羅那の部屋でゲーム三昧!
あのお披露目パーティーから数日後。
今、サナは羅那の住むタワーマンションにやってきていた。
「こ、こんにちは……今日で二度目まして、かな?」
相変わらず、フェミニンな服でやってきたサナに、羅那はいつも以上に嬉しそうな笑みで出迎える。
「いらっしゃい、サナ。さあ、入って。準備は済ませてるから」
いつもはコレクション部屋に置いているゲーム機を、リビングにセットしてくれていたようだ。
「わあ、こ、このリビングの大きな画面でゲームするんだね……」
「うん、そういうこと。迫力あると思うよ。RPGもいろいろ出してきたし。まあ、大抵のものはあると思うけど……」
「羅那くんとゲームするの楽しみ! 私はね、乙女ゲー持ってきたんだ。クリアしてないサバイバルゲームをやるのもいいかなと思って、セーブデータと一緒に持ってきました!!」
「おお、やる気だね!」
ふふっと笑いあって、リビングのソファーに並んで座る。
「で、どれからやろうか?」
「うわ、本当に何でもある……!! あっ!! ねえねえ、前に攻略本見てた、あのロボゲーやってみせてよ!!」
「ああ、あれね。いいよ。じゃあ、ちょっとだけ」
ダウンロード版らしく、電源を入れて、そのままプレイを始めた。
「アールって、羅那くんのニックネーム?」
「羅那の頭文字、ね。わかりやすいでしょ?」
コントローラーを手に、鮮やかな手つきで、目の前のロボをあっという間に倒してしまった。
はっきり言って、格好いい。
「す、すごい……惚れ直しちゃいそう……」
「ふふ、惚れ直して欲しいな……まだまだ僕のプレイ、こんなんじゃないし」
「えええ、マジ? じゃあ……あ、これ!! 私がクリア出来なかった、サバイバルゲームのソフト!! セーブデータあるから、試しにやってみて!!」
「どれどれ……」
ロボゲーから、サバイバルゲームにソフトを切り替え、プレイしてみる。
「……サナ、これ……最初からやり直した方がいいよ……いや、プレイできるけど、これは……弾丸使いまくった?」
「あううう、難易度下げてるのに、全然、クリアできなくって……」
見ただけで、サナが苦手なのが良く分かった。
「ここからでも出来るけど、どうする?」
「で、出来るなら、お願いします……」
「じゃあ、見ててね」
少ない弾丸と回復薬という、かなりの縛り状態。それでも羅那は、要所だけを見極め、ナイフだけで切り抜けていく。
「す、すごいよ……あそこ、難しくて進められなかったのに……!!」
「まあね……弾丸少なかったから、辛かったよ」
思わず羅那は苦笑を浮かべる。とは言いながらも、必要な武器や弾丸を集めて、それでボスを倒し、先へと進んでいくのは凄いというしかないだろう。
「あ……でも、他のソフトもしたいよね。そろそろ、この辺でこのゲームは終わりにしとこうか。アイテムも補充しといたから、先に進められると……」
「いや、また羅那くん家に来るので、見させてください!! あんなの無理!! ……でも、羅那くんがやってるのを見るのは、好き」
「ふふ、本当に苦手なんだね」
「アクション系はちょっと……RPGとかアドベンチャーとかなら、やれるんだけどね……飛んだり跳ねたり格闘系とかも、ちょっと苦手だよ……」
そういうサナにくすくすと羅那は笑ってしまう。
「じゃあ、次は何しようか?」
「あ、羅那くんのこのゲーム!! 羅那くんのセーブデータ見てみたい!! あ、私もクリアデータあるから、見せられるよ!!」
「了解。じゃあ、まずは僕の方から……はい、これ」
羅那は今度はRPGのゲームを起動させ、セーブデータを見せる。
「ひうっ!! な、なんなの、カンストしてるっ!! こんな凄いの見たの初めて!! しまった、私の方から見せればよかった……」
「全部のトロフィー取ろうとしたら、こうなっただけだよ。ほら、サナのも見せて?」
セーブデータを入れて、サナのプレイデータを読み込む。
「おっ……サナも頑張ってるじゃないか。メインメンバーはカンスト間近だよ」
「メインメンバーだけね。他は全然だもん。羅那くんのは、全キャラカンストだったじゃないーーむーーっ!!」
ズルいと言いたそうなサナを羅那は楽しそうに見つめて。
「でも、ステータス上げられるアイテムは、全部残してるんだね? 僕はすぐに使っちゃうけど」
「だって、なんか、勿体なくて……ほら、全メンバーをフル回復してくれるポーションも勿体なくて使ってないの」
「ええ、よく、このレベルで使わずに頑張ったね。ちょっとそこが驚きだよ……」
「な、何とかギリギリ、プリーストちゃんの回復魔法で立ち回りました!!」
そんな話をしていると、ぐうっと、二人のお腹が鳴った。
「……わあ、もうお昼過ぎてた」
「なんか作ろうか? 冷蔵庫、何かある? あるなら……おおお、流石は羅那くんの冷蔵庫。いっぱい食材入ってる……!!」
サナが立ち上がり、キッチンの冷蔵庫を確認した。
「んー、すぐ食べてすぐプレイしたいから、さくっとハンバーグナポリタンにしちゃいますか。ここにハンバーグの種もあるし」
「お、いいね。僕も手伝うよ?」
すぐに羅那もサナの側に寄って来る。
「たくさん食べるよね? 何人分、食べたい?」
「三人前かな」
「私は1・5人前にするね」
お湯を沸かして、スパゲティを茹でつつ、野菜を次々と切っていき、フライパンに入れて、じゅうじゅうと焼いていく。
「うわあ……いい匂い。この匂いだけで美味しいって感じるよ」
「ちょっと、まだ野菜を焼いただけだよ? ハンバーグも焼いていくからね。えいっ!!」
サナはフライパンを振るって、くるんとハンバーグを裏返す。
「おお……お見事!!」
それを見た羅那は思わず、拍手を送った。
と、なんだかんだと、手早くサナは美味しいスパゲティを作って見せた。
「んんん……美味しいっ!!」
「うん、量もいい感じで、ハンバーグも美味しいよ」
二人とも嬉しそうにスパゲティを平らげて、食べ終わった食器は、水につけておくことにした。
「さて、次はどのゲームにする?」
羅那が尋ねると。
「あっ!! こ、これっ!! すごろくみたいなの、やってみたい!!」
サナが興味を持ったのは、すごろくのようなテーブルゲームだ。
「やってみる? 僕もまだそんなにやったことないんだ」
「負けないからね!」
「僕だって」
ふふっと互いに笑って、二人でゲームをする。
思わず、ソファーに置いていたサナの白くて小さな手に羅那がその手を重ねた。
一瞬、二人とも画面を見るふりをして、息をのんだのは、ここだけの話。
二人のゲームな一日は、まだ、始まったばかり……。




