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迷宮踏破の前に。(挿絵有り)  作者: サーモン
第1章 奴隷少女を購入します。
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モンスターをテイム

 資金を貯めて、やっとの思いで転職の儀を終えた直後。

 突然頭の中に何日かぶりに、あのソプラノボイスでアナウンスが流れる。

【ステータスを割り振って下さい】

 勝手に暴走して話が進んだり、選択肢が実は一択とか、ひどい扱いを受けてきたけど、こういう形式的な悪意のないお知らせメッセージなら大歓迎だ。

 心の中でソプラノ女性に感謝する。

 ありがとう。

 モンスターの友を極振り。(一〇→二五)


――――――――――


 さっそくモンスターをテイムするために、町の外へ出かける。

 出会うスライム一体一体と睨めっこをして、仲間になりそうか、注意深く観察した。

 しかし、一向にピンッとくる奴がいない。

 草原に向かう途中でテイムが出来なかったスライムに木刀で斬りかかると、一撃で倒す事に成功した。

 レベルはリセットされてしまったが、基礎能力が三から五に変更されたため、下位職の〈村人〉よりも初級職の〈獣使い〉の方が強いようだ。

 目的地に到着するまでに一〇体と遭遇したが、やはり相性の良さそうなスライムはいなかった。

 不思議に思い、ステータスを表示させて転職の儀がきちんと行われていたのか確認する。

〈獣使い〉になって……。

 そして俺は重大な事に気が付く、まだレベルが二だった!

 二体目をテイムするためには、レベルが四以上必要。

 システム的に無理だったからテイムチャンスがなかっただけかもしれない。

 スライムを倒(玉拾いを)してレベルを上げながら、ゲーム時のテイム方法を確認する。


 一:餌付け→モンスターの気持ちをゲットする。

 二:戦闘→力を見せ付ける。

 三:テイムイベント戦闘→発生すると戦闘終了後に完全復活した状態でテイムが成功する。


 ただ、この世界で三は起こらないかもしれない……。

 テイムイベント戦闘時はゲーム画面の枠が点滅していた。リアルになっているのに、これを再現しようとすると目がチカチカする。だから、代わりのテイム方法が存在するのかもしれない。


――――――――――


 ついにレベルが四になった。


 初戦の相手はレッドスライム。昼間だというのに、どういうわけか体の周りが点滅を繰り返している。まさかこれがテイムイベント戦闘?

 画面の点滅→モンスターの点滅に仕様変更?

 俺が初めての現象に戸惑っていると、何も知らないパンダ様がスライムに近づき、カキーンッと一振り。

【テイムイベント戦闘から離脱しました】

 待て! 悪意のあるアナウンス!

 離脱してない!

 モンスター側から見たら距離をとったように見えたかもしれないが、さすがにこれは納得いかない!


 それとパンダ……、スライムが飛んだ方向を見て満足しているようだが、覚えてろよ……。

 代わりができたら、売るからな……。

 罠っぽいが、今回のは単純にパンダが悪い……。

 それでも、テイムイベント戦闘が起こる事と距離が離れると離脱する事は理解できた。

 対空戦や空中戦の時はシビアな条件になりそうだ。


 ステータスでモンスターを確認しながら、餌付けをするモンスターを探す。

 素質を見ながら選んでいるが『良い』以上のスライムが全然見つからない。

 そんな時、紫色のスライムを発見した……。

 変異種(レア)か? ゲームには毒々しいのがいたけど、こんな最初の町には出なかったはずだ。


――――ステータス――――

 名前 ブルースライム

 性別 ♀

 素質 良い

 レベル 三


 HP 八/二〇

 MP 〇/〇

 SP 〇/〇


 筋力 七

 体力 -一

 素早さ -一

 かしこさ 五

――――――――――

 状態異常

・妊娠

――――――――――


 この世界の妊娠は、状態異常扱いなんだな……。

 ゲームじゃさすがにそういう類いのモンスターとは出会わなかった。

 さすがリアル世界。


 そもそもスライムってどうやって産むんだ?

 また呑気に考え事をしていると、パンダ様がお構い無しで倒しに行く。

「待て!」

 振りかぶった体勢でピタッと止まった。

 スライムは我が身を守るために、逃げようとするが、妊娠して、足が遅くなり、体力も減っていて、うまく動けないようだ。

 俺は逃げる方向に先回りをしてしゃがむ。

「怖がらせて悪かったな……」

 餌付け、餌付け。この場合は〈薬草〉か?

 試しにスライムの目の前に〈薬草〉を置く。

 クンクンッと一瞬匂いを嗅ぐ動作を挟んでから食べ始めた。

 お~、食べてる、食べてる。ムシャムシャと牛が牧草を食べているようだ。

 でも、スライムって透けているから食べた〈薬草〉が見える……。

 ちょっとグロい……。

〈薬草〉が体内に取り込まれると、綺麗さっぱり見えなくなった。

 手を差し伸べると、スライムが懐いたようで、手を舐めてくる。

【ブルースライム(レベル三)が仲間になりました】

【称号:スライムの友(衝撃耐性(小))を取得しました】

※称号はその種類のモンスターをテイムした場合に取得します。また関連するモンスターの能力が上昇する。


 HPが回復したのか気になって、もう一度ステータスを確認すると、妊娠(あと一日と六時間)となっていた。

 なるほど、仲間になると詳細が表示されるようになるのか。これは新しい発見だな。


 そんな感じで二体を引き連れてレベル上げをしながら町に戻る……。

・テイムモンスターの印→五〇〇モールで購入。

 スライムの頭に鉢巻きみたいに付けた。

 嬉しそうに俺の周りをぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。

 そのままスライムを連れて町の中を歩いたが、この世界では変色スライムを知っているようで、特に物珍しそうに見る人はいなかった。

 武器屋で鉄のキバ(攻撃力+一五)→二〇〇〇モールで購入。


――――――――――


 そして気になる宿泊費は!

「一一〇〇モールになります」

 なぜだ! いや、高くなったわけじゃないからいいんだけど、スライムの宿泊代は〇モールか? これはこれで可哀想だぞ。

「内訳をお願いします」

 気になったので、聞いてみた。

「お一人様で三〇〇モール、パンダ様が八〇〇モール、スライムは水がエサになりますのでエサ代が無料、そしてサイズが小さいので、パンダ様と一緒の宿舎になります。なお、スライム単品ですと宿舎代に一〇〇モールが発生します」

 なるほど、スライムって燃費がいいな。そして当然のパンダ様……。この受付――パンダが好きだろ。

――――ステータス――――

 名前 緑野赤

 種族 人間

 性別 男

 素質 天才

 クラス 獣使い

 レベル 五


 HP 九〇/九〇

 MP 〇/〇

 SP 一〇〇/一三〇(テイムが成功するとSPを消費。消費量は相手のレベル×一〇。足りない場合はテイムできません)


 筋力 五

 体力 五

 素早さ 五

 かしこさ 五

 モンスターの友 四五


 残りポイント 〇

――――――――――

 クラス特性

・モンスターをテイムできる。

・獣系のモンスターのテイム確率上昇、また獣系のモンスターの能力上昇(上昇率はレベル依存)。

――――――――――

 称号

・スライムの友(衝撃耐性(小))

――――――――――

 装備 ※武器/盾/服/アクセサリー

・木刀/木の盾/村人の服/なし

――――――――――

 所持金

・八五四〇モール

――――――――――

 テイムモンスター ※名前(性別/素質/レベル)

・パンダ(♂/良い/一二)

 武器:竹

・ブルースライム(♀/良い/三)

 武器:鉄のキバ

――――――――――

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