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迷宮踏破の前に。(挿絵有り)  作者: サーモン
第3章 みんなの装備を作ります。
41/171

迷宮化(当日)

 逃げ遅れた住民はドラゴンが迷宮前に現れたため、丘側に逃げ出した。


 家族が丘の上でお祭りに参加しているのは皆が知っている。


 俺たちは逃げてくる住民を避けながら進んだ。


「俺の仲間の情報では丘への入口ならモンスターを進軍させてもいいそうです。無理そうなら誘導しちゃって下さい」

「あいよ」


「そして丘の斜面は絶対に入らないで欲しいそうです」

「なんだそれ」



 俺たちが町に着いて、最初に見た光景はドラゴンの蹂躙をかいくぐった。モンスターの小隊だった。

 10体ぐらいだろうか?


「あれは低階層のモンスターだ。俺たちが相手をしよう」

 一緒に走ってきた住民に任せることにした。


 迷宮からは今もドンドンモンスターが沸いてくる。




 俺は出発直前にエヴァールボから町に設置した仕掛けのメモ紙を受け取っていた。




 そのエヴァールボは現在、丘の上で仕掛けの最終調整中だ。 結局あの入口のレールはいったい何に使うんだろう?



 俺たちのパーティ構成は。


 俺、リズ、ギラーフ、モズラ、ビエリアル、コーシェル(ゴーレムちゃんの主人)。


 他は丘の上に残ってもらった。


 え~っと、メモによると『1:迷宮の前の広場から壁を作り、丘の方へ進むモンスターと迷宮都市へ進むモンスターに分かれるようにしています』


 いつの間に壁なんて設置していたんだ? そういえば、50分ぐらい前にフラッといなくなっていたような……?


『2:石柱君が分かれ道に向かって槍を投げています』 さっきから轟音がしているあれか……? あの柱の腕でそもそもどうやって槍を掴んでいるんだ?


『3:ここからは手動でお願いします。迷宮都市に向かう道に急行して、途中で壁の内側に火炎瓶を投げて下さい』


「とりあえず、町を迂回して迷宮都市側の出口に行くぞ、途中モズラは壁の向こうに火炎瓶を投げてくれ」

「わかりました」


 走っている途中、モズラが火炎瓶を壁の向こう側に投げる。


 次の瞬間……。 爆発が起こった……。 え? 火炎瓶ってそこまでの火力はないぞ?


『4:うらへ』


 紙を裏返す。


『火炎瓶が火の魔石に引火すると爆発します。テヘ』


 オイ! エヴァールボ、危険な物を設置しやがって。 しかもキャラまで変わっているぞ。


『5:まだ続くよ。怒らないでね。迷宮都市側の出口に到着したら続きを読んでね。先に読んだらダメだよ』


「とにかく、急ごう。モンスターが逃げる前になんとか抑えるぞ」


 到着する前に読むと『読んだらダメって書いたのに……』


 なんとなく、そんな気がしていたよ。 テンプレって大事だよな……。





 到着すると、左右の壁に加えて通路にも1枚だけ腰ぐらいの高さの壁が設置されていた。


『そこに置いてある綱を引いて。モンスターが来たら手を離してね』


「この綱を引っ張って、モンスターが来たら離せばいいらしいぞ」


 通路側の低い壁の向こうにはレールがあった。 これは丘の上にもあったな。この仕掛けのためだったのか……。


 低い壁の向こうには車があって、綱を引いて離すと、バネの力で車が撃ち出されるようだ。


 そして車の前面には槍が何本も装着されていて、敵を串刺しにするっぽい。


 よくこんなの短時間で作ったな……。



 パンダ様が綱引きをする。モンスターが来る。手を離す。モンスターが串刺しになる。あっさり鉱石になる。




 これめっちゃ楽じゃね?




 丘側の出口にも設置しておけよ!


『追伸、丘側の出口に設置しなかったのは人が出入りしてバレるからだよ』


 たしかに……。


『そういえば、槍は20回ぐらいで壊れちゃうから、あとはがんばって下さい』


 やっぱり戦わないとダメなのか……。


 仕掛けだけで、サボれるかと思ったのに……。どうせ俺は前衛でも後衛でもないんだけど……。




 この紙……。会話が成立したな……。




『会話は成立しないよ。気のせいだからね。石柱君は投げる槍がなくなったら、そちらに行くように言ってあるから。この紙はもう燃やしていいよ』




 ……。




 …………。




 エヴァールボのせいで、緊張感がなくなってしまった……。



「よし、あと10回ほどで車の槍がダメになるそうだから、戦闘準備。モズラは向こうに火炎瓶を投げてくれ。火の魔石に引火したら爆発するはずだ」



 石柱君の主人は一応ウーリーなんだけどな……。



 囲まれずに1箇所からモンスターが出てくるのはとても助かる……。



 火炎瓶は2回ほど魔石に引火した。


 せっかくの仕掛けを使わない手はないんだよな……。 手で投げるから限界があるのか……。



「モズラ、紐って錬金できるか」

「糸がないので、できません。木の枝を(つる)のようにならできますが……」


「それで構わない。3本ほど用意してくれ」

「わかりました」


 (つる)が完成する前に車の槍がダメになったようだ。


「パンダ様、その車と通路の壁をこちらに退()かしてくれ、戦闘は連続で行われるので、休憩のタイミングが難しい。5分交代ぐらいで3班に分かれて戦おう」



 1番:リズ、ゴーレム先生、大サソリさん、ハムスター君、スライム軍団。


 2番:ギラーフ、モズラ、ゴーレムちゃん、アリ君。


 3番:パンダ様、オーガ君、オーガさん。




「んじゃ新魔法いくニャ~」


 新魔法? なにそれ?


