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WEB作家で陰キャの俺、小説を書いてるのが陽キャのギャルにバレる~そしたらラブコメみたいな展開になった~  作者: おとら@7シリーズ商業化
一章

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友達?

 ひとまず、本屋を出たら……。


「んで、どうするよ? お礼は何がいい?」


「えっと……」


 さっきから考えているけど、全然思いつかない。


 その時、俺の目の前にとある建物が目に入る。


「じゃあ、あれでもいいかな?」


「あん? マックでいいのか? 金ならもう少しあるぜ?」


「いや、あそこが良いかな」


「よくわかんねえが、俺に気を使ってるわけじゃないんだな?」


「そういうわけじゃないよ」


「なら良い。んじゃ、行くとするか」


 その後、すぐ近くのマックに移動して……。


「何がいい?」


「お昼は食べてるからて……シェイクとか?」


「わかった。じゃあ、俺が適当に頼むから席を取ってくれ」


「う、うん」


「どうした? きょろきょろして……」


「い、いや、何でもない」


 自慢じゃないが、俺は……マックの中で食べたことはない。


 友達もいないし、一人で食べる勇気もない。


 だから、ここを選んだってわけだ。






 奥の方の空いている席に座り、少し待っていると……。


「おっ、サンキュー」


「う、うん」


 だめだ、こういう時の返しがわからない。


「悪いが、俺は飯を食うぜ」


「別に気にしないでいいよ」


 どうやら、気にしてる様子はない。


 これでよかったのか?


「ほら、お前……野崎も食えよ」


「わ、わかった。ありがとう」


「おう、大したもんじゃないけどな」


 その後、佐々木君は黙々とハンバーガーを食べている。


 これって、なにか話したほうがいいのか?


「佐々木君は妹さんがいるんだっけ?」


「おう、まだ小学生だけどな」


「なるほど。俺には歳の離れた姉さんがいるから、反対だね」


「姉貴か、憧れるな」


「そう? 確かに頼りになるけど……俺は妹か弟が欲しかったかな」


 実を言うと、俺も妹や弟が欲しかった。


 でも、親父や姉貴にそんなことを言えるわけがない。


「そうだよなぁ……まあ、ないものねだりってやつか」


「そういう感じかなぁ」


「やっと口調が砕けてきたな。さっきも言ったが、フランクでいいぞ」


「……わかったよ、なるべくそうする。でも、なんで?」


「俺はあんまり人とつるむのは好きじゃない。お前もそうだろ?」


「まあ、佐々木君とは種類が違うけど」


 俺はぼっちで、彼は一匹狼って感じだ。


「大して変わんねえよ。んで、俺はお前が気に入った。あの啖呵もそうだが、さっきも俺に恐れずに声をかけてきた。俺はこんな見た目だからな、声をかけ辛いのは自覚がある」


「……あれは、葉月が馬鹿にされたから。それと、佐々木君は助けてくれたし。本人が、どう思うかは別として」


「あれはお前が頑張っただけだ。葉月ねぇ……ああ、あの派手な女か。なんだ、惚れてるのか?」


 身を乗り出し、こそっと聞いてくる。


「えっと……まあ、そうだと思う」


「まあ、そうじゃないとああは言えないわな」


「正直言って、まだよくわかってないんだけどね」


「大丈夫だ、俺もよくわかってねえし。というわけで、相談には乗れん」


 意外……確かに怖いけど、背も高いし見た目も良いし。


「モテそうだけど……」


「俺自身が興味ねえんだよ。バイト三昧でそんな暇もないしな。うちには母親しかいないからよ。おっと、気を使うなよ?」


「それなら平気……って言っちゃあれだけど、うちには父親しかいないから」


「……へぇ……お互い、苦労するな」


「まあね。でも、こればっかりは仕方ないかなって」


「……ライン交換するか?」


「へっ? ……い、良いよ」


「んじゃ、決まりだな」


 お互いにスマホを出して、ライン交換をする。


「できたな。おっと、喋ってないで食べないと……」


「あっ、俺も溶けちゃってる」


「おいおい、奢ったんだから勘弁しろよ」


「いやいや、そっちの話が長かったし」


「いや、お前から話題を振ったし」


 ……すごい、普通に話してる。


 それに、男子そのライン交換は初めてだ。


 ……これって、友達ってことでいいのかな?


 うーん……よくわからない。





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