番外編1とある勇者のリア充な苦悩
これからのネタばれを含むかもしれません。
どうも、俺様の名前は神 聖。
読みは『じん ひじり』である。
俺は親友のある事件…『駆け落ち事件』とでも命名しておこう。
その駆け落ち事件でへこんでいた親友をうまく立ち直らせた日。
彼女との帰り道で急に異世界に召喚された。
そのときの俺の反応といえば…
「くぁwせdrftgyふじこlp!?」
焦りすぎて見苦しかった。
そしてその後からが問題だった。
なんか急に結婚しろとか言われた。
俺のいるサファイアとかいう国は昔から隣のジェイドという国と交友関係にあるらしい。
そのため『勇者同士で結婚させて交友を深めよう』的なことになり、サファイアは男の、ジェイドは女の勇者を召喚した。
その男のほうが俺様。
最初は「よっしゃーーーー!」とか内心喜んでいたけど、今思えば喜ぶ要素が少ない。
実際俺に権限は無く、あるのは禿親父(神様)から貰った水の力ぐらい。
対する向こうの女勇者様は光だとさ。
なんて主人公しているんだ。
俺の主人公要素は名前だけかよ…。
そんなこんなでいざ女勇者に会ってみるとあら、不思議。
駆け落ち事件で親友の片思いの間 沙耶ちゃんではありませんか。
一応、婚約者なので沙耶と呼び捨てにしているが、こんなところ親友に見つかったら…
死んだほうがマシだな。
てか、俺の彼女である雛に通報されかねない。
ああ、雛…
会いたいよ…
既に三ヶ月も経っているので彼女が恋しい。
別に沙耶が嫌だというわけではないんだけど、やっぱり雛が一番だ。
なんとかならないものだろうか?
そんなことを考えているうちにまた、あの王女がやってきた。
「あらあら。頭を抱えて…どうかなさいましたか?」
アイドル・サファイア。
髪、目の色は濃い青。ツインテールで…
雛にすごく似ています、はい。
「いやなんでもないよ、アイ」
愛称はアイ。
なんでも俺の妾候補らしい。
「なにかお辛いことがあれば私にいってくださいまし」
性格は穏やかで温厚。
雛とは全然違う。
「ああ、ありがとう」
「それで、今日も夜這いに参りました」
「そうか、帰ってくれ」
これはここに来てから毎日の作業だ。
最初こそ思考がショートして支離滅裂だったが、今では軽くいなせるようになった。
「あらあら。ここは私の家ですわ。おかしなことをおっしゃいますのね」
「言い方が悪かったな。自分の部屋に戻れ」
俺の童貞は雛に捧げるのだ。
「そうですか、ではここで寝ます」
「はあ…」
毎回とはいえ気が滅入る。
こうして俺は今日も椅子に座って寝るのであった。
とりあえずここまでです。
続きはまだ書いていないので、しばらく更新が止まります。
ご了承ください。