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ミッドナイト・リィンカーネーション ~運命に選ばれた彼と恋をして世界が変わりました~  作者: 秋原かざや


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15/60

まさか本屋のあのコーナーでバッタリと

 その日、気になって気になって仕方なかった。

 仕事中もそのことを考えすぎて、昼休憩のときにこっそり試してしまったり。

「ううう、あのゲーム、難しすぎるよ」

 今、サナを夢中にさせているのは、スマートフォンで出来る乙女ゲームだった。

 1章、2章と順調に行けたのだが……なんと3章でいきなり詰まった。

「厄介すぎる選択肢が多過ぎ……」

 ちなみに今、攻略中のキャラは、どことなく羅那を思わせる眼鏡の王子様だったりする。

「レイファス様、格好いいんだよね……」

 そして、彼のセリフも、どこか羅那に近い。だからこそ夢中になっていた。最近、羅那が忙しくて、SNSのメッセージで話をするだけしかできていない。それがちょっぴり寂しくて。


 幸いにも今日は、早めに仕事が終わった。

 なので、駅前にある大型書店に入っていった。

 サナが向かったのは、ゲームの攻略本が大量に置かれているコーナーだ。

「確か、ここのコーナーに……あった!!」

 最近人気のゲームだから、あると思っていたのだ。すぐに見つかった乙女ゲームの攻略本。ただ……。

「やっぱり、パッキングされてて、立ち読みは難しいか……」

 買うとちょっぴり今月は厳しいかもだが、背に腹は代えられない。

 しかも表紙にレイファスが大きく描かれているのも最高だ。

「はうう、レイファス様、素敵……買います!!」

「それ……結構、難しいゲームだよね?」

 突然、隣から声をかけられた。

「……へっ?」

「こんばんは、サナ。まさか、こんなところで会えるなんて思わなかったよ」

「ももも、もしかして、羅那くんも……このゲーム、やってるの?」

「ううん。まだやってない。けど、途中で難しくなるってのは聞いてる。途中の選択肢が意地悪なのが多くて、なかなか進められなくなるってね」

 いったい、どこからそんな情報を得て来るのだろうか?

 いやそれよりも確かめなければならないことがある。

「……もしかして、羅那氏は、同士ですか?」

「えっ……急に羅那氏? では、サナ氏もゲーム愛好家ならぬヲタクだったりする?」

 そう羅那が一歩踏み込んだことを言うと。

「はわーーー!!」

 と、大きな声を上げてしまい、周りに見られてしまって、またはわわと身を縮めていた。

「えっと、その……改めて、羅那くんは、ゲーム好きなの? 私は乙女ゲームとかアドベンチャーゲームとか、RPGが好き」

「僕はこのアクションゲームとか、シミュレーションRPGに、サナも好きな普通のRPGも嗜んでるよ。僕はどちらかというと、こういうやり込み系かな」

 と、最近入荷したばかりの分厚い攻略本を手に取った。

「な、なんと……データヲタクでしたか?」

「どちらかというと、コレクターかな。ほら、ゲームに付いてるトロフィーとか全て取りたくなるんだよね」

「それに、そのゲームって……かなり難しいロボットアクションのやつ……」

 じっと羅那の持っている攻略本を眺めてて。

「そのロボットさんは、格好いい……」

「ふふ、僕もこの表紙にあるロボットが気に入っているよ。サナは、その表紙のどの彼が好みなのかな?」

 サナが手にしている攻略本を指さして尋ねてきた。

「私はこのレイファス様っ!! この蒼い瞳に憂いを帯びた表情がたまらなくってね、しかも、レイファス様のボイスも凄くってね! 優しくて守ってくれて、もうもう、ときめきが止まらなくって、ついつい徹夜までしそうになっちゃって……最初のデートのときも、ちょっと難しかったんだけどなんとか成功して、砂吐きそうなすっごい口説き文句を言ってくれてね……はあ、とってもとっても素敵なんだよね……」

 と、ここまで言って、サナはあっと呟いた。

「いや、まさかこんなにサナが饒舌になるとは……恐るべしレイファス様の魔力……」

 と言いつつ、ちょっぴり嫉妬を滲ませていた。

「あ、相手は二次元だし、ただの推しだからね? 今は、目の前の羅那くんが一番ですっ!!」

 あたふたと、身振り手振りでそう訴えると、羅那も機嫌よくなった。

「それじゃあ、目当ての本も見つかったし、買って来ようか」

「う、うんっ!!」

「それとサナ……この後、時間ある?」

「えっ……?」

「せっかくだから、どこかで食べない? 場所はサナの好きなところで構わないから。それにゲームの話、もう少ししたいな」

 と言ってくれたので、サナは。

「ぜひぜひ、お願いしますっ!!」

 思いがけない偶然の出会いから、一気にディナーデートに繋がって。

 サナと羅那は、また一歩、その距離を縮めていったのだった。



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