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眼鏡を外したらイケメンだということをブラコンの妹だけが知っているんだが、俺のこと馬鹿にしてくる美少女幼馴染にバレたらヤンデレ化しました

「陰キャくん、おはよう!」


バシッと俺は背中を通学カバンで

強打され、


「いてぇ!」


聞き覚えのある声。


幼馴染の林ユーコの発言だ。


「もたもた歩いてると遅刻しちゃうよ!

のろまー!」


俺を追い越し、更に俺のことなど一瞥することもなく、駆け足で過ぎ去りし後ろ姿。




綺麗な黒髪美少女なんだが。

俺は口の悪い幼馴染が大嫌いだった。


俺の直ぐそばの家。

窓から窓へと渡れる程の距離感で。

よく、夏休みとかあいつは、

俺に自由研究を押し付けて、

自分は俺のゲーム機で遊び呆けていた。


つまりな。


俺のこといい様に使っていて。

感謝もなければ、更に。

外見や大人しい性格を罵ってくる奴だった。



「また、馬鹿にされたの...?」


そっと。


俺の背後に来て。


優しい言葉をかけてくれたのは。


地毛で茶髪のポニーテール女。

俺よか一個下の妹、

アイリだった。


「いつもいつも酷くない!?」


「もうさ、口利くのやめたほうがいいと思う。

大体さ、人の外見を罵るような女、いけないと

思う!!」




「今日はまだ、口きいてないよ...」


「お兄ちゃんをバカにする女はさ、

バチ当たればいいのよ...!

例えば、そうね、大学受験とかでマークシートが一個ずつズレて、結果、落ちればいいのよ...!」


「あー、あいつは、多分そんなミスしないよ。

ユーコのやつ、やたらとしっかりしてっから...」


「将来は医者になるんだって...

美人なハイスペック女子になる予定って

豪語してたからな...」


「男が跪いて、高額な指輪渡されて結婚してくださいって言うよーな女に将来的にはなる予定!だともこの前、俺に宿題やらせながら、

俺のベッド、勝手に使って寝転んで漫画本読みながら部屋で言ってたし...」


「マジでムカつく!!」

アイリは興奮して息巻いていたが、

やがて、別れ場所の階段の踊り場に着いたので



「じゃあな、アイリ」


と手を振った。


「うん!また放課後ね...!」


放課後。


俺はアイリと一緒に帰ってる。


帰宅部陰キャの俺。


アイリはブラコンの気がやや強過ぎて、

兄である俺とよく一緒にいる事が多いんだが。


それをユーコのやつに言わせると。


「気持ち悪っっ!兄妹、仲良過ぎでしょ!」


「お兄ちゃん、お兄ちゃんってベタベタし過ぎっっ!」


ま、でも。


アイリのやつは別に俺に対して、

手を繋ぐこととか

要求してこないし。


腕を組んで歩くとかもしてこないし。


ユーコにアイリと一緒にいて、

俺が妹と仲良さげに喋っていると。


つかつかつかと、遠くにいても

歩み寄って来て。


ちょっかい出してくる。




まぁ、ユーコ的には。


あいつ、将来の夢を叶えるために国立大の医学部に行きたいとかで。


俺に面倒な宿題とかやらせて。


一応、自分のやりたい受験勉強を図書館とかで黙々とやってるから。


そのストレスで、


俺らが仲良く帰ってたり、

楽しげに会話してると

頭にきて。



ストレス発散目的で、揶揄してきてるみたいだった。


「幼馴染だかなんだか、知んないけど、うるさいっ、ほっといてよ!やきもちやいてんの!?」


とアイリが言い返すと。


「こっちは、ストレスが溜まってんの!

大声出したいの!誰かをからかってると、

楽しくてさぁ...!」


と嬉々として言ったことがあったから、

もう、完全に俺らに絡んでくるのは、

ストレス発散目的だった。





帰宅し、

俺らは母さんと仕事から帰ってきたばっかの父さんの四人で夕飯を食べた。




家族仲は良かった。


だから。




学校であったことや、

今悩んでることを包み隠さず両親に話した。


「テストでいい点が取れなかったよ...」


「また今度頑張ればいいじゃない...!」

と母さんが言えば、


「そうだぞ、アイリ。勉強で分からないとこはお兄ちゃんに遠慮なく教えてもらうといい」

と父さんも妹の背中を押してた。


「うん、そだね...!」


俺もアイリに頼られるのは嬉しかった。

だからな。


「なんで、俺が教えなきゃなんねーんだよ?」


なんてセリフを吐く事は絶対になかったんだ。


「まぁ、俺に聞いてくれれば、

なるべく丁寧に教えるからな...!」


「お兄ちゃん、大好き!!」


そんな発言を。


まぁ、美少女アイリに冗談でも

言われるのは、正直なところ。


滅茶苦茶、心躍って嬉しかった。


やがて。

家族団欒の一時とも言える夕飯を食べ終えた

俺は。俺の部屋で妹に勉強を教え、やがて

風呂に入る時間が来る...。


「ここはさ、この二倍角の公式を使って解けば

よくて...」


「うーん、難しいなぁ...」


アイリは困り顔。


「えっと、じゃあ、こうしてこーしてだな...」


「なんとか分かった...!」




やがて。


部屋のドアが父親によってノックされ。


「おーい、風呂あいたぞ」


って声が聞こえた。


「あ、うん。今行く...!!」


俺は数学のテキストをパタンと閉じた。


それから。




アイリが上目遣いで嬉々として言うことには。


「ね、ね、お兄ちゃん...!これからお風呂でしょ!?じゃさ、もう、眼鏡外して私にお兄ちゃんの顔、見せて?」


「今、うちらの距離、めっちゃ近いじゃん...!」


「顔、滅茶苦茶見たい...!」


俺の左太腿に。


アイリの綺麗な右手がのるかのらないか、

というところ。


そんでもって。


この距離とこのふたりの位置関係から。


肩出しトップスでやや胸の開いた服装で。

アイリの谷間が見えそうで見えない。


ドキドキしつつ。


俺は妹アイリに逆らえない。


そんな可愛い顔で。


めっちゃ近くでそう、懇願されたらな。


男なら誰でも、嫌だななんて言えない。


「ああ...。分かった」


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