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第三話 学園の説明会へようこそ


「ここがあなたがこれから暮らすことになる寮部屋になります」


 そう言って序列五位こと四宮 紅葉が一つの部屋を指さしながら鍵を渡してきた。


 

 「これから必要な物は既に部屋に完備されていると思います。 それと、何かあればいつでもこの携帯で私に電話してください」


 そういえば、目が覚めたらお気に入りの服は学生服に変えられていて携帯も無かったんだ。


 

 「俺の携帯とスーツは何処に行った?」


 「あれらはすべて廃棄されました。 この学園都市で使える物は全て上から支給された物だけです」


 「…マジ?」


 「はい」


 どうやらここはブラック校則も真っ青の治外法権が支配する場所らしい。


 

 「どうしても欲しいものがあれば学園ランキングを上げてください」


 学園ランキング? 先ほどの決闘に関連したものなのか。


 

 「学園ランキングについて詳しく教えてくれ」


 「良いですよ。ですが、先に部屋に入りましょう」


 そう言って彼女は当然の如く部屋をすり抜けて言った。



 「……鍵、要らなくない?」


 俺は防犯管理に対して強い危機感を抱いた。






 「では説明しましょう」


 ホワイトボードの横で眼鏡を掛けて彼女は説明を始めた。


 

 「まず、この学園都市が創立された理由としては脆弱な日本のバグ力戦闘者の能力強化を目論見としてつくられました。百年ほど前はアメリカなどのバグ力戦闘者に大きく劣るような雑魚ばかりでしたからね」


 「だからあんな決闘みたいなシステムを作って生徒同士を競争させているのか」


 彼女は俺の言葉に頷いた後、可愛らしいクッキーが描かれた餌というトピックを指しながら話を続ける。


 

 「そして、それを意図的に行わせるための餌となる褒美がこの学園都市で使えるお金や物品になります」


 そう言って彼女は一枚の紙をひらひらさせている。 それは日本円とは違うが、確かに紙幣としてしっかり作られていた何かだった。


 

 「ランキングが上がる毎に貰える物は大きく、多くなっていきます」


 彼女は序列者という言葉を指しながら語った。


 

 「ランキングを上げまくり、何万人の人の上に立ち、最上位の十人に入る序列者は強大な権力を与えられます」


 強大な権力だと?


 

 「ある者は空に浮かぶ島に大きな城を立てて人々を統治し、またある者は学園の警察的組織の長を担っているものもいます」


 『他にも変わり種としては賭博の元締めをしている者もいますよ』 彼女は無表情でそう言っていた。


 だが、俺の頭の中には絶大な権力を持つという願望しかなく、話は左から右へ出て言ってた。


 

 「おい四宮、序列者に手っ取り早くなるにはどうすればいいんだ?」


 「それはランキングを十一位まで上げて序列者に入れ替わりの闘いを挑むことです」


 成程。この学園らしく勝った方は権力を奪い、負けた方は権力を失うってことか。


  

 「面白い学園だな。 そう言えば俺のランキングは今何位なんだ?」


 「今日黒野君に勝ったのが影響して18325位だそうです」


 「まだ一万も切っていないのか…」


 「ええ、序列者になるには大分時間がかかるでしょう。 まあ、そう言う感じでこの学園の大まかなことは分かったでしょう」


 彼女は無表情ながら満足そうな雰囲気で眼鏡を外した。


 「色々説明してくれて助かった」


 「いえ、案内役として当然のことですよ。 それでは失礼いたします」


 そう言って彼女は壁をすり抜けて消えて言った。


 

 「……この学園都市も意外といいかもな、力さえあればすべてが手に入る」


 俺はこれからの未来を想像しながら口を歪め、呟いた。



 「待ってろよ、序列者達」




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