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25日目

 久々の日記である。いつもなら4,5日ごとにつけているこの日記がつけられなかったのは、私の怪我が原因である。次の目的地へ行く途中に大きな狼に襲われて、背中に大きな傷を負ったのだ。いつもなら獣にであったら、真っ先に逃げるか隠れるかするのだけど、今回は回避ができなかったと。


 狼は私だけではなくルシアンまで狙ってきたのだ。

狼が彼に飛びかかってきた時、私は無意識に彼をかばっていた。背中に走った焼けつくような痛みと、彼が私の名前を呼びながら自分の方に抱き寄せる感触を感じた瞬間、私の意識は途切れた。


 次に目が覚めたのは、どこかの村の民家にあるベッドの上だった。ルシアンが心配そうに私の顔を覗いていたのが見えた。

彼の話によると私の予想以上に傷は深かったらしく、急いで手当をした後、近くの村にいる医者の元へ連れて行ったそうだ。私は3日ほど意識がもどらず、目覚めるまで彼はずっと私のそばに付いていたらしい。そして彼は開口一番、私「目が覚めて本当によかったよ、私のせいでこんなことになって……、本当にごめん」と私に謝ってきた。謝らなきゃいけないのは、彼に心配をかけた私のほうなのに。そう思うと、私は涙が溢れてきた。

 彼は黙って、「心配をかけてごめん」と言いながら泣きじゃくる私の頭を撫でてくれた。

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