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第18階 け、剣がない…

「新しいフロアに到着…」


ノンビリはフロアに上がるなり、腰を下ろした。


「おい、いきなり休むなよ」


キマジメが注意する。


「だって、階段登るだけでも大変なんだよ。ちょっと休むぐらいいいでしょ」


ノンビリは床に寝転んだ。


「よし、俺も」


レイセイも床に寝転んだ。


「いや、アンタもかい!」


キマジメがツッコむ。


「キマジメさん、たまには少し休むことも大事なんじゃないですか?」


シトヤカがキマジメに言った。


「シトヤカさん…」


「私は皆さんにいつまでも元気でいてもらいたいです。だから、ここはゆっくり休みましょう」


この娘はどれだけいい娘なんだ。


キマジメは少しウルッときた。


「シトヤカさんの言う通りにしよう。ここでゆっくり休もう!」


「はい!」


キマジメとシトヤカは横になった。




それから、3時間ぐらいたっただろうか。


「……よく寝た……」


キマジメが起きる。


「え、そんなに寝てたのか……」


ノンビリ達も続々と起きる。


「それだけ疲れていたということですよ」


シトヤカが言った。


「ここまで色々あったからな」


レイセイが笑う。


「じゃあ、そろそろ出発するか……」


「な、ない!」


ノンビリが慌てた様子で体を叩いている。


「ノンビリ、どうしたんだ?」


キマジメが聞く。


「け、剣がない…」


「え……」


現場に緊張が走る。


「ほ、ホントにないんですか?」


シトヤカが聞く。


「そ、そうだ、どこかに置いてきたとか…」


レイセイも聞く。


「いや、剣はいつも肌身離さず持っているからそんなことは無いと思うけど…」


ノンビリはまだ体をバタバタさせている。


「じゃあ、盗まれたんだよ…」


キマジメが言った。


現場にまだ緊張が走る。


「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」


ノンビリは焦って周りが見えなくなってしまった。


「お、落ちつけ。まだ犯人がいるかもしれないだろ?」


キマジメが落ち着かせる。


「……そ、そうか……」


ノンビリが落ち着く。


「でも、どうやって探すんだよ?手がかりはあるのか?」


レイセイが言った。


「もしかしたら、もう先の階層に行っているかも…」


キマジメが言うと、一同は黙りこんだ。


「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」


ノンビリはまだ焦りだした。


「キマジメ、そんなこと言うなよ!」


レイセイがキマジメに注意する。


「ええっ!?俺?」


キマジメも焦りだした。


「キマジメさん、幼なじみならそんなこと言っちゃダメだと思います」


シトヤカも厳しい目を向ける。


「シ、シトヤカさん…」


あのめちゃくちゃいい娘のシトヤカさんが…。


この出来事は、キマジメの心にかなり響いた。


「わ、わかったよ…。ノンビリの剣を探そう」


キマジメは絞り出すように言った。


「あれ?あいつの剣の持っている剣、ノンビリの剣に似てないか?」


レイセイが指さした先に、冒険者が歩いていた。


「あ!俺の剣だ!」


ノンビリが叫んだ。


「あいつ、俺たちが寝ている間に盗んだんだ…!」


「よし、行くぞ!」


ノンビリ達は、冒険者達の元に向かった。




「おい!」


ノンビリに呼び止められた冒険者は驚いた様子でこっちを振り向いた。


「お前、俺の剣を盗んだだろ? 」


ノンビリが聞くと、


「……いや、盗んでないです……」


と冒険者はしらを切った。


「嘘つけ!これはどっからどう見ても俺の剣だろうが!」


ノンビリが語気を強める。


「おい、やめてやれよ」


キマジメがなだめる。


「す、すいませんでした!お返しします!」


冒険者は剣を抜いて、ノンビリに返した。




「なんで、俺の剣を盗んだんだ?」


ノンビリが冒険者に聞く。


「実は僕、冒険者に成り立てなんですけど武器をあまり持ってなくて…」


「いや、ダンジョンなめすぎだろ」


レイセイが言った。


「それで、気持ち良さそうに寝ていらっしゃるので、拝借しちゃいました」


冒険者は平謝りしている。


「でも、すぐ名乗り出てくださって良かったです」


シトヤカはニコッと笑った。


「あの、実は…」


冒険者は口を開いた。


「ついでにその…、女性をちょっと触ってしまいました…」


「……は?」


シトヤカの顔から笑顔が消えた。


「あの、これは不可抗力というか…」


「ノンビリさん、この方、やっつけてもいいですよ 」


冒険者の声を遮るようにシトヤカが言った。


「お、おう…」


ノンビリはシトヤカの言う通りにした。




「さ、次の階に行きましょう!」


シトヤカの合図で、次の階層に上がっていった。


あんないい娘が…。


キマジメはしばらく夜に寝られなくなった。

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