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迷宮踏破の前に。(挿絵有り)  作者: サーモン
第1章 奴隷少女を購入します。
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モンスター購入

 ドジッ子メイドことアリスと苦闘の末、別れる事に成功した。

 生きて別れればいつか再び会える日が来るだろう。

 もし売る事が叶わなかった場合は野山に捨てるか、ダンジョンに一人で潜らせて、使い潰す事も考えた。

 それを思えば、勝手ながら、双方に利益があると言えよう。

 メイドはいい子でした。早く忘れよう。


 そのままモンスター屋で、代わりのモンスターを購入する。

 売るまでは気が付かなかったが、アリスが連れていかれた事で、奥に人がたくさんいることがわかった。

 これは一人がテイム出来る上限が決まっているからだ。レベル一〇〇なら一〇体連れて歩けるからいいが、そんな人がここで働くわけがない。精々レベル九止まり。一人が三体ずつ所持して買いたい人が来たら、その人が店の入口まで来て売る。檻に入れているのかと思ったが、使役をしている方が静かで商品が暴れないから傷が付かなくていいのかもしれない。人件費が凄そうだが、それだけ需要があるのか?


 他の人がテイムしたり、育成させたモンスターを、使役出来るかどうかはレベルとモンスターの友の数値に依存する。

 俺のレベルは三、モンスターの友を極振りで上げた現在の数値が二三。

 ただし、クラスが〈村人〉だと使役にマイナス補正が付くため、モンスターの友は一〇引いた一三で換算。

 現在のレベル()モンスターの友(一三)の合計が使役できるモンスターのレベル上限となる。俺の場合はは一六まで。

 現在買えるモンスターのリスト。

※名前(性別/素質/レベル)

 一:レッドスライム(♂/普通/二)

 二:ブルースライム(♂/普通/三)

 三:グリーンスライム(♂/普通/二)

 四:パンダ(♂/良い/四)

 五:パンダ(♂/悪い/六)

 六:フェアリー(♂/普通/三)

 七:オーク(♂/普通/三)

 八:オーガ(♂/普通/二)

※基本♂しか売っていません。♀は繁殖用。


 これ以上だと今度は所持金の二万モールで買えなくなるという。


 パンダっていつからモンスターになったんだ? 

 毛皮がふかふかしてて最高だけど……。


 四:パンダ(♂/良い/四)→二万モールで購入。

・テイムモンスターの印→五〇〇モールで購入。

※テイムモンスターの印:町ではモンスターと間違えて攻撃されるので、必ず目立つところに装着させましょう。必須です。


 雑貨屋でスライムのかけら×五〇個→五〇〇モールで売却。


 武器屋で竹(攻撃力+一〇)→一〇〇〇モールで購入。


 残り二五〇モール。

 二万モールもあったのに……。



――――ステータス――――

 名前 パンダ

 性別 ♂

 素質 良い

 クラス パンダ

 レベル 四


 HP 六八/六八

 MP 〇/〇

 SP 〇/〇


 筋力 二〇

 体力 一五

 素早さ 七

 かしこさ 五

――――――――――

 武器:竹

 テイムモンスターの印(右足首に装着)

――――――――――


 さっそく町の外でパンダの実力を見ようと思う。

 武器屋から出て、来た道を戻る。俺の後ろからテイムモンスターであるパンダが二足歩行で右手に竹を握って、のそのそ歩いてきた。

 倍とは言わないが、二メートル級のパンダが背後に立つだけで、狙われている気分になる。

 こんな巨体ばかり、増えてきたらどうしよう。

 慣れるまできつそうだ。


 町の中の人のステータスをチェックしてみても、高い人でレベルは一〇に到達していない。使役できても三体がいいところのようだ。

 モンスター屋の職員は比較的高い人員で構成されていたのかもしれない。

 主人のレベルを上げるついでに、モンスター屋でモンスターのレベルも上げて、売却価格を底上げしているのか?

 道行く人の中には三体モンスターを従えているベテランっぽい戦士がいたが、パンダを使役している人は、いない……。

 なぜだ? モンスター屋では普通に売ってたぞ?


