26話 ミッション
初めてのミッション
次の日、シオンはいつもより早く目を覚ました。期待と緊張が入り混じり、自然と目が冴えてしまったのだ。
軽く身支度を整え、リビングへ向かうと、すでにリリアが制服姿で朝食を終えていた。
「おはよう、シオン。今日からよろしくね。」
「おはよう、リリアさん。」
リリアは微笑みながら、昨晩の出来事を振り返るように続けた。
「実は昨日、クランに初めてのミッション依頼が来ていたから、その後話を聞きに行ってきたの。」
クランを結成して間もないにもかかわらず、すでに依頼が届いていた。さすがAクラスのエリートであるリリアの影響力は大きい。
「まだ結成したばかりだし、最初は簡単な依頼を選んだわ。内容は輸送車の護衛よ。」
「護衛任務…?」
「学園近くの発電所にエネルギー物資を届ける車両の警護ね。シオンはまだ実戦経験がないでしょ? まずはミッションに慣れることを優先したかったの。」
リリアの配慮が込められた任務選びだった。シオンは内心ほっとしつつも、初めての実戦という事実に緊張を覚えた。
リリアは護衛任務の基本や注意事項について説明し、それから二人はアカデミーへ向かった。
アカデミーでの現実
シオンは、リリアとの楽しいアカデミー生活を少しだけ期待していた。しかし、現実は甘くなかった。
ノバァのパイロットは限られている。
つまり、それだけ人手が足りていないということだ。実力のある者は、望むと望まざるとにかかわらず、次々と実戦に駆り出される。
すでに担任もシオンのミッション参加を把握しており、この日は実戦向けの訓練を重点的に行うこととなった。基礎訓練とは違い、実際の戦場を想定した厳しい内容だった。
長い一日を終え、シオンはクランハウスへ戻ると、リリアとのミーティングが始まった。
初めてのミッションに向けて、準備を整える時が来たのだった。
クランハウスに戻ると、ミーティングルームはのテーブルにはすでにミッション関連の資料が広げられていた。リリアは椅子に腰かけ、UIを操作しながらシオンを待っていたようだった。
「おかえり。今日の訓練、どうだった?」
「結構ハードだったよ。担任も俺たちのミッションのことを知ってて、実戦向けの訓練ばかりだった。」
「まあ、実際にすぐミッションがあるんだから当然よね。じゃあ、早速だけど護衛任務の詳細を確認しましょう。」
リリアは端末を操作し、ミッションの概要をシオンに説明する。
【ミッション概要】
依頼内容:輸送車両の護衛
目的地:アカデミー近郊の発電所
輸送物:エネルギー物資
警戒対象:オートノヴァ(無人AI兵器)や反政府組織の襲撃の可能性あり
「基本的には、ルートに沿って輸送車を守りながら進むだけ。ただし、最近このエリアでは物資を狙った襲撃事件が増えてるから、警戒は怠らないように。」
シオンは画面を覗き込みながら、真剣な表情で話を聞く。
「なるほど。でも俺、まだ実戦経験がないから…正直、緊張する。」
「だからこそ、この任務なのよ。実戦といっても比較的安全なミッションだし、経験を積むにはちょうどいい。」
リリアはそう言いながら、シオンの肩を軽く叩いた。
「まずは基本をしっかり押さえて、少しずつ慣れていけばいいわ。私がフォローするから安心して。」
「…ありがとう、リリアさん。」
シオンは深く息を吸い、決意を固めた。初めての実戦ミッション。果たして、うまくいくだろうか。
「じゃあ、明日は早いし、今日はもう休みましょう。おやすみ、シオン。」
「おやすみ、リリアさん。」
そうして、シオンの新しい一歩が始まろうとしていた。
三章スタートしました。
実戦戦い頑張って書いていきますので、よろしくお願いいたします。




