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おじいさんてんしさんの愛

こんな心温まるお話があったらもう少し今の世の中も幸せするかも!

 今日も天使たちが地上に降りて行きます。


 今度はおじいさん天使さんとおばあさん天使さんとお父さん天使さんです。

  

 雪が降っています。


 さあ出発です!


 おじいさん天使さんは一片の雪に乗りました。


 そしてここは北国の小さな町です。

 朝から深々と雪が降っています。

 山の畑の小屋で朝からおばあさんが野菜達のお世話をしています。

 白菜さんも大根さんも里芋さんもねぎさんもじゃがいもさんだって有ります。

 でも一緒に働いてたおじいさんがもういないのです。

 去年の末におじいさんは他界してしまいました。本当に仲の良い夫婦でした。

 子供は五人いるのですが五人とも遠く街に住んでいます。

 長期の休みには子供達は必ず帰って来るのですが、なんせあまりにも遠い所に住んでいるのですぐには帰って来ることはできません。

 仕事の都合やなんかで皆帰るのは無理なのでした。

 皆おばあさんのことを心配しながら帰ってくることはできないのです。 

 おばあさんはおじいさんがいないのにもやっとなれ、独り暮らしではありますが元気に働いていました。


 天国には人間の世界を見ることのできる場所があるのです。

 おじいさん天使さんは独り残したおばあさんが心配でしかたがありません。

 おばあさんが見える場所から離れられないでいました。

 おじいさん天使さんはそこをのぞいてはいつも独り残したおばあさんことを心配していました。

 神様はそんなおじいさんを思いやり、おばあさんのところに行くことを命じたのでした。



 おばあさんは今日も畑の小屋でお仕事をしています。

 春の農作業の準備です。

 おじいさんが使っていた道具を見てはいろいろ思い出していました。

 そこへおじいさん天使はそっと近づきます。

 (ごくろうだね)おばあさんを愛しそうににみつめます。

 でもおばあさんにはおじいさん天使さんが見えないのです。

 (これはおじいさんが収穫したじゃがいもだね)懐かしく思い出しています。

 (夕飯はこのじゃがいもを使って肉じゃがでも作ろうかね。)じゃが芋選びをします。 


 ここはおばあさんの家の台所です。

 手慣れた手付きでトントンじゃが芋を切っいます。豚肉を炒めじゃが芋と玉ねぎを入れます。

 はっときづくとおじいさんの分まで作っていました。

 (あらら!またおじいさんの分まで作ってしまったねぇ)。おばあさんは思わず苦笑してしまいます。

 (おじいさんにお供えでもしょうかね)

 そうなのです。肉じゃがはおじいさんの大好物なのです。

 そばにいる見えないおじいさんは思わず涙ぐみます。おばあさんが愛しくて仕方がないのです。

 おじいさんの写真の前に肉じゃがを供えます。(ばあさんうまいよ。)おじいさんの声が聞こえてきそうです。

 (おじいさんどうしてるんですか?)写真に話し掛けます。

 (おじいさんが収穫したじゃが芋ですよおいしいですよ。)と手を合わせます。

 (元気だよ。でもばあさんが心配で来てしまったよ。)と話し掛けます。

 でもおばあさんには聞こえません。


 なんだか変ですが、おじいさんが見えないまま二人は暮らしていました。

      


 ある日のことです。おじいさんとよく採ったあけびのみを山につみに行きました。

 おじいさん天使さんも一緒です。


 大変です!


 おばあさんはあけびに気をとられて川に落ちて気を失ってしまいました。

 おじいさん天使さんもあけびに気をとられているうちに突然隣にいたはずのおばあさんがいなくなったものですからびっくり!


 何と水の少ない川底でおばあさんは気を失って倒れているじゃありませんか!

 おじいさんも羽根をパタパタおばあさんのところに降りて行きました。

 (ばあさん!ばあさん!)

 肩を抱いて揺すります。

 おばあさんは目を開けません。

 おじいさん天使さんは思います。

 (早く救急車をよばなくては!)

 でも山の中です。電話はありません。


 下の方を見ると近所奥さんたちが歩いて来るではありませんか。

 気が付いてくれればよいのですが、おばあさんは川の底です。 だから近所の奥さんたちにおばおさんの姿は川の底なので見えないのです。

 (とにかく奥さんたちにおばあさんのことを知らせなきゃ!)とおじいさん天使さんは思います。


 奥さんたちもおばあさんのことを話題にしています。

 (あら今日はおばあさんお休みかしらいつもよく働いておいでなのに珍しい事だわねぇ。)不思議に思いながら通り過ぎようとします。


 おじいさんはあけびのところねぱたぱたととんでいき枝を揺すります。


 一人の奥さんが枝の揺れる気配で、ふと見上げるとあけびがたくさんなっています。


 (ねぇあけびがあんなになっているわ。つんでいかない。)もう一人の奥さんが指差します。

 (そんなじきなんだ。)


 こちらに来ます。


 あけびのところまでくると(川危ないわね。)川の底に目をやりました。


 なんとおばあさんが倒れているではありませんか。


 (おばあさん!おばあさん!)声をかけますが反応はありません。

 一人の奥さんが携帯電話をもっていました。すぐ救急車をよびます。



 ばあさんが病院のベットで気が付いたのは3日後でした。

 子供たちが皆おばあさんのそばに集まっています。


 おばあさんは目を開けました。

 目を開けると子供たちが揃っているのでびっくりてす。

 (お母さん!)みんなの目には涙ががあふれます。

 (みんなどうしたの?)おばあさんのほうがびっくりです。

 おばあさんはベットに自分が寝ているのが不思議です。


 (そうだあけびをつんでたんだ。)思い出しました。

 (そうですよ。お母さんは川に落ちて近所の奥さんに助けてもらったんですよ。運がよかったんですよ。)

 やっとおばあさんは理解ができました。

 (そうだおじいさんとあけびを摘んでいた夢をみましたよ。なんだかおじいさんがいたような。)



 そして少ししておばあさんは退院しました。



 子供たちはみんなで話し合い子供の一人がおばあさんと暮らすことにしました。


 新学期の始まる春休み役場に勤め始めた息子一家が田舎に帰って来ました。

 おばあさんはもう独りではありません。

 その後は息子夫婦と孫たちに囲まれ楽しい毎日をおくったそうです。


 安心したおじいさん天使さんは天国にかえっていきました。


 庭にはおはあさん一家を守るようにあけびの花が優しく咲き誇っていました。


 天国に帰ったおじいさん天使さんは毎日あばあさんの見える場所でニコニコしています。

 (おばあさんや天国で楽しくいつかくらそうな)と。

この話は割りと早く創り上がっていましたが、安心しすぎて大遅刻トホホ!

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