 風魔法に火魔法を合わせて火の竜巻を作るようだ。


 ただ、縦方向に伸びる竜巻じゃなくて、横方向に伸びていく竜巻だった。

 竜巻は通路をすごい速度で進んでいく……。


「初めてやったけど、成功したニャ~」


 なんで、リズさんは新魔法を試し撃ちしているんだ?


「ご主人様褒めて下さい。通路のモンスターを全部倒しました」


 この子はどこまで成長するのだろうか……。


「よくやった」

 一応頭をなでておく。


「はいニャ~」


 こんなにすごいことをしたのに、頭をなでるだけでいいとは、欲がない子だ。





 あれから何分経っただろうか……。



「石柱君が来たか、モズラは(つる)と火炎瓶をくれ」


 俺は車に装着されている槍を外して、槍の穂先部分に火炎瓶を(つる)で結びつけた。 ゲーム時代では絶対にできない行為だ。


「石柱君は向こうの方にこれを投げてくれ。俺の予想ではモンスターがたまりそうなところに魔石が設置されている」


 やっぱり大爆発が起こった。 エヴァールボさん……、知らないでリズが火魔法を打ったら、死んでいるぞ?


 今の爆発でモンスターの大半がやられて、モンスターの波が一旦途切れる。


「石柱君、俺を持ち上げてくれ」

 石柱君に持ち上げてもらい、壁の向こうを見ることにした。


 どうやら、あの男は巨大なモンスターを中心に倒しているようだ。


 しかもレベル45の岩モンスターを紙のように斬りやがった……。俺の姿に気が付いて手招きをされても、モンスターがまだ多くて行けないのだが……。


 俺たちならあの岩モンスターだけで、全滅しているかもしれないな……。


「こちら側に向かっているモンスターはおよそ100体だ。3番を先頭にして通路を進むぞ」

 横に並べるのが3人なので、3番だと前衛がキレイに並べた。



 あの岩モンスターを倒してからモンスターが出てこなくなったな。今回のボスだったようだ。


 あの男は迷宮前で休憩している。近づいてきたモンスターを一撃で倒しているから、モンスターが遠巻きに見ている。


 ドラゴンは火を噴いているな。 引火しなかったのか?




 通路にモンスターがたまったら、リズの新魔法を打って、また3番で進軍を繰り返すと、20分ほどで迷宮前にたどり着けた。


「さすがの僕も疲れたよ~。ちょっと休憩中。ボスは倒したから10日は安心していいと思うよ」


 ボスを紙のように斬った人間が何を疲れるのだろうか……?


「お疲れさん。丘の方も大丈夫だったようだな」


「丘の方に避難していたから、モンスターを迷宮都市側に流していたんだよね」



 ……。



 …………。



 だからモンスターが多かったのか? 仕掛けと壁がなかったら、5分とかからず、死んでいたんだが……。


「ドラゴンが火を吹いたら、爆発が起こってビックリしたよ」

「俺たちの仲間が火の魔石を町に設置したらしくてな。大丈夫だったか」


「ダメージはなかったから平気。休憩もしたし、俺は目的の物をとってくるよ。今度会った時は戦おうか」


 立ち上がりながら、とんでもないこと言うなよ。


「勝てないからやめておくよ」


 迷宮に向かいながら返事が返ってくる。


「残念。気が向いたらよろしく~」

 こんな殺し屋に狙われたら、一瞬で死ぬのだが……。ノリが軽すぎる……。




 男が迷宮に入りかける時に思い出したよう振り向いた。

「言い忘れるところだった。君が匿っている隣の国の姫の件だが、もうすぐ本格的にクーデターが起こるから10日以内には家に帰れよ」


 男は不穏な発言をして迷宮に入って行った……。


 え~っと 匿っているつもりはなかったけど、おそらくあの人だよな……。 姫だったのか……。

 武器欄の( )内は元の装備です。炭鉱迷宮のための一時武器を使用中。

――――ステータス――――

 名前 緑野赤

 種族 人間

 性別 男

 素質 天才

 クラス 獣使い(村人)

 レベル 19(1)


 HP 230/230(+10)

 MP 0/0(+10)

 SP 410/410(+10)


 筋力 5(+12)

 体力 5(+3)

 素早さ 5(+6)

 かしこさ 5(+3)

 モンスターの友 115(+5)


 残りポイント 0

――――――――――

 クラス特性

・モンスターをテイムできる。

・獣系のモンスターのテイム確率上昇、また獣系のモンスターの能力上昇(上昇率はレベル依存)。

――――――――――

 称号(耐性、能力上昇、地形効果、感知の順)

