた。
「大した意味はないらしいぞ、暇神が適当に名前決めたらしい、あくまで俺が聞いた話ではだが」
藤峰は自分が聞いた話を影将に教えた。
「言葉で言っても全部は覚えられないと思うから後で紙に書いてやるよ」
藤峰の親切に影将は心からお礼をした。
「ありがとう!いちいち聞くのも面倒くさいし迷惑もかかるから助かるよ」
影将が感謝を述べると藤峰はさらに町の紹介をするため歩き出した。
そして、一本道から噴水を真っ直ぐ見たときにも見えていたこの町の唯一塗装された建物の前で藤峰は止まった。
「見ての通りこの広場の建物の真ん中にあるこの塗装された建物は集いの情報局インフォメイトエクスキューションって言うだけど簡単な話この世界の情報が集まる場所だ、他にはイベントや公式の自由参加のクエストとオーダーとかが集まってる」
藤峰が紹介してくれた建物は薄い灰色で塗られており、見た感じ三階建てで三階は教会の鐘のあるような所になっていた。
「立派な建物だな〜〜」
影将は感心しながら建物を眺めていた、すると藤峰は影将声をかけて次の建物に歩き出した。
「次に行くぞ、影将」
藤峰に声をかけられて影将は藤峰に問いかけた。
「おいおい、まだ開いてるみたいだぜ、入らないのか?」
影将の問いかけに藤峰は疲れた顔で答えた。
「そこは年中無休で開いてるよしかも何時でも開いてるから明日町の外出る前に行けばいいから次行くぞ」
藤峰に言われ影将は渋々したがい歩き出した。
少し右に歩くと藤峰が建物の紹介を始めた。
「ここは雑貨屋みたいな所だ、ここも道具屋とかと一緒の営業時間だ」
藤峰の紹介を聞くと影将は質問した。
「例えば何が売ってるんだ、この店?」
「マジックバッグとか時計や財布に服も売ってる色々他にも売ってるよ」
藤峰が簡単に答えると影将はマジックバックについて質問した。
「マジックバッグってなんだ?」
「一定の量必ず入るバックだ」
説明しながら藤峰は自分の腰の辺りにあるウエストバッグを見せた。
そして、藤峰はウエストバッグから鞘に入った刃渡り60センチぐらいの剣を一本出した。
「すげー!お前のバッグはどれくらい入るんだ?」
影将は藤峰が剣を出したウエストバッグを物珍しそうに見ながらたずねる。
「30個ぐらいまでならなんでも入るが液体や気体はそのままの状態では入れられないから加工しないといけないが生き物は入れられない」
藤峰が余談をすると影将は藤峰にさらに確認した。
「いくらぐらいで買えるんだ、そのバッグ?」
値段を聞かれた藤峰は自分のバッグの値段を言った。
「俺のこのバッグで100万チップぐらいだ」
藤峰はさも当然かのように値段を言った、しかし、影将はその額を聞いて一つの疑問を質問した。
「チップって円と同じ価値なのかそれともドルと同じ価値なのか?」
影将は藤峰にたずねると藤峰は笑いながら答えた。
「さすがにドルと同じ価値なわけがないだろ、ドルだったら円にしたらかるく1億ぐらいになるぞ」
その答えに影将はなんとなくチップの価値を認識した。そして、藤峰は剣をバッグにしまってから影将に渡すものを思い出しバッグから取り出した。
「この袋をアダティウムから渡すように言われてたのを忘れていたよ。中には2週間分の食券と1万チップとルールブックがあるから大事に持っておけ、あとその袋は一応マジックバッグと同じ効果があるから」
影将に袋を渡しながら中身の説明をした藤峰に影将は袋をジーンズのベルトを通す部分に引っ掛けて落ちないようにしながら食券について藤峰に質問した。
「この券はどこで使うんだ?」
質問を聞くと藤峰は隣の建物の前まで歩きながら答えた。
「このでかい建物で使うんだよ」
答えを聞くと影将は食堂か何かとたずねると藤峰は説明を始めた。
「出入り口から入って左側は酒場で右側が料亭のようなところでその料亭で食券は使う」
説明を終えると入り口に向かって藤峰は歩き出し影将も後ろをついて行った。
出入り口の前まで来ると上に看板が付いており店の名前が書かれていた。
『酒場兼料亭 葉桜紅焔亭』
店の名前を読み2人は店の中に入った。
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