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ミッドナイト・リィンカーネーション ~運命に選ばれた彼と恋をして世界が変わりました~  作者: 秋原かざや


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羅那の覚醒

 ふわりと、地面に降りたつ。

 その両手には、禍々しい剣……ではなく、蒼く輝く美しい二対の魔剣が握られていた。

「な……貴様……本当に、その剣を……!?」

 少年妖魔は、羅那を睨みつける。しかも着ていた服が切り裂かれていたはずなのに、それが全て綺麗に直されてもいた。

 先ほど受けた傷さえも、無かったことになっている。

「まあね。これ、もともと僕の物だしね」

「えっ……羅那くんの? その剣が……?」

 驚くサナに微笑みながら。

「そう、これは僕のだよ。それに……これを手に入れたことで、何もかも思い出したし、僕の力も安定している。もう負けない」

 そう告げて、少年妖魔に向き直る。

「逃げるなら今の内だよ、妖魔」

 ふふっと笑って、そして、敵意を向けた。ギンッと睨みつける。


「……ま、待て……貴様……その瞳は『魔王眼』……!?」


 その少年妖魔に羅那は首を傾げた。

「『魔王眼』? この僕の瞳が?」

「そうだよ、そのギラギラの眼は、魔王様のものだっ!! なんで、なんでお前が持ってるんだよ!!」

「うーん、なんでだろう? まあ、思い当たることはないわけではないけれど……」

 襲っている影を、クリスタルランサーから生み出したシールドで弾いた。

「なっ!? さっき、お前のシールドは役に立たなかっただろ!?」

「うん、そうだね。けど、物理なら防げるっぽいし……魔法でないシールドなら、いけるかなって。本当に上手くいったみたいだね」

 羅那はそういって、輝く瞳を細めた。

「サナにも、はいどうぞ」

 羅那はサナにもすぐに同じシールドを張ってやる。

「なっ……ボクを無視するなっ!!」

 キンと、再びの攻撃をシールドで防御して見せる。

「うん……腕試しにいいか。クリスタルランサー追加」

 ぶんと、漂わせるランサーの数を増やして。

「ライオット・レイザー!!」

 レーザーを放つ。

「そんなレーザーでボクは倒せな……えっ!?」

 避けられたら追尾なんて出来なかった。しかし、今は違う。ぎゅんとレーザーの角度が変わって、しっかりと少年妖魔を追尾していた。

「うわわわっ!!」

 何とか避けたものの、羅那はそれも織り込み済みなようだ。

「ホーミング効果……追加出来るみたいだ。なら、今度は」

 腰につけられた魔双剣を引き抜き、構えた。

「術式展開……シャドウ・イリュージョン」

 暗い背景に溶け込むように、その姿を消すと。

「ライトニング・スラッシュ」

 静かにその声が聞こえて、ざしゅっと少年妖魔の片腕が落ちた。

 ごとりと、腕が落ちる。

「うあああああああっ!!!」

 急いで少年妖魔は、操っていた影を自分の身を守る為に、それを体に纏わせていった。

「い、言っておくが……普通の攻撃ではこの影を斬ることはできないぞ!!」

「だろうね。なら、こうするよ。ダンシング・ソード・カルディトゥス!!」

 魔力を帯び、巨大剣になった二本の魔剣が、少年妖魔を包む影を軽く刻んだ。そのお陰で、守られていたはずの影から、少年妖魔の姿があらわになる。

「うあっ!! な、なにっ!?」」

「もう、勝負はついてるんだよ。わからない? 僕の力が君の力を上回っているってことに」

 そういって、羅那は剣のひとつを巨大な形そのままで、構える。

「これで終わりにするよ……ディサイド・スレイヤー!!」

「ぎやああああああ!!」

 しゅんと、いう小気味いい音を響かせ、少年妖魔の後ろに着地する。

 少年妖魔の胸が切り裂かれ、そして、その姿がだんだんとボロボロと崩れ落ちていく。勝敗は決まった。

 二本の魔剣を元の大きさに戻して、その手に戻すと、慣れた手つきで鞘へと納める。

「僕の勝ちだ」

 振り返り、少年妖魔を見下ろす。消えかけながらも、少年妖魔は声を出した。

「ボクを……倒していい気になるなよ……魔王様は俺よりも、もっと、もっと強い…………ぐあっ!!」

 そう告げて、妖魔は消え去る。

「魔王って、もしかして……災厄のこと?」

 その答えを知る者はここにはいない。と、ぱたぱたと近付く足音が聞こえる。

「サナ!!」

 抱き着いてくるサナをしっかり受け止めて、羅那は満面の笑みを浮かべた。

「サナは怪我はない?」

「うん、大丈夫! それよりも……すごいね、羅那くん!! 見違えるほど、強くなったね!!」

「サナが見つけてくれたお陰だよ。これでいつ災厄が来ても大丈夫になったよ。それに、たぶん暴走もしなくなったと思う」

「よかった、見つけることが出来て……」

 改めて、サナに触れようとして……羅那はその手を止めた。

「……あれ、羅那くん?」

「うーん、ちょっと問題あるかも……一度、帰ろうか。実家に」

 羅那に促されて、二人は黒のランボルギーニに乗って、浅樹家邸へと戻っていったのだった。




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