・スライムの友達(衝撃耐性(小))

・ゴーレムの友(物理耐性(中))

・フェアリーの友(火耐性(小))

・魔法使いの友(魔法耐性上昇(小))

・マンドレイクの友(幻惑耐性)

・キノコの友(毒耐性(小))

・コウモリの友(超音波耐性(小))

・オークの友(筋力上昇(小))

・オーガの友(筋力上昇(中))

・ゴブリンの友(パーティ戦能力上昇(小))

・エスカルゴの友(雨天能力上昇(小))

・ハムスターの友(夜間能力上昇(小))

・大サソリの友(砂漠能力上昇(中))

・貝の友(水中能力上昇(小))

・柱の友(不動能力上昇(小))

・アントの友(縄張り感知(小))

 取得順

・ネコ族の友(暗闇耐性)

・リス族の友(素早さ上昇)

・ヒツジ族の友(睡眠耐性)

・レッサーパンダ族の友(食肉目)

・ハリネズミ族の友(危険感知)

・人間の友(身体能力上昇(小))

・ユニコーンの友(神聖耐性上昇(中))

・オオカミの友(個人戦能力上昇(中))

・オオカミの友達(パーティ戦能力上昇(中))

――――――――――

 装備 ※武器/盾/服/アクセサリー

・鉄の大剣(鋼鉄のレイピア)/丸鉄の盾/軽装の鎧/なし

――――――――――

 所持金

・3万4395モール

――――――――――

 テイムモンスター ※名前(性別/素質/レベル)

・パンダ(♂/良い/20)

 武器:鉄竹槍(攻撃力+30)

・ジャイアントサソリ(♀/良い/16)

 武器:銅球(攻撃力+50)

・オーガ(♂/普通/18)

 武器:ハンマー(鋼の斧(攻撃力+35))

――――――――――



――――――――――

 奴隷 ※名前(種族/性別/素質/クラス/レベル)

 テイムモンスター ※名前(性別/素質/レベル)

☆リズール(ネコ族(ラグドール種)/♀/普通/魔法使い/17)

 魔導の杖/なし/軽装の鎧/お守りのリボン

・ゴーレム(♂/普通/18)

 武器:なし

・ブルースライム(♀/良い/18)

 武器:鉄のキバ(攻撃力+15)

 従属:ミニスライム(子供)×8匹


☆ギラーフ(リス族(シマリス種)/♀/普通/盗賊/16)

 鉄の大剣(忍刀)/丸鉄の盾/軽装の鎧/なし

・石アント(♂/普通/10)

 武器:なし


☆モズラ(ヒツジ族(サウスダウン種)/♀/普通/錬金術師/16)

 自動装填ハンドボウ(SP使用)/なし/軽装の鎧/なし


☆ビエリアル(レッサーパンダ族(レッサーパンダ種)/♀/普通/聖職者/17)

 聖導の杖/なし/軽装の鎧/なし

・オーガ(♀/普通/16)

 武器:ハンマー(金棒(攻撃力+12))

・ハムスター(♂/普通/16)

 武器:鉄のキバ(攻撃力+15)


☆エヴァールボ(ハリネズミ族(パイド種)/♀/大器晩成/鍛冶師(ハリネズミ)/10(10))

 鉄の大剣(鋼の剣)/鋼の盾/鉄の鎧/なし

――――――――――



――――――――――

 同居人

☆ミーナ(人間/女/良い/村人/10)

 短剣/木の盾/皮の服/なし


☆エリス(人間/女/普通/村人/10)

 短剣/木の盾/皮の服/なし


☆アンジェ(人間/女/普通/料理人/8)

 鉄の包丁/丸鉄の盾/軽装の鎧/なし

・魔法使い(土)(♀/普通/10)

 武器:鉄のステッキ


☆フローラ(ユニコーン族/♀/普通/神聖術師(ユニコーン)/8(11))

 鉄のステッキ/なし/軽装の鎧/なし


☆キーリア(サル族(リスザル種)/♀/普通/村人/10)

 短剣/木の盾/皮の服/なし

・フェアリー(♀/普通/10)

 武器:鉄のステッキ


☆リアラ(オオカミ族(ツンドラオオカミ種)/♀/普通/氷結術師(ツンドラオオカミ)/8(11))

 鉄のステッキ/なし/軽装の鎧/なし


☆ナイラ(オオカミ族(ツンドラオオカミ種)/♀/普通/氷狼(ツンドラオオカミ)/8(11))

 鉄の剣と鉄のナイフ×10本/丸鉄の盾/軽装の鎧/なし


☆ウーリー(ウサギ族(ホーランド・ロップ種)/♀/普通/村人/7)

 短剣/木の盾/皮の服/なし

・石柱(♂/普通/12)

 武器:なし


☆コーシェル(タヌキ族(エゾタヌキ種)/♀/普通/村人/9)

 短剣/木の盾/皮の服/なし

・ゴーレム(♀/普通/9)

 武器:鉄のメリケンサック(攻撃力+25)

 防具:銅板の鎧

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