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ミッドナイト・リィンカーネーション ~運命に選ばれた彼と恋をして世界が変わりました~  作者: 秋原かざや


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魔剣の在り処と妖魔との遭遇

 一息ついてから、羅那とサナは支度を整える。

 羅那はいつもの黒のジャケットに黒のパンツ。それにミラーシェードと二本のショートソードを装着して、万が一のときにも備える。

「はううう……退魔師羅那くんが恰好いい……」

「……えっと、サナにこうまじまじと言われると、なんか照れるな……」

「だって、格好いいんだもんっ!! それに、羅那くんの腰に付けてる、その剣!! なんか、すっごい奴じゃない?」

 そう指摘されたので、羅那は静かに一本だけ、鞘から引き抜いた。

「よくわかったね。これ、魔剣なんだ。魔力を帯びた剣っていう意味でね。そうでないと、すぐぶっ壊しちゃうから」

「ぶっ壊しちゃう?」

「市販の包丁に魔力を流して、妖魔を倒すことは出来るけど、戦い終わった後でバッキバキに折れたり、刃こぼれヤバかったりするから、一回しか使えないね。でもこれは……」

「何度でも使えるようになってる!! ふうん……なんか、すごく格好いいっ!!」

「…………」

「あれ、羅那くん?」

「あ、ごめん。ちょっと……うん。サナにそう言われると、マジで……照れる」

 もういいよねっと、剣を鞘に納めて、羅那はサナを改めてみた。

 サナも危険な場所に向かうということで、動きやすいパンツルックにジャンパーと言う戦闘向きの服装をしていた。

 そして、手首には内緒のブレスレット。

 髪は邪魔にならないよう、高く一つにまとめている。

「サナにも、僕の服のように強化したやつ用意した方がいいかも」

「わあ、いいの? じゃあ、羅那くんみたいにお揃いの黒でお願いしたい!!」

「……」

「ねえ、羅那くん。さっきから静かになってない?」

「サナが可愛すぎて……と、とにかく、早く剣を取りに行こう。そうすれば、心置きなくサナを抱きしめられるから!!」

「えっ、そっち!?」

 準備を終えた二人は、そのまま地下の駐車場へと向かう。

「あ、車で行くんだよね。白のランボルギーニ!!」

「も、いいんだけど、今回はこっち」

 少し離れたところにもう一台、車が置いてあった。

「黒い……えっと、ランボルギーニ?」

「うん、そう。裏の仕事をするときは、いつもこっちを使ってるんだ。サナ、こっちにどうぞ」

「ふふ……羅那くんの匂いする」

「え、そう? あまり匂いはしないと思ってたんだけど……」

 まあいっかと呟き、羅那は、その黒いランボルギーニのエンジンを慣れた手つきでつけたのだった。



 黒いランボルギーニが、山の方へと進んでいく。

「サナ、君が感じたのは、この先でいいんだよね?」

「うん、あの山の中腹あたりかな……っていうか、羅那くん、車、何台持ってるの?」

 サナの言葉に、羅那はふふっと笑みを浮かべた。

「2台だけだよ。白と黒のランボルギーニだけ。もっと買ったらどうだって、父さんは言うけど、僕はこれで十分なんだよね……まあ、今後のことを考えて、普段使いのレクサスは買ってもいいかなとは思うけど……」

「……えっと、翔さんって、もしかして……」

「うん、かなり持ってるよ。あれ、何台だっけ? 15台めくらいまでは覚えていたけど……ああ見えて、車好きなんだよね、父さんは」

「そ、そうなんだ……」

 今、羅那とサナは、魔双剣を手に入れるために、その魔力をたどっている。

「あ、この辺で止めて……あっちの方角に何かありそう」

「了解。じゃあ、この路肩に止めるよ」

 車を止めて、二人は林の中にどんどんと入って行く。

「気になるのは、この奥なんだけど……って、あれっ!!」

「妖魔か……なんでこんなところにいるんだか……術式」

「ちょっと待って!」

 術式展開しようとする羅那をサナが止めた。

「あの、ここは私に任せて! 試したいことがあるの!」

「試したいこと?」

「うん、一つ思い出したことがあって。……我が声に従い、その力を我が手に! 竜の弓!!」

 本来ならば、白銀竜と呼ぶところだが、妖魔に気づかれないよう、その部分は端折って。

「綺麗な弓だね」

「でしょう? これ貰ってたのを忘れてて。たぶん、過去の記憶が思い出したときにつられて思い出したんだと思うんだけど、ね……あの妖魔、気づいていないみたいだから、先制かけちゃうね」

 光の弦を引き延ばすと、その間に光の矢が現れる。片目を瞑って標準を合わせると、そのままサナは弓を引いた。

 ばしゅっといういい音と共に、目の前の妖魔を消し飛ばすことに成功した。

「凄いね! やるじゃないか、サナ」

「まだまだだよ。だって、お母さんは100発100中だったから。私もそれ、目指したいんだ。私はまだ80くらいしか当てられないから」

 と、また現れた妖魔、3体に、サナはまた弓を引く。その手には、三本の矢が番えて。

「やっ!!」

 気合を入れて、矢を放ったが、当たったのは1体のみで、他2体は外れてしまった。

「……サナ、次は一拍おいて、撃ってみて」

「えっ? 一拍? う、うん、やってみる……」

 羅那の言う通り、もう一度、弓を引く。そして、一拍おいてから、矢を放った。

 ばしゅばしゅっと、2体同時に消し飛ばすことが出来た。

「えっ……嘘……!?」

「サナ、ちょっと弓を放つタイミングが早いみたいだよ。ちょっと遅れて放った方が当たりやすいと思うよ」

「す、凄い……羅那くん、そんなのわかっちゃうんだ……」

「まあね……ちょっとだけ、だよ。ん、まだいるみたいだ」

 次もまた3体の妖魔が姿を現した。

「術式展開……」

 その三体の足元に魔法陣が描かれる。羅那が魔法を詠唱する。

「凍て貫け、コールド・コフィン!!」

 足元から巨大な氷の刃が現れ、そのまま、妖魔達を閉じ込め、消滅させた。

「凄い……羅那くんの魔法、初めて見たけど……本当に凄いね」

「相手が弱かっただけだよ……サナ、怖くない?」

「うーん、お父さんとお母さんがたまに戦ってたから、そうでもないかも」

「そっか。でも、怖くなったら早めに言ってね?」

「ふふ、羅那くん、心配性!」

 そうじゃない。ただ……君を怖がらせたくないから。まだ本心を伝えるほどの勇気はないから。

「さて、奥に行こうか」

 そういって、サナの肩を軽く叩いて、先を急いだのだった。



 そこに現れたのは、洞窟だった。

「こんなところに洞窟があるとは……光の魔法を使うよ」

「ありがとう。この魔法も便利だね」

 羅那の光の魔法で照らしながら、二人がゆっくりと進んでいく。

「羅那くん……なんか、魔力を感じるけど……嫌な予感もするよ……」

「奇遇だね。僕もだ……」

 その先にあったもの、それは……。


「あれあれ? なんで、こんなところに退魔師が来てるの?」

「!!!」

 そこに居たのは。

「あ、あれって……」

 無邪気な10代の少年が、そこに立っていた。しかし、彼は人ではなかった。

「……喋る上に、人に化けてるとは、な……妖魔め」

 それにいち早く気づいた羅那は、答える代わりに、静かに剣の柄へと手を伸ばした。

 



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