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WEB作家で陰キャの俺、小説を書いてるのが陽キャのギャルにバレる~そしたらラブコメみたいな展開になった~  作者: おとら@7シリーズ商業化
二章

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54/63

それぞれ

 アルバムを持ってきた和也君が、早速それを開いていく。


「えっと、あいつのクラスは確か……これか」


「おおっ……別人みたいだな」


 そこには今とは違い黒髪で、化粧っ気もない美少女がいた。


 というか、可愛い子は卒業アルバムの写真でも可愛いんだな。


 俺なんか、酷い有様だったけど。


「まあ、流石に卒業アルバムの写真だからな。いっときの間、黒髪に染めたんだろうよ」


「そういうことか」


「なんだ? こっちの方が好みか?」


「うーん……どうだろ? そういうのはないかも」


 確かに俺は清楚系が好きだ。


 自分が描くヒロインなんかも、そのタイプが多い。


 しかし、別にこっちの方の葉月が良いってわけではない。


 もちろん、めちゃくちゃ可愛いとは思うけど。


「へぇ……わかってるじゃねえか」


「うん? どういうこと?」


「いやいや、そいつは自分で気づけよ。写真だけ撮っておくか?」


「いや、悪いから良いよ。でも、見せてくれてありがとう。ちなみに、和也君のは?」


「あん? 野郎の写真見ても面白いことなんかないが……まあ、良いか」


 アルバムを開いていくと……とある人物に目が止まる。


 俺はすぐに、目の前にいる人物に視線を向ける。


「……今と変わらないね」


「ほっとけ。どうせ老け顔だよ」


「確かに。これは成人してるって言われてもおかしくないね」


「おい?」


「ごめんごめん」


「ちっ、ったく……ほら、さっさと勉強しようぜ」


「そのセリフも似合わないからね?」


「ほう? 教えてもらう身分で偉そうだな?」


「ハイ、ゴメンナサイ。ヨロシクオネガイシマス」


「カタコトかよ。んじゃ、まずは数学から……」


 その後、真面目に勉強を開始する。


 その前のただの談笑が、妙に心地よかった。


 そっか、友達ってこんな感じだったんだ。





 ◇



 ……むぅ、どうしよう?


「どうしたの? 難しい顔して」


「桜……」


 目の前でマックのポテトをつまみながら、桜が聞いてくる。


 今日は桜の家で、私の悩みを聞いてもらう会だ。


 なので、二人っきりでお話ししている。


「テストの成績は良さげなんでしょ?」


「まあ、それは平気かなー」


「じゃあ、どうしたの?」


「うーん……野崎君のこと」


「ああ、そっちね。何か問題あった? 別に見る限りは問題なさそうだけど。私から見ると、作戦は成功してると思うし」


「う、うん、それは成功してるかも」


 実は、私は今……野崎君に色仕掛けを仕掛けている。


 さり気なくボディータッチしたり、恥ずかしいけど胸元を見せたり……。


 意味もなく伸びをしたり、テーブルの上に胸を乗せたり……。


「男なんてアホだからねー。それだけで意識するでしょ」


「まあ、それはそうなんだけど……恥ずかしいし」


 私は、自分からそういうことしたことないし。


 むしろ基本的に、しないようにしてきたから。


 そういうことをすると、変なのが寄ってくるし。


 だから、実は……野崎君の視線が、胸とかに来ると恥ずかしかったりする。


 まあ、それが目的なんだけどね。


「あらら……その顔を見せれば1発だと思うけど」


「その顔?」


「はぁ……少しだけ野崎に同情するかも」


「な、何が?」


「いや、あの陰キャにはキツイわぁ」


「だから、何がって言ってるじゃん」


「いやいや、それに気づいちゃダメだし」


「むぅ……」


 どういうこと? 全然わかんないし。


「まあ、結衣は見た目に反してピュアだし」


「ピュアとか言うなし」


「いや、ピュアだから。モテるけど、付き合ったことないし」


「それはそうだけど……」


「それに、変なプライドもあるし。告られたいんでしょ?」


 そう、そうなのだ。


 好きと気づいたは良いけど、自分からは恥ずかしくて言えない。


 それに、男の人に言って欲しいって気持ちがある。


 そのために、攻めてるって状態が今の状況だったりする。


「うん……」


「まあ、テスト明けや夏休みもあるし……これからじゃない?」


「が、頑張ってみる」


「水着でも見せればイチコロだと思うけどね」


「水着……」


 ……もう、何年も着ていない。


 成長期に入った辺りから……。


 でも……少し考えてみようかな。


 きっと、野崎君のラブコメイベントの参考にもなるだろうし。

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