表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミッドナイト・リィンカーネーション ~運命に選ばれた彼と恋をして世界が変わりました~  作者: 秋原かざや


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/62

少年妖魔との戦闘と見つけたもの

 羅那はそのまま、一気に距離を詰めた。

「羅那くん!?」

「クリスタルランサー展開! ライオット・レイ!!」

 激しいレーザーが若い妖魔を襲う。それだけではない。

 引き抜いた剣には、魔法陣が展開し、更に氷の魔力を帯びていく。

「アイス・ブレイドっ!!!」

 隙も見せずに、一気に切り込んでいった。

「うわあああっ!!」

 片腕が切り裂かれ、そこからぱきぱきと凍り付く。ざっと、身を翻し、羅那の周りにはまだ、あの光を宿すクリスタルランサーが漂っていた。

「心臓を狙ったつもりだったんだが……」

 もう一度、羅那が身構えた、次の瞬間。

「そうはさせないよ……」

 少年は、相変わらず動いていなかった。

 だが、次の瞬間――。


 羅那の背後の影が、歪んだ。

 床に落ちていたはずの影が、意思を持ったように盛り上がり、黒い鞭のように跳ね上がる。

「羅那くん、後ろっ!!」

「しまっ……ぐはっ!!」

 羅那は咄嗟にシールドを張ったが、その影はシールドをすり抜け、羅那の体を跳ね飛ばした。そのまま激しく壁にぶつかり、その壁ごと、破壊された。

「かはっ……」

 二枚目の壁に激しく打ち付けられて、羅那は血を吐いて、そのまま、ずるりと地に落ちる。

「油断したね、退魔師? ボクを殺そうとしたの? でも、残念。ボク、君よりも強かったみたいだね?」

「ら、羅那く……きゃあああ!!」

 サナが駆け寄ろうとした瞬間、その足元の影が、彼女の足首を掴んだ。

「きゃっ……!」

 影は、腕へ、胴へと絡みつき、冷たい圧力となって、彼女の動きを奪っていく。

「な、なに……これ……」

「こっちの子は、さっきの退魔師よりも全然弱いね。さて、どうしようかな? 君、さっきの退魔師の大切な人でしょ? ふふふ、目の前で、ボクの影で体を壊しちゃったら、アイツ、狂っちゃうかな?」

 サナをぐるぐるに巻き上げた影は、どうやら、少年妖魔が操っているようだ。

「こ、これって……あなた、の……?」

「そう、ボクの可愛い影だよ。このまま君を引きちぎってみせようか……?」

「ああああっ!!」

 その影に引きちぎられそうな痛みで叫ぶサナの後ろで、少年妖魔が楽しげに哂う。

 と、そこに静かに近づく者がいた。

「ヴァリアブル……スラッシュッ!!!!」

「うわ、まだ生きてたの!?」

 更なる力の本流と閃光が走る。ずどんと、物凄い爆発音を轟かせ、妖魔は、もろにその攻撃を受けてしまった。

「ぐはっ……やったな、退魔師……って、まさか、さっきの攻撃は……」

 目が慣れ、煙が消えた先には、影が切り裂かれ、サナの姿がそこになかった。もちろん、あの羅那の姿もない。

「追いかけっこの始まりだね……」

 妖魔は血を吐き出すと、楽しそうに彼らの後を追い始めたのだった。


「はぁ……はぁ……ここまで来れば……いいか……くっ……!!」

 洞窟の奥へと入り、羅那はようやく、そこで抱きかかえていたサナを下ろした。

「羅那くん……」

「ごめん……君にこんな思いをさせてしまって」

 そういう羅那の口の端からは、血が零れていた。

「体、大丈夫?」

「んん、たぶん。今、痛覚を切ってるから……けど……それが解けたら、ちょっとヤバい。アイツ、僕よりも弱い魔力だったと思ったのに……」

「なんか、なんかそれ、変な感じしてたよ……」

「うわ、マジか……誤魔化されてたなんて……じゃなきゃ……ここまで追い込まれないか……」

「でも、羅那くん……本当に無理してない? 痛くない?」

「これくらいは平気。前の時と似たようなもんだよ。あのときもあばらの数本行っちゃったし」

「いやそれ、ヤバいんじゃ……」

 よく見たら、目元を覆っていたミラーシェードが割れて、その瞳が見え隠れしていた。羅那は、乱暴にそれを外して捨てる。頭からも少し血が垂れているようだった。

「とにかく、今、癒すね!」

「……そうしてもらえると助かるよ」

 とサナの治癒の力を受けている間に、羅那はそれを見つけることが出来た。

「……サナ……あれ見て。やっぱり、サナの感知能力は正しかったよ」

「えっ……」

 羅那が指さす先にあったのは。


 ――禍々しいオーラを纏う、恐ろしい二本の魔剣が突き刺さっていた。


 その場の空気が、重く沈んでいる。

 まるで、その存在そのものが、怒りを吐き出しているかのように……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