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0. プロローグ
8年前、日本を国家的パンデミックが襲った。
東京にはじまり、本州、北海道、四国、九州へと広がったそのウイルスは「アルナド」と名付けられた。
致死率は98パーセント。
感染すると潜伏期間3日を経て数時間の間幻覚を伴う40度を超える高熱に襲われ、眠るように死んでしまうという。
史上初の感染者は東京23区内の者であるということまでは特定できても、都内で同時多発的に感染者が確認されたためにそれが誰だかはわからない。
前述したように本州、北海道、四国、九州に蔓延したアルナドは沖縄等一部の地域を除いて日本全土に広がった。
その驚異的な致死率により、アルナド確認前1億人を超えていた日本の人口は200万人にまで減少した。
どういうわけか日本以外の国と地域の環境ではアルナドは死滅してしまうようで他国による生物兵器であるという説も流れたが真偽は定かではない。
そしてWHO等機関の必死の努力により、3年前、アルナドの根絶が宣言された。
これは、沖縄本島那覇にできた元本州在住民の居住区「本州村」に住む一人の男の物語である。