 町を出て草原へ。

 見晴らしのいい広場で三六〇度警戒していると、バカなスライムが一体現れた。

「さぁ、行け。パンダ! 思う存分やっちゃってくれ!」

 スライムがパンダ目掛けてジャンプの体当たりをしてくる。

 絶好のスライム(ボール)


 カキーン!


 フルスイングが炸裂。スライムはグニャッと、その姿を変形させて飛んでいく。

 竹持ちパンダの無双半端ねー!!!!

 場外ホームラーン!!!


 ……。


 …………。


 モンスターを倒した時のドロップアイテム場所が、モンスターの落下地点……。

 どうやら動いている最中には消滅はしないのか、もしくは地面から離れ過ぎていると消滅できないようだ。


 結論:パンダも使えない! これも実は罠か!!


 その日、パンダのおかげで、経験値をたくさん稼ぐ事が出来た。しかし、せっかく倒したモンスターはどこか遠くに飛んでしまい、索敵しながら、何分前に倒したのかわからないドロップアイテムを回収するという、よくわからない新しい戦闘スタイルとなる。

 ゲームであれば戦闘が終了したらドロップアイテムが手に入るのに……。

 これがリアル版の恐ろしさか……。


 それに体を使って歩くとやはり疲れる。

 まだ明るいが仕方なく町に撤収した。


 今日はもう町で宿屋に泊まろう。

 テイムモンスターは宿舎に預けてエサ代込みで八〇〇モール。スライム一体で素材の売却込みで一五モールですよ?

「高くない?」

「パンダのエサ代は高級ですので……」

 受付嬢が申し訳なさそうに謝ってくる。

「すみません。すみません」

 でた! またまたパンダの罠! 町でパンダを使役している人がいなかったのはホームランとエサ代!

 もう落とし穴がない事を(せつ)に願うばかり。

「一泊いくらになりますか?」

 別の宿にしたくても、この町には宿屋が一軒しかなく、独占状態だ。日本の感覚でごねて、泊まれなくなるともっと困るので諦めた。

「お一人様と……パンダ様で合計一一〇〇モールになります。夕食は日没二時間前から食べられます。朝食は日の出の二時間後から食べられます」

 食事込みの宿泊費が三〇〇モールですか? 異世界はまだまだ二食が基本か……。というか今何気にパンダに様付けたよね?

「体を拭くお湯はサービスさせて頂きます♪」

 絶対パンダのエサ代で儲けているだろ! 頂きます♪ニコ。じゃねえええええ!


 たくさんモンスターを倒したはずが、回収できずに宿屋に泊まるお金でギリギリになってしまった……。

「ところで、お客様は冒険者様ですか?」

 戦闘で稼いだお金で生活する人の総称が『冒険者』だろうか?

「一応〈モンスターテイマー〉を目指してます。冒険者といえば冒険者です」

「宿泊費を五泊分無料にしますので、依頼したいことがあるのですが……」

 お? まさかのパンダで依頼フラグがたったのか? 宿泊費の合計が一〇〇〇モールを超えたせいかな? って……。なんか悲しい……。


「西の森の手前に生息するジャイアントブルースライムがおいしい〈スライムの(みず)(にく)〉をドロップするのです」

 西の森といえば、スタート地点でメイドが寝ていた辺りだな……。こんな近場に巨大なスライムなんて出たのか?

「わかった。五泊分無料だな!」

――――ステータス――――

 名前 緑野赤

 種族 人間

 性別 男

 素質 天才

 クラス 村人

 レベル 七


 HP 五〇/五〇

 MP 一〇/一〇

 SP 三〇/三〇


 筋力 三

 体力 三

 素早さ 三

 かしこさ 三

 モンスターの友 四三


 残りポイント 〇

――――――――――

 装備 ※武器/盾/服/アクセサリー

・木刀/木の盾/村人の服/なし

――――――――――

 所持金

・七〇モール

――――――――――

 テイムモンスター ※名前(性別/素質/レベル)

・パンダ(♂/良い/七)

 武器:竹

――――――――――

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