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よろしくお願いします。
「音が聞こえるな」
「フラッシュライト!」
ゴンゾウの声に俺が光を放ち、目の前の獲物を確認する。
なるほど、ブラックマウス2匹にゴールデンラット1匹か
ブラックマウスはオーディナルマウスの上位種で、体長は50cm程にもなる。ゴールデンラットなどは更に大きく、目の前のは1mを超えていた。
名前の通り黒と金色のネズミだが、目だけは赤く光っている。
「アイラ!いくぞ!」
「はい!いきます!」
ゴンゾウとアイラ前に出て、ブラックマウスを攻撃する。
「スラッシュ!」
「ピアシング!」
ゴンゾウの斬撃とアイラの刺突が黒いネズミを捉え、怯ませた。
そして代わりにゴールデンラットが勢いよく突進してくる。
「二人とも下がれ!ファイアボール!」
「ファイアボール!」
俺とミライの放った火球が同時に炸裂し、ゴールデンラットは跡形もなく消失した。
余波だけでブラックラットも討伐できたようだ。
「今回もばっちしだったな!」
「おう!」
俺とゴンゾウが腕をぶつけ合い笑うと、アイラとミライも嬉しそうに微笑んでいた。
「今日はここまでにする?」
「最下層はもう少し先まである。俺はもう少し狩っていきたい」
ミライの問いかけにゴンゾウが答える。
確かにまだ限界までは進んでいない。
「私も賛成です」
「よしじゃあ行こうか!」
アイラと俺も賛成し、もう少し進むこととなった。
「変だな。今日はやけにモンスターが少ない」
いつもならもう2,3回は接敵してもおかしくはない。
嫌な感じだ。
「あと一戦して帰りたかったんだがな。そろそろ引き返すか?」
「私も不気味な感じがしてきた」
「そうですね。帰りましょうか」
そうして引き返した瞬間、背後から足音が聞こえた。
「フラッシュライト!」
そこに浮かび上がったのは、見渡す限りのネズミの群れだった。
100匹はいるはずだ。それが息を殺して待ち構えていたのだ。
しかもそれは背後だけではない。前方にも、水路を挟んだ側面にも広がっていた。
……いつの間に、包囲されていたんだ!?
「俺とミライで後ろを燃やす!二人は前方と側方を叩くんだ!」
「スラッシュ!……まずいぞ、こいつらみんなゴールデンラットだ!」
「ピアシング!ほんとに!どうすれば!?」
「ファイアボール!」
俺とミライの合せ技で放たれた炎の玉は背後の群れを燃やし尽くした。
しかし、次から次へと出てくる。
きりがない。
「俺たちは後ろを抑えるので精一杯だ!なんとか二人で前方を食い止めてくれ!」
「わかってるよ!スラッシュ!」
「ファイアボール!」
「ファイア……うわぁっ!!」
「ミライちゃん!?ピアシング!」
二発目の火球が後ろを燃やした瞬間、側面のゴールデンラットの一匹がミライへと噛み付いていた。
アイラのピアシングで息絶えたものの、傷口からは血が溢れていく。
「やばい……深手……もらっちゃったみたい」
「ミライ!ヒールだ!自分を癒やせ!
チッ、ファイアボール!」
「……ヒール!」
後方の群れは3発目のファイアボールが燃やし尽くし、前方、側方のネズミ達は逃げ出した。
なんとか耐えきった……!
「ミライ!大丈夫か!?ヒール!ヒール!ヒール!」
「だめ……血が、止まらないの……」
「そんなっ!?ミライちゃん!?」
「ミライ!しっかりしろっ!」
俺たちじゃだめだ。俺の回復力じゃもう、どうしようもない。
「動かせば手遅れになる。
俺はヒールし続ける。アイラ、助けを読んできてくれないか?クレリック系統の上位職なら、ここからでも助けてくれるかもしれない!」
クレリックはメイジの上位職。
回復と聖属性の攻撃が専門だ。彼らなら……!
「わ、わかった!」
「イズル、俺は!?」
「俺は魔力が切れるかもしれない。それに回復をし続ける以上戦闘はできない。ゴンゾウ、俺たちを守ってくれ!」
「任せやがれっ!」
「じゃあいってくるっ!」
「絶対に助けを呼んできてくれ!無事で辿り着けよ!ヒール!」
「わかった!」
アイラは走り、ゴンゾウは戦い、俺は治癒魔法をかけ続けた。
頭がクラクラしてくる。魔力切れが近い。それでも俺は、治し続ける!!
どれくらいの時間が経ったのかはわからない。
三度小さな群れをゴンゾウが撃退し、俺が数え切れないほど回復魔法をかけた頃、アイラの声が遠くから聞こえてきた。
「もうすぐです!お願いします!」
「おお見えてきた!あの光か!」
「ヒール!ヒール!ヒール!」
「もう大丈夫だ。よく持たせたね。エクスヒール!」
淡い金の光がミライへと降り注ぎ、ミライの血が止まった。
間に合ったんだ!
俺はそれを確認したと同時に視界が真っ暗になった。
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