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WEB作家で陰キャの俺、小説を書いてるのが陽キャのギャルにバレる~そしたらラブコメみたいな展開になった~  作者: おとら@7シリーズ商業化
一章

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ファミレスにて

その後、近くのファミレスに移動し……席に着き、メニューを眺める。


それは、別に良いが……近いすぎじゃね?


何で隣に座ってんだ?


これもラブコメイベントか?


「お、おい?何で隣なんだ?」


「うん? だってメニューを見づらいじゃん。あと、勉強するなら隣同士の方がいいし」


「そ、そうか」


「どうしたの?」


「いや、何でもない」


さっきから……おっぱいが肘に当たりそうなんだよォォ!!


「メニューはっと……」


「っ〜!!」


俺越しにメニューを取ろうとしたからだろう。


俺の目の前を、たわわな果実が通り過ぎる。


「ほら、見よ?」


「ぐぬぬ、これがリア充の景色……!」


「はっ? 何言ってんの?」


「い、いや」


こいつにとっては、何でもないのかもしれない。


しかし、俺にとっては刺激が強すぎる。


「変なの……元からか」


「ほっとけ」


「ホットケーキ?」


「んなこと言ってねえし……ずっと見てるけど食べたいのか?」


さっきから、視線が一点に集中している。


その姿は子供っぽく、なんだが可愛らしく見えてしまう。


「そ、そりゃ……食べたいけど」


「とりあえず、ドリンクバー2つだな。んで、葉月はホットケーキでいいな。さっきも言ったが、俺が出すから大丈夫だ」


「あ、ありがとう……」


「別にホットケーキぐらいで恩に着せないから心配しないでくれ。というか、もっと良いものを奢ってもらってそうだし」


「……ふふ、男の子に奢ってもらうのは初めてだよ?」


「なに? ……そうなのか」


てっきりリア充集団の男達に奢ってもらってるものかと。


今の男達は、意外とケチくさいのか?


「もちろん、そう言ってくれる人もいたけど断ってるし。それで気を持たせるのもアレだし、変に勘違いされるのも嫌だし」


「なるほど……モテる奴の苦労ってわけか」


でも、その姿勢には好感が持てる。


こいつって、意外と真面目なやつなのかもしれない。


「ん? ……そうすると、俺は良いのか?」


「君はいいの。ラブコメイベントを手伝うっていう交換条件があるし」


「そういうことか」


「……ふふ、初めてをあげちゃうね?」


「っ〜! な、なっ……」


「ププ、顔真っ赤だけど?」


「く、くそぉぉ……!」


「どう? 良かった?」


「……悔しいことにな」


エロい! 可愛い! 悔しい!


そして……何より書きたくなった!


今ならラブコメイベントを書ける気がする!


「……は、恥ずかしかったぁ」


「あん?」


「な、何でもないし! ほら、さっさと注文しちゃおうよ」





その後、注文を済ませ、二人でドリンクバーに向かう。


しかし、俺の足が止まってしまう。


「どうしたの? 急に立ち止まったりして」


「い、いや……」


ドリンクバーには、明らかに俺とは違う人種がいる。


「きゃはは!」


「マジで!?」


「ウケるわ!」


我が物顔で、ドリンクバー前にいる陽キャ達だ。


すでに飲み物を入れてるのに、席に着かずにその場でしゃべっている。


俺は、ああいう奴らが大嫌いだ。


自分が世界の中心だと思って、偉そうに振る舞う。


それが、どんなに迷惑かってことを知らない……いや、知ってて行動してる場合もある。


とにかく、俺のような者には……ドリンクバーを取れないんだよ!


「ふーん……邪魔くさいわね」


「はい?」


「大丈夫、私が行ってくる」


そう言い、奴らに近づいていくと……。


「邪魔なんだけど? ここ、みんなが使う場所だし」


「は、はぁ?」


「なに、こいつ?」


「——聞こえなかった? 退いて」


その声は大きくないが、やけに迫力がある。


「い、行こう」


「な、なんなん!」


テンプレ的なセリフを残し、奴らが去っていく。


……かっけぇぇ!!


「よし、これでみんな使えるね——ひゃ!?」


「葉月! お前いい奴だな!」


「な、なに!? どういうこと!? どうして手を握るの!?」


「……あっ——すまん!」


すると、周りからも拍手が起きる。


「よく言ってくれた!」


「見た目と違って良い子だっ!」


「ありがとうございます!」


どうやら、みんなも同じように思っていたようだ。


「あぅぅ……わ、私はコーラで!」


「お、おい!?」


そのまま、席に戻っていく。


なるほど……意外と恥ずかしがり屋さんなところもあると。


そして見た目と違って、ああいう奴らとは違うってことか。


……おお、良いアイデアが浮かんできた。





俺は二人分のコーラをもって、席に戻るが……葉月がテーブルに突っ伏している。


「どうした?」


「は、はずい……またやっちゃった」


ひとまず隣に座り、様子を見る。


「さっきのことか?」


「うん……私、ああいう人達嫌いなの。もちろん、ああいう行為も嫌だけど、ああいう人達がいるから誤解されることもあるし」


「……まあ、否定は出来ない」


俺も葉月はあっち側の人間だと思っていた。


だが、陽キャにも種類があるってことか。


……そりゃそうか……陰キャだって色々違うしな。


「中学の時とかは、たまに空気読めないって言われたっけ。だから、高校では抑えてたんだけど」


「……少なくとも俺は葉月が格好いいと思った」


「そ、そう? ……えへへ、ありがとう」


「ら、ラブコメのヒロインの参考にもなるし!」


くしゃっと笑う仕草に、俺の心臓が高鳴る。


……これはラブコメイベント……ただのイベントだ。






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