七話
「なぜ我がこんな目にあうのだ!!
説明を要求する!!」
「ミスって…どういうことだ?」
「ミスとは?」
「ミスって何かな?」
「クハハ…」
間さんはコレの目の前でカッターをチラつかせている。
これが人の本性という奴か!!
などとは思わない。
いや、教室でもこんな感じだから。
前、いじめがあったりしたんだが…
次の日にいじめていた奴らが登校拒否した。
それからずっと学校に来ていない。
何があったかは…
言わないほうがいいだろう。
ちなみに今はそいつら全員家庭事情で転校することになった。
あくまで家庭事情で…だ。
大事なのでもう一度言っておこう。
家庭事情で転校した。
「クハハ…
その…ええと…とりあえず話すから放してもらえないだろうか?」
「……まあ、いいか」
「ちゃんと話すのであれば…」
「…」
全員解放した。
「ふむ…それでは…ごほん。
まず、お前たちに謝っておこう。すまなかった。
本来、そこの二人…
神藤 宮と間 沙耶は異世界に勇者として召喚されるはずだったのだ」
「「「は?」」」
異世界召喚。しかも勇者とか…
神藤あたりにはピッタリな気がする。
「宮君はアウルム王国、沙耶ちゃんはジェイド帝国に勇者として召喚される予定であった。
しかし、偶然近くに居たせいと我が干渉しようとして失敗した性でこの場所に転移してしまった」
……………。
「俺、関係性ゼロ?」
「ああ、その通り。
と、言いたいところなのだが…
実は君も召喚される予定なのだ」
マジか…
なんでそんな面倒くさいことを…
「ちなみにいつ頃?」
「そこまでは分からんが…
今、召喚の準備をしているところではある」
「もうすぐじゃん!!」
「一応、準備には三日の月日がかかる。
まあ、今日がその三日目なのだが…」
「つまり、今日召喚されるのか」
「その通りである。
そこで君たち二人には今から行ってもらいたい」
「……」
「え~」
「頼む!!」
神藤は俯き、間さんは本当に嫌そうである。
「………ククク」
「「?」」
いきなり笑い出しやがったぞこいつ。
めっちゃくちゃ気持ち悪い。
「クハハハハハハ!!!!!
この俺にもってこいの舞台じゃないか!!!
いいだろう!!!
この神藤 宮様が異世界へと出向いてやる!!!!」