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元不良少年の陰キャだがいろいろあって陽キャ女子と仲良くなった件  作者: YoneR


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2 なんで今日もいるんだよっ

フラグ回収。

(うっ・・・)


 今日もいつものように喫茶スギに着いた。しかし、大きな問題がある。


(なんで今日もいるんだよっ!)


 そう、今日もいる。陽川紗季が。


 陽川の代金の不足を払ってあげた日、慶太(けいた)から連絡が来た。慶太とはアルバイトの店員である。フルネームは柴咲(しばさき)慶太。



『影島さん、今日は助かりました!ありがとうございました』

『もう、ほんとどうしようかと』


【どういたしまして】のスタンプ


『でも、どうして払ってあげたんですか?』


『なんかかわいそうになったから。あと一応クラスメイトだから』


『そうなんですか』

『あ、もしかしてああいう子がタイプなんですか?』


『は?』


『いえ、なんかずいぶんやさしかったなーって』


『いや、それだったら名前言ってるし連絡先も交換してただろ』


『あーたしかに』


『それに、お前らにおごったことも何回もあるだろ?』


『はい!またお願いします!』

『ちょっ、返事してくださいよ』


『ああ、分かったよ』


『あざーっす』


翌日


『影島さん、あの子また来てますよ』


『気に入ったんじゃないか?八杉さん若い客来ないの気にしてたから喜びそうだな。』


『でも、ずっときょろきょろしてますよ』

『影島さん探してるんじゃないですか?』


『まじで?』


『まじです』


『あー、今日はやめとく。来なくなったら教えて』


『えー、どうしてですか』


『俺だとばれたくない。面倒』


『わかりました』

『気が変わったら言ってください』


次の日


『今日も来てます』


さらに次の日


『今日もいますよ』


さらにさらに次の日


『います』


さらにさらにさらに次の日


『来てます』


さらにさr―――



 というわけでかれこれ一週間は経った。


 さすがにそろそろ諦めるだろうというのと、一人の時間が欲しくなったので(別に家でも部屋に入ったら一人だが、ここのほうが落ち着くから)、いったん家で私服に着替えてからここに来た。こうすればクラスメイトにばれるという最悪の事態は避けられる。


 そもそも陽川が自分に会いに来ている、というのが間違っているかもしれない。単純にカフェを気に入っただけかもしれない。きょろきょろしているのも慶太の勘違いかもしれない。


 そう思い来たのだが・・・


(はぁ・・・。まぁ、気にせず普通に過ごしていたらいいだろ。)



「あっ。」


 小さく呟いた後、店員の慶太が駆け寄ってきた。


「いらっしゃいませ。お席はお近くにしますか?それとも相席にしますか。」

「そんなの今までなかっただろ。できるだけ遠くで。・・・いやこれもおかしいな?空いてるテーブル席で。」

「・・・分かりました。」


 慶太は少し残念そうにしながらも、普段と同じように席に案内してくれた。


(なんで残念そうなんだよ・・・。まぁ、そういうお年頃ってやつ、か?)


 ちなみに隼人と慶太の年齢は同じである。


 案内された場所は店の一番端っこの二人用テーブル席。陽川が座っている席とは離れている。


 これで大丈夫だろう、と安心しきって久しぶりの安らぎの時間を堪能し始めた。



 しかしそううまくいかないのが世の常であって(?)。隼人がカフェに入ってから二十分ほどの時のことだ。


 陽川はお手洗いに行こうとしたのだろう。


 そしてお手洗いへの入り口は隼人が座った席の隣だ。


「ああ!!」

「!?」


 この時隼人は持ってきた本を読むことに集中していたので、突然大きな声を出されてビクッとなった。


 聞き覚えのある声だったので一瞬で誰か分かったが、ほんの僅かな可能性すがりつつ恐る恐る声の主を見た。


(・・・はぁ。)


 やはりそこには陽川がいた。こちらを指でさしている。


 きらきらと目を輝かせながら嬉しそうな表情をしており、明らかに待ち人が来た人の顔だった。こんな顔をされたらさすがに誰でも自分を待っていたのだとわかる。


「あのっ、この前はありがとうございました。本当に助かりました!」

「ああ、別に気にしなくていいよ。」

「あの時はどうしようかと・・・。」

「あー。」


 あの時もし自分がいなかったらどうなっていただろうか。


 お金がたまたまどこかに入っている可能性はゼロ。スマホの充電が切れているため電子マネーが使えないどころか誰かに連絡することもできない。


 店側としては、オーナーはおらず、アルバイトの慶太だけだったためにつけにしていいのか分からない。つまりできない。慶太が気を利かせて代わりに払ってあげるかもしれないが・・・おそらくないだろう。慶太はいいやつだが、そういうことは思いつかなさそうだ。


 そして、場所的に友人がたまたま来店することはほぼないと言っていいだろう。


(うん。本当にどうなっていかわからないな。)


「まぁ、次からは気を付けたほうがいいな。」

「はい。気を付けます。あの・・・お礼として今日のお代は私に払わせてください。」

「いや、本当に気にしなくていい。」

「でもそういうわけには・・・」


 陽川は本当に代金を払ってもらったことを気にしているようで、もはや懇願するかのようにこちらを見てくる。


 そのままじっと見つめられる。


(うっ・・・。これはおごられた方が良さそうか。)


 正直反則といっていいほどの表情で見つめられて、折れた。クラスの男子に見せたらいちころだろう。人間中身が大切だと言うが、やはり見目が整っているのは得だ。


「・・・じゃあ、お言葉に甘えて俺が払った130円分だけもらおうか。」

「いえ、全額払わせてください。」

「いやー、・・・じゃあ、ありがたく。」

「あと、相席させてください。」

「ああ、いい――え?」

「ありがとうございます!ちょっとお手洗い行ってから移動して来ますね。」


(は?え?相席・・・?)


 思わぬ提案に勢いのまま承諾してしまった隼人は、意味が分からずしばらく固まることになったのだった。

次回更新は2月28日予定です。

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