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第28階 まさかダンジョン内でハンバーグが食えるとは思わなかった!

「28階か…」


ノンビリは階段を登り終えていった。


「ここでは、モンスターは出なさそうだな…」


キマジメは辺りを見回しながら言った。


「じゃあ、今日ここでテントを貼りましょ」


ウットリが言うと、


「やったぁ!」


とノンビリが大喜びした。


「ノンビリさんって野営が本当にお好きなんですね」


シトヤカが笑う。


「『野営』って聞いただけで目の色が変わるよな」


レイセイもニヤニヤしながら言った。


「そうか?」


「なんで嬉しそうなんだよ」


キマジメがツッコむ。


「勇者になる前は、キャンプにばっかり言っていたからな」


「え?そうなんですか?」


シトヤカが聞く。


「元々山登りが好きでさ、その延長線でキャンプをしていたんだよ」


「そういや良く登っていたよな」


キマジメが言った。


「うん、時間があればよく山登りしていたよ」


「へぇ、結構体力あるのね」


ウットリが言った。


「いや、体力はそんなにないですよ」


「え?」


ウットリがノンビリの顔をのぞきこむ。


「本格的な登山と違って、山道を歩いてみようっていうのがあるんです」


「あ、そういうのなんて言うんだっけ」


レイセイが頭を抱える。


「ト、ト、ト…」


レイセイは必死に思い出す。


「トレーニング…?」


「そんなにキツくないよ」


ノンビリがツッコむ。


「『トレッキング』じゃない?」


ウットリが思いついたように言う。


「そ、そうです!よくわかりましたね!」


ウットリは得意げな顔をしている。


「おい、話ばっかりしていないで早くテントを張れ」


キマジメが注意する。


「はいはい」


ノンビリはテントを張り出した。




「さて、夕食は何にしよう」


シトヤカが食材を見る。


「今日はハンバーグにしよう」


シトヤカはニコッと笑った。


「シトヤカさん、今日の夕食は?」


ノンビリがシトヤカに聞く。


「今日はハンバーグですよ」


シトヤカはニコッと笑って答えた。


「すげー!まさかダンジョン内でハンバーグが食えるとは思わなかった!」


ノンビリは目を輝かせた。


「…まるで子供だな…」


キマジメがボソッとつぶやく。


「ちょっとキマジメ、ちゃんとテントは張ったの?」


ウットリがキマジメに聞く。


「姉ちゃん、もうとっくに張ったよ」


キマジメが面倒くさそうに返事をする。


「そう、ならいいんだけど・・・」


ウットリはテントをチェックした。


「ちょっとキマジメ!これ、釘が打ってないじゃないの!」


「普通テントには釘を打たないよ」


「違うわよ!端に打つ釘みたいなやつのことよ!」


「あぁ、ペグのことか」


キマジメはテントの所に向かった。


「これ、ペグ打たなくていいやつなんだよ」


「え?そうなの?」


「うん、だからこれで張れているんだよ」


ウットリの顔がみるみる赤くなる。


「馬鹿、そういう事は早く言いなさい!」


ウットリはキマジメに八つ当たりをした。


「な、なんで俺が怒られるんだよ!」


キマジメは訳が分からなかった。




「木を集めてきたぞ」


レイセイが蒔になりそうな木をたくさん抱えて持ってきた。


「これだけあればキャンプファイヤーし放題だな!」


ノンビリが興奮している。


「キャンプファイヤーはそんなにするもんじゃないだろ…」


キマジメがツッコむ。


「いいだろ!火を見ているだけで癒されるだろ!」


「癒されるためにキャンプファイヤーやるのかよ…」


キマジメがまたツッコむ。




「いただきます!」


シトヤカの作ったハンバーグをみんなで口に運ぶ。


「美味しい!」


ウットリが顔を綻ばせる。


「本当にお店レベルだな」


ノンビリがしみじみと言う。


「い、いや…」


シトヤカは顔が赤くなっている。   


「シトヤカさん、本当にお店を開くべきだよ」


ノンビリが真面目な顔をして言った。


「何なら開店資金もいくらか出すよ。シトヤカさん、いくら…」


「はい、ストップ!」


キマジメが止めた。


「キマジメ、なんで止めるんだよ!」


「止めなきゃヤバいことになっていたんだよ!」


ノンビリとキマジメが喧嘩をしている横で、レイセイはハンバーグを味わっていた。




辺りはすっかり暗くなり、そろそろテントで寝る時間になった。


「今日はモンスターも倒してないし、勇者らしいこと1つもしてないけど、いいのかな…」


ノンビリが急に不安になるようなことを言った。


「いいんだよ。モンスターが出ないのはいい兆候なんだから」


キマジメが諭した。


「でも、こういう時に限ってなんかスゴいモンスターが出てきそうなんだよな」


レイセイが続ける。


「そんな不吉なこと言うなよ…」


キマジメが顔をこわばらせる。


「大丈夫よ。どんなモンスターが来たって私たちならやっつけられるわよ。ね、シトヤカちゃん?」


ウットリがシトヤカに話を振る。


「え?あ、そうですね。多分大丈夫だと思います」


「『多分』だと余計不安なんだけど 」


キマジメが言うと、みんな一斉に笑った。


「大丈夫だって。今までどんなピンチも助け合ってきただろ?」


「そうだな。なんか何とかなりそうな気がするわ」


キマジメが笑顔になる。


「よし、じゃあ、さっさと寝て明日に備えるぞ!」


ノンビリがそういうと、みんな一斉にテントに戻った。 

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