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迷宮踏破の前に。(挿絵有り)  作者: サーモン
第4章 新しい命が宿ります。
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心・技・体

 12階層。

「結局ご主人様がお昼休みの時になでる相手がいないので、延長をお願いします」

 エヴァールボの言葉にエヴァールボ班はもちろん、それ以外の人も頷いている。

「その場合、ギラーフ班が勝ったらどうする……?」

 ギラーフを見ると顔を真っ赤にして口を開けたり閉じたりを繰り返している。

「よ、夜伽に……」

「それが本人の希望なら、それでもいいが……」

 ガッツポーズをしてからコーシェルに話しかけている。

 コーシェルも複雑だろうな……。


 そんなコーシェルが話しかけてきた。

「私は師匠の事は好きですが『髪の毛』は旦那様のを使いたいと思います。あの日お腹を空かせていた私たちを料理班として迎えて下さった旦那様。師匠の『髪の毛』をこっそり下さった旦那様。どちらの旦那様も好きです。私は師匠に恩返しをするために全力を尽くします」

「あぁ、楽しみにしている」

 ゴーレムちゃんの主人に選んだ時はオドオドして頼りない感じだったのに、人は変わるものだな……。



『心・技・体』

 技術はギラーフに授けてもらい。

 心が成長した。

 そして最後の体力は俺の称号補正で十分な強化が望める。


 果たして、3つが備わると12階層ではどんな成長を遂げるのか……。



「それではみんなの希望通り延長戦を行う。危険がないように、先生たちは注意してくれ」

 難易度が急に上がるわけではないだろうが……。


 エヴァールボの指示でリアラが氷で敵の移動できる範囲を限定する。

 ナイラが氷で覆ったナイフを投擲する。


 何だか迷宮化の時の壁を使った戦いを彷彿とさせる展開だな。

 これはこれで戦術としての完成形ではあるが……。


 それでもやっぱりコーシェルが抜きん出ている。

 まるでギラーフが乗り移ったようだ……。

 背後への警戒を怠らず、正面の敵に戦いを挑む。

 昨日の15分以外にも目隠しで生活をしていたらしいからな。


 考察している最中に戦いが終わった。



「コーシェル、実戦だが次は目隠しで戦ってみるか?」

 コーシェルを含めてみんながビックリしている。

 そしてただ1人、俺の無茶ぶりを楽しんでいる者がいる。

「それ、私もしたいです」

 もちろんギラーフだ。


「それではお互いに攻撃しないように少し離れて位置決めをしようか」

「わかりました」


「お2人だけで勝手に話を進めていますが……、本当に私もするんですか?」

「ゴーレムちゃんとの特訓じゃ本気で攻撃はできないだろ?」

「それはそうですが……」

「ついでに知りたくないか? 今のギラーフの実力との差を……」

 俺はコーシェルが食いつきそうな話を耳打ちで提供してみた。

 コーシェルは今まで1撃すらも当てることがかなわない相手の実力が知れるチャンスに笑みをこぼした。


「師匠が旦那様に惚れるわけですね。私には少し刺激的過ぎますが……」

 コーシェルは深呼吸をしてから。

「師匠は右側で、私は左側を行きます」


 ギラーフは力強いコーシェルの声でやっと心が成長した事に気が付いたようだ。聞き間違いかと思って俺の方を見てくるので、俺は頷いてやる。


「よし、作戦が決まったな。みんなは2人の邪魔にならないように離れて戦ってくれよ」



 そして目隠しでの実戦が始まる。





「久しぶりの次回予告ニャ~、でも目隠ししていたらカンニングペーパーが見えないニャ」


 リズさん……それが出来たら『透視』だ。

 今しているのは『気配』『音』『空気の流れ』『におい』から判断して戦うことだ。誰も『透視』はできん。


 そして気になったのは、今までの次回予告に『カンニングペーパー』があったのか……。


「2人が対決するニャ」

 ニュアンスが違うような……。直接じゃないよ?

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