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【1段階 - 7,8】気難しいお嬢様の取り扱いが大変過ぎた件

 7コマ目はシミュレーターを使って急制動やカーブにおける遠心力の関係、突風が来た場合の疑似体験を行った。


 これと言って面白いネタは無かったが、シミュレーターの映像が未だに2000年代に個人が作ったレースゲームのようなクオリティなのは相変わらずだなと思った。教習所が変わってもレベルの低い合格点オールウェイズ出してくれる。


 ……ただね。せっかく実車を模した機械があるのだから、グランツーリスモやアセットコルサのように限りなく実写に近い映像の方が没入感が増して効果的な教習になる気がする。というか単純にその環境で遊んでみたい。凄く楽しそう。



 ◆



 8コマ目は私が密かに楽しみにしていたAT教習だった。乗車するのはいつものスーフォア君では無く排気量400ccのビッグスクーター、シルバーウイングお嬢様であった。


 ご対面した第一印象は「でかい」

 全長や全幅はCB400SFよりも明らかに長いのだが、ゴツゴツした機械類を覆うしなやかなボディが高貴で優雅な銀髪美少女を彷彿させる。個人的に、こういったビッグスクーターのデザインは最高に格好良いと思うし、少年時代に置いてきた好奇心が呼び覚まされる感覚がした。


 更に、私は免許取得後にスクーターに乗ろうと考えているので、このAT教習でなるべく多くの体験をして購入する車種の検討をしたいと考えていた。


 いざ跨ってみると車体の重さに驚愕した。と言うのも、この子の車重は約250kg。あのスーフォア君ですら200kgなのだから、相当な重量級なのはお分かりだろう。左右に軽く傾けるだけでずっしりとした重みが身体にのしかかった。

 これでコケたら引き起こしなんて到底できそうにない。相手はツンデレな銀髪美少女だと思って慎重かつ丁寧に運転しなくては。


 教官の後に続いて外周を走ってみると、スクーターの快適さに驚かされた。ATなので当たり前だが、アクセルを開けるだけで前に進む。いやあ楽々ですよ。更に足つきも良くて身長164cmチビの私でも(かかと)までべったり付く。安心感は絶大だ。


 慣らし運転を終えると試験課題を一通り試してみることに。さて、走りが快適なビグスクなら教習もさぞかし楽だろう……と思いきや。



 全ッッッ然そんなことなかった。坂道発進以外は全て失敗。スラロームやクランクは足をつきすぎてヨチヨチ歩きみたいになるし散々な結果だった。


 難しい理由は低速走行にある。MTならクラッチさえ繋がればアクセルを開けなくてもいい感じのスピードで走ってくれるのだが、ATは常にスロットルを回してないとすぐに失速してしまう。

 この調整が非常に難しくて、排気量の多いシルバーウイングお嬢様は中々言うことを聞いてくれず、急加速したり止まりそうになってふらふらしたり――まるで「貴方の下手くそな操作が悪いですのよ」とツンツンしていらっしゃるように見えて可愛い(変態)


 結局、高貴なお嬢様の隣に立てるのは相応の持ち主だけなのか……と現実の厳しさを嘆きつつ、同時にこの子をメインに教習を受けているAT限定の生徒を讃えたいと思った。凄いよ本当に。無茶苦茶重いし小回り効かないし低速安定しないのによく運転できるよ。


 ビグスクは格好良いし憧れではあるが、まだ私が手にするには時期尚早だと分かった。冴えない陰キャなのだから、(おご)らずにまずは軽いスクーターから始めてみよう。そしていつかお嬢様の隣に立てるように切磋琢磨努力するのだ。


 そして、普通二輪の教習を受けようと考えている方へ僭越ながらアドバイスをさせていただきたいと思う。



 悪い事は言わないからAT限定だけはやめとけ。



 自動車と同じ難易度設定だと思ったらえらい目に遭うことになる。かく言う私もスクーターしか乗らないはずだからATで良いかと思っていたが、調べてみるとMTにしとけという意見が大半。そして実際に乗って分かった。ATはヤバい。


 唯一のメリットは価格が2万円程度安いことだろうが、その分教習時間は短いのだ。つまり、乗りこなすのは難しいくせに短期間で卒業させようとするのだ。これはヤバい。


 クラッチ操作が不安な方も実際に乗ればきっとすぐ慣れるだろうから大丈夫。すぐに免許が欲しいならMTが無難だ。



 ということで、色々収穫のあったAT教習でした。

 次回はいよいよ1段階の集大成、みきわめです。

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