翔との答え合わせと力を抑えるために
羅那とサナは実家に戻ってきた。
「ただいま……」
と、羅那が声をかけると……ずかずかと翔がぶっ飛んできた。
「この、バカ息子!! なんだ、そのバカでかい魔力はっ!! 他の者が具合を悪くさせてるぞっ!!」
「あーやっぱり。じゃあ、父さん。昔みたいに魔力を抑える魔導具、作ってくれる? 僕が作るより、父さんの方が作るのが早いし精度も高いからね。それにしばらく、放出してるだろうし」
その羅那の言葉に翔は思わず、頭を抑えた。
「お前は…………で、件の剣は見つかったんだな?」
「魔双剣カルディトゥス、これがそうだよ」
翔に指摘されて、羅那はふわりと宙に浮かべて、その剣を見せた。
「んん? 呪われている剣だと聞いていたが……全く質が違うな。むしろ……魔力の塊ではないのか、これは?」
「魔力媒体……みたいなものだし……お陰で、第七の厄災は、たぶん大丈夫」
「大丈夫って……ああ、もう……まずは、その魔力をなんとかする。まあ、四つあれば抑えられるか」
翔はどこからともなく、魔導具の材料を魔法で呼び出し、あっという間に魔導具を生み出した。ブレスレットにアンクレットをそれぞれ二つ。それを生み出し、出来たばかりの魔道具を魔法を使って、羅那に装着させる。
とたんにあふれ出ていた羅那の魔力が、即座に抑えられるが……。
「まだ足りないだと? ……じゃあ、もう一つ追加だな」
「えっ……これくらいなら、これだけでも……あぐっ!?」
がちんと、頭部にサークレットが取り付けられた。
「これで、いつもの魔力に戻っただろう?」
「ううう……そうだけど、もう少し強さを味わってたかった……」
が、その前に聞きたいことがあったことを羅那は思い出した。
「ああそうだった。……ひとつ、確認したいことがあるんだ。父さん」
「確認したいこと?」
羅那の言葉に、翔は瞳を細める。
「今までの災厄って……妖魔の魔王がこの世界に来るってことであってる?」
「……!!」
「やっぱり……今日、喋る妖魔に会ったよ。少年の姿で人間の様だった」
「なんだと……厄災が来ないとそのランクの妖魔が出てくることはないのだが……やはり、今度の災厄はイレギュラーが多すぎる……」
翔の言葉に羅那も、思案している様子。
「そんなに違うものなの?」
「災厄の日にならないと、アイツらは来ない。なのに……今回は妖魔が出てくる回数も多いし、それに、喋る妖魔も出てきた……こんなのは今までにはなかった事だ。災厄が今回で最後だというのもあるのかもしれないな……」
「そうなんだ……後で災厄についての資料、見させてもらってもいいかな?」
「……お前、昔に見たんじゃないのか? 学んだはずだが?」
その言葉に羅那は、あっと呟いて、ぷいっと視線を外した。
「お前、サボったな?」
「あ、それと報告! ほら、前に所属不明の人工衛星があって、わからないって言ってたのあったよね?」
「……そういえば、そんなものも……ん? なんでそんな話……ま、まさか……!?」
「あれ、僕のものだから、気にしなくていいよ。というわけで、用件は終わったから、僕はサナと帰るね」
さっと、側で静かに話の様子を見守っていたサナの手を握って、にっこり羅那は笑みを浮かべる。
「おい待て!! まだ話は終わってな……くそ、さっさと帰りやがって……あのバカ息子め……」
いつになく逃げ足の速い羅那達を見送って、翔はちっと、舌打ちしたのだった。
「……よ、よかったの?」
「大丈夫。なにかあったら、また連絡来るだろうし……それよりも」
羅那はぎゅっとサナを抱きしめる。
「ああ、ずっとこうしていたいな……」
「は、恥ずかしいから、早く……その、帰ろ?」
駐車場で羅那とサナは、相変わらず、スキンシップを取っていた。
「わかった。僕のマンションで、ゆっくり話そうか」
楽しそうにかつ、嬉しそうな羅那は、サナを助手席に座らせながら、いつになく上機嫌に。
そう、なんというか、なにかしらの封印が解けたかのように、サナへと向ける想いをこれでもかと注ぐのであった。
今まで出来なかった分も取り戻すために……。




