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最終話になります!
俺たちはギルドの支部へと戻っていた。
「ありがとう!イズル、ルーナ。
君たちがボスを倒してくれたおかげで、被害はほとんど出なかった!」
アレンは手を差し出した。
握り返して俺は答える。
「いいってことよ!
みんなを守るのが俺のやりたいことだしな」
「今回の戦いで過去と決別することが出来ました。
私も、皆さんと戦えて良かったです」
ルーナはそう言って微笑んでいる。
でもルーナはどうして戦う事ができたんだろう?
トラウマで、モンスターの前に出るのも辛そうだったはずなのに。
「ルーナ君は平気かい?」
アレンが気遣わしそうに聞く。
「ええ!平気です。
最初は怖かったんですけど。
私がスタンピードを生き残った時も、こうして戦ってくれた冒険者様が大勢いらっしゃったんだなと思いまして」
たしかに、他のスタンピードの時も冒険者は戦うだろう。
「そう思ったら、私はその恩を返すべきなんじゃないかって。
そんな風に考えていたら、震えが止まりました!」
ルーナの目が輝いている。
「ルーナ君は強いな」
アレンの言う通りルーナは強い。
そして使命感を持つというのは、恐怖に勝つためにはいい方法なんだろうな。
「さあ!2人がどれくらい強くなったか見させて貰いますね!」
ヒルダが頭に手をかざす。
「ルーナさんは1056、イズルさんは1252!なんということでしょう!
おふたりとも四次職に転職できますよ!」
四次職。
それは世界最強の一角を担うということだ。
ついになれるのか……!
そうして俺はボサツ、ルーナはエンハンサーへと転職を果たした。
四次職は数が少ない。そして王都には四次職がいなかった。
「2人とも、新しい街でも達者でな」
この街で四次職が戦うだけのダンジョンや任務はそう無いからだった。
でも。
「俺はこの街で戦うよ」
「なんでだ!?
辺境にいけば、もっと多くの任務がある。
もっと強く、金持ちになれるぞ!」
アレンの目は驚愕に染まっていた。
今までここで生まれた四次職の奴らは、こんな選択を考えもしなかっただろう。
でも俺にはこれ以上強くなるより、やりたいことがあるんだ!
「俺はもう充分強くなったし、稼がせて貰った。
これからはここで、みんなを守りながら生きていきたい」
「私も、イズルに賛成です!」
「そうか……!
いずれはお前たちが、このギルドを背負っていくんだろうな」
アレンの目には光るものがあった。
ギルドを出ると、子供たちに囲まれた。
俺も子供ではあるが……
まだ7、8才の、冒険者になれない年齢の子供たちだ。
「ねぇ!ボス倒したんでしょ!」
「すごい!」
「僕も冒険者になるんだー!」
口々に興奮した様子で話してくる。
「そうね!そうしたらもっと下の子達を、守ってあげてね!」
ルーナはそういって1人ずつと指切りしていった。
彼らは次のルーナなのかもしれないな。
畑に帰ると父さんがいた。
「聞いたよ!2人とも大活躍だったってな!
ミカンがなるよりずっと早く、成長しちまったな……」
まだミカンは木になっていない。
当然実をつけることもなかった。
「エンハンス!」
ルーナが唱えると、ミカンの苗木はすくすくと育っていき、木になり、立派な実をつけた。
「おい!そんなことまでできるのか!?」
「便利な魔法ですよね」
俺の魔法はそんなものないのに。
「戦いの時は、イズルにもかけてあげます」
「ああ!そのときは俺が前に出てみんなを守るよ!」
二人なら、どんな苦しい戦いでも乗り越えられる気がする。
俺と幼馴染は世界最強の冒険者なのだから。
「ほら!とってきたぞ!」
低いところになっていたミカンを3つもぎ取り、父が差し出してきた。
それぞれ皮をむいて食べてみる。
ミカンの実は酸っぱかった。
これにて完結です!
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新連載を今日から始めますので、よろしければそちらも読んでみてください!
また次回作でお会いしましょう!
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