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WEB作家で陰キャの俺、小説を書いてるのが陽キャのギャルにバレる~そしたらラブコメみたいな展開になった~  作者: おとら@7シリーズ商業化
一章

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ファミレスにて

 その後、ファミレスに到着し……。


 俺が拓也と隣、葉月が恵梨香の隣に座る。


「姉ちゃん! 俺、ドリンクバーがいい!」


「なにそれー?」


「ジュースの飲み放題なんだぜ!?」


「ええ!? わたしも!」


「も、もう、恥ずかしいからやめて。それと、人がいるところでは静かにって言ったでしょ」


「「はーい」」


 ……うん、言ってることがお母さんみたいだな。


 そして、とても良いことを言っている。


「別にそれくらいならいいぞ」


「えっ? 悪いし……」


「いや、俺が飲みたいだけだから。俺だけ飲んでたら気まずいし」


 子供や女子が水を飲んでいる中、俺だけがジュースを飲めるわけがない。


「それもそうね……うーん、私が払えばいいか」


「まあ、そのあたりは任せる」


「んー……今日くらいは良いかな。二人とも、いいわよ」


「「やっ」」


「静かに」


「「はーい」」


 二人が歓声を上げる前に、葉月がくぎを刺す。


 その姿が、何やらおかしく見えてくる。


「くく……」


「ちょっと? なに笑ってるし」


「すまん、つい……葉月は良いお母さんになりそうだな」


「はい? ……何言ってるし!」


「おねえちゃんうるさーい」


「結衣ねえがうるさい」


「むぅ……野崎君のせいだし」


 葉月は頬を膨らませつつ、恨めしい表情で俺を睨みつけてくる。


 なんだか、その姿が可愛らしく見えるのだった。


 その後、注文をすませ、全員でドリンクバーに向かう。


 幸い人が少ないので、ある程度二人を自由にさせる。


「お兄ちゃん、どれを飲めばいいかな?」


「全部のもうぜ」


「いやいや、飲み切れる量にしなさい」


 そんな光景を微笑ましく見ている自分に気づく。


 俺と姉貴も、こんな感じだったなと……。





 それぞれ好きな飲み物を飲みつつ、話をしていると……。


 店員さんがきて、パンケーキを三つ置いていく。


「わぁ……!」


「きたきた……!」


 声を抑えつつ、二人は興奮した様子だ。


 ……俺も、こんなだったな。


「でも、三つしかないぜ?」


「あんたは一人で食べて良いから。私が、恵梨香と半分こするし」


「わたし半分なのー?」


「恵梨香には食べきれないでしょ? 大丈夫、足りなかったらお姉ちゃんの分をあげるから」


「あいっ!」


 葉月はフォークとナイフを使い、綺麗に切り分けている。


「に、にいちゃん、食べても良い?」


「わ、わたしも」


「ああ、いいぞ」


「「いただきます!」」


 勢い良く、二人がパンケーキを口に入れ……。


「うまい……!」


「おいちい!」


「そうか、なら良かったよ」


 その姿は、やはり微笑ましくなる。


「っ〜! 美味しい……!」


「……そっか」


「な、なによ? 私だって、食べたかったし」


「いや、別に」


 その姿はギャップを感じ、とても可愛く見えてしまう。


 ……やはり、そういうことになるのだろうか?





 その後、三人はドリンクバーのジュースを飲みつつ、夢中で食べ続け……。


「ごちそうさま!」


「ごちそうさまでした!」


 二人が満足そうな表情を浮かべていると、見ているこっちが満足な気持ちになる。


 ……なるほど、これがほっこりするってやつなのか。


 小説の表現なんかでよく見かける……やっぱり、勉強になるな。


「はい、ごちそうさま。野崎君、本当にありがと」


「いや、大した値段じゃないしな。それに、これも話のネタになると思うし」


 なにせ、普通に生きていたら小学生と関わることなんかない。


 こうした生きた実体験は、きっと何処かで役に立つはずだ。


「ふふ……じゃあ、もっとネタを提供しないとね?」


「ん? 何かあるのか?」


「それは後にしよ。とりあえず、混んできたし店を出よっか」


「えー?」


「まだ飲んでないのあるのにー」


「だめ。他にも食べたい人いるんだから」


 周りを見てみると……確かにほぼ満席のようだ。


 ……ほんと、見た目と違うよなぁ。


 よく回りを見てるし、気遣いができるし。


 こういうところ、個人的には……いやいや、なに言ってんだか。






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