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よろしくお願いします。

翌朝冒険者ギルドに向かうと、受付にはまたヒルダさんがいた。

「お、早速きたのね。

いまメンターの冒険者を連れてくるから、少し待ってて」

「わかりました」


メンターとは冒険者としての心得や必要な知識を教えてくれる存在だ。

いわば師匠である。

冒険者ギルドでは、新人にメンターをつけて教育を行ってくれてもいる。


給料はギルド側が負担してくれるため、授業料はかからない。


しばらくするとヒルダが軽薄そうな男を連れてきた。

年の頃は二十五才くらいかな?

金髪に色黒で背は少し低めだが、目は大きく鼻筋も通っている。


「やあ、君が新人君か」

「はい!イズルといいます」

「そうかそうか!俺はユウセイ。

君のメンターだ。

かわいい子じゃなくてごめんな」


「いえそんな!」

「新人が困ってるでしょ。

ちゃんと教えてあげてね」


「ヒーちゃん任せといて!一端の冒険者にしてやるよ!」

「イズル君、メンターはいつでも交代できるからね」

「だからちゃんと教えるってば!さあいくよ!」

「はい!」

軽い感じだが優しそうだ。

よかった。


冒険者ギルドをでると街道を歩き始めた。

どこへ向かっているのだろう?


「これはどこに向かっているんですか?」

「まずは初心者向けの狩り場に移動中だよ。

狩り場の入口にね」

「なるほど」


「今のうちに質問があれば受け付けるよ!

なんでも聞いてね」

「ユウセイさんは冒険者は長いんですか?」

「ああ俺も十歳の頃からだから、もう二十年くらいになるかな〜」


二十年!?

「ベテランじゃないですか!?」

「まあいっても三次職だけどな。

俺はシーフだ」

「シーフ」


「大雑把にいうと、状態異常を中心とした遠距離火力職だ。

毒とか麻痺とかにさせることも、逆に味方の解毒なんかもできる」

「おお!」


「上位職のアサシンになりたかったんだけど、伸び代がね〜。

三次職になるのもまあまあ珍しいけど、四次職までいけるのはほんとにごく一部の天才だけだよ」

「なるほど」


俺が目指しているアークメイジはその四次職だ。

大丈夫。

きっとなれる!


「さて、そろそろついてきたぞ。

ここが初心者の集う狩り場、シングレア地下水道への入口、ロッケン講堂だ!」

「ここが」

ロッケン講堂。

名前だけは聞いたことがある。


冒険者になったらまずはロッケン講堂からシングレア地下水道へとおり、マウス系のモンスターを狩っていくのだ。


「じゃ、オーディナルマウス以外は俺が狩るから、イズっちはオーディナルマウスを倒していってね」

「わかりました」


ロッケン講堂は薄暗く、中がガランとしていて、中央に下り階段がある。

階段は三段目程までが見えるが、遠目だとそれより先は見えない。


「よし、階段を降りていこうか」

「はい」


階段の上からみても、七、八段目までしか見えない。

ほこりっぽい空気と、かすかな水音が聞こえてくる。


「フラッシュライト!」

ユウセイがそう言うと、光が放たれて階段を明るく照らした。

こんなこともできるのか!


「中はもう少し明るいけど、一応明るくしておくわ」

「ありがとうございます」

「ちなみにいまの、戦士系統は二次職からだけど、メイジも使えるから使えるようになっとこうか、フラッシュライトって唱えてみて」

「フラッシュライト!」


手の先から何かが吸い取られ、手の外に出た瞬間に光へと変わる。

ユウセイのよりは二回り小さい明かりだ。


だが俺にも、魔法が使えた!


「補助系の魔法はいくつかあるけど、フラッシュライトくらいは覚えといて損はないよ。

あとは俺もよく覚えてないしいいと思う」


「わかりました」

「じゃあ先に進もうか。

モンスターがいるエリアはもう少し先だ」


地下の水道の横を通って行くと門が見えてきた。


「ここより向こうにモンスターが溢れてかないようにって門なんだ。

何重にもなっていて、定期的に俺らみたいな中級冒険者が門の外を巡回してる」


さらに進んでいく。

薄暗く水音だけが響いてる。

かなり不気味だ。


四つ目の門は今までと違い、赤い門になっている。

しかも門の扉が二重になっていた。


「見ての通り、ここから先はモンスターのいるエリアだ。

慌てず指示に従ってくれれば怪我一つさせずに帰れるからね」

「わかりました」

緊張によるものか、手が震える。

いや、これは武者震いだ。

ついに冒険者として最初の狩りができることに、ワクワクしているだけなんだ!


「じゃあ行くよ!」

俺たち二人は門の中へと入っていった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

4話目も明日同じ時刻に更新いたします。

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