7話 先輩パイロット
入学式が無事に終わり、アストラル・ノヴァ・アカデミーの一員となったシオン。新たな環境に身を置き、ようやく学生としての第一歩を踏み出したばかりだったが――式のあとに行われる“模擬戦デモンストレーション”には、自然と期待が高まっていた。
「これより模擬戦の観戦を開始する。各自、希望する会場へ移動せよ」
AIの無機質なアナウンスが耳に響く。
生徒たちはざわめきながら、それぞれ興味のある試合会場へと移動していった。しかし、シオンには「どうしても見たい」と思える試合は、まだなかった。
そんな中、AIの声が再び響く。
「推奨する模擬戦がある。会場C-07へ向かえ」
特に反対する理由もなく、シオンはその指示に従ってC-07会場へ向かった。
そこにはすでに多くの生徒が集まっており、大型スクリーンには戦闘のライブ映像が映し出されていた。
「現在、3年生と2年生による模擬戦が行われている」
AIが淡々と状況を伝える中、シオンは映像に目を奪われた。
戦闘技術、武器の扱い、機体の挙動――すべてが洗練されていて、自分がこれから学ぶべき“技術の理想形”がそこにあった。
ふと、隣に座っていた生徒がぽつりと呟いた。
「この試合、見といた方がいいよ」
「誰の試合?」
「C-07のメインパイロット。あれは注目株だ」
興味をひかれたシオンは、画面に意識を集中させる。そしてパイロット名に目を向けると、そこに表示されたのは――
白金の長髪をなびかせる、18歳のパイロット。
「模擬戦、開始」
再びAIの無機質な声が響いた、その瞬間――
機体が、動いた。
音すら置き去りにするような高速移動。
刹那の間に間合いを詰め、正確無比な攻撃を叩き込む。
一切の無駄がない、流れるような動き。
攻撃も回避も、まるで最適解を計算し尽くしたかのようだった。
「戦闘技術レベル:学園基準において最高水準」
AIが事務的に評価を述べる中、シオンは言葉を失ってその戦いに見入っていた。
「……強い」
その呟きには、素直な驚きと憧れが込められていた。
戦闘を“こなす”のではなく、“理解している”者の動き。
それは圧倒的な実力差を見せつける、まさに圧巻の一戦だった。
やがて試合は終わり、スクリーン越しの会場には大きな歓声が響き渡る。
「C-07のパイロット、勝利」
AIが勝敗を告げる。
しかし、シオンはその声を聞きながらも、まだ画面から目を離せなかった。
「……あの人は、一体何者なんだ?」
この時の衝撃が、やがてシオンの運命を大きく動かしていくことになる――
そんな未来を、彼はまだ知らなかった。
短くてごめんなさい。
ここから始まる・・・。
